104 宿題の成果
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ディオが眠りにつくと穏やかな空気は一変、シドたちの緊張した空気が一気に加速した。
久々に会うクラークというのは嬉しい反面、評価を教えられるだけにディオのように素直に喜べないものである。
いつも以上に背筋をピンと伸ばしたとシドとトリス、すでに怒られることが確定しているとワタワタしているフラン。
つられるようにしてアルドも緊張してしまう。
「まずは宿題について聞きましょう」
クラークは自身が体調を崩し療養する際、それぞれに宿題として課題を出した。
彼らも決して未熟なわけではないのだが、まだまだ至らぬことも多い。そこでステップアップのためにクラークは宿題を用意したのだ。
ディオの専属使用人のリーダーはシドに移っても、技術面などクラークに教わることもまだまだ多い。
「シドからにしましょうか」
「はい。よろしくお願いします」
クラークの方に身体を向いたシドは出された課題を言ってから自分なりにやってきたことをクラークに報告する。
シドに出された宿題は、ほとんどシド1人が動いてやっている業務が多いのでトリスやフランにも仕事を任せられるようにすることだ。
そうすることでシドが余裕が生まれるので業務に支障が出にくくなる。
「それなりにと言ったところでしょうか。しっかりした新人も入ったのでより任せられる範囲は広そうです」
「先程の様子を見るにそのようですね。後輩の育成が出来ているようで安心です」
次はトリスに指名が入る。
トリスはもう少し柔軟性を持てるようにと、侍女としての役割を出来るようにであった。
掃除以外の侍女の仕事は割とフランに軍杯が上がる。
「はい。柔軟性については自分での判断は難しいのですが、お茶の味については兄さんとフランさんから合格をもらいました」
「1つ達成ですね。柔軟性についてはディオ様から頂いた手紙を見る限り良くなって来ているようですね」
「ありがとうございます」
シドと同じく胸を撫で下ろしたトリスは、お茶のおかわりをいれてきますと立ち上がった。城を出る前は合格をもらえていなかったので成長したことをクラークに見てもらいのだろう。
「トリス、それなら僕が……」
空気を読めていないのか、それとも怒られるのがわかっているのでその場を離れたいだけなのかフランも立ち上がろうとしたがシドに襟を掴まれ当然止められる。
「フラン、次はお前の番だろう」
「なのでフランさんはそのままで」
「えぅー」
観念したように再びを椅子に座りなおしたフランは、クラークからの視線を浴びて困ったように口を開いた。
フランに出された宿題は至って分かりやすく、マナーや作法を覚えて一般使用人レベルまで出来るようになることだ。
「……あんまり出来てないです。時々、アルド君と一緒に勉強させられてます。シドによく怒られます」
箇条書きのように喋るフランは逃げられないと分かっているので素直に白状をする。
侍女スキルなら格段にアップしているのだが、マナーや作法はと言うと未だ人前に出すには躊躇いが残る。パーチメントという免罪符を外せるのはいつになることやら。
「自覚があるはようですし、フランもこのままでいけないと分かっているようなので今回は及第点としましょう」
「ありがとうございます、クラークさん」
怒られずに済んだことでフランは顔をあげてクラークに礼を言うが、クラークは優しい笑みをフランを向けてフランに言う。
「ですが、アルドとともに勉強を受けフランは復習をしなさい。シド、トリス、お願いします」
「はい」
「はい」
やだーとややべそをかくフランだが、ディオが起きるから騒ぐなと皆取り付く島もない。これに関しては出来なければならないわけで味方してくれる人はいない。
「……フラン。一緒に、頑張ろ?」
打ちのめされているフランに、可哀想だと思ったのかアルドがそう声をかけた。
シドには甘やかさなくていいと言われたが、クラークは優しい後輩が出来て良かったですねなんて笑っていた。
目を覚ましたディオもフランの味方はしたいが出来ない模様。




