封じられたクリスタル!記憶を写す悪魔!~想起~
「ハッ!?…なんだこれ?」
意識が戻った俺はすぐに異変に気付いた、いや気付いたというか何もかもがおかしかった。
「俺は…確かギガントと戦って…でもここは…」
気が付くと俺は大きな町のど真ん中に立っていた。周囲には大きな建物が立ち並び多くの人が行き交うまさに大都会といったところであろう。
「おかしい…あ、あの~すいません。」
こちらへ向かってきた人に声をかけようとするが、その人はこちらの声に気づく様子も無かった。すると自分の足のあたりをすり抜け子供が走り去る。
「わっ!」
俺は腰を抜かして尻餅をついた。行き交う人々は俺をすり抜け歩いていく。
「んん~?どういうことだ、夢なのか?それにしては意識がはっきりとしているような…」
俺は周囲をきょろきょろと見渡し観察する。建物には明かりが灯っており車道には車が渋滞を作っていた。
「もしもし~いまどこ~」
「今日はゲーセン行こうぜ!」
「地下鉄の駅は…っと」
あたりに耳をすませばそういった群衆の会話が聞こえてくる。
(なんだこれ?こんな夢なんかあるわけ…)
そう思い頭を抱えながら道を歩いていく。休日なのだろうか人通りは多い。多くの人の流れがあったが、なかでも人の流れが大きかったのはこの目の前に見える巨大な建物へと続く道だった。
「ショッピングモール…?なんだ、見覚えがあるような…」
妙な既視感を覚えた俺は入ってみることにした。中に入ると当たり前だが普通のショッピングモールだった。様々な商業施設が入っておりどこも人でにぎわっている。俺はとりあえず一通り回ってみることにした。そしてショッピングモールの外で覚えた既視感は中でも同じだった。
「スポーツ用品店…洋服店が3つ並んで…本屋、ゲーム屋…何で知ってるんだ俺?」
そう疑問に思っていると前方の親子連れに目が留まる。さっきから人は自分の体をすり抜けていくのであまり気にしていなかったのだが、何故かその親子連れだけ異様に目についた。しかし特に何の変哲もない親子連れ、父親と母親、そして小学6年生の男の子だ…?
「なんでわかったんだ?6年生って?…なんか頭が…ぐ!」
強く頭が痛み始めたので強く自分の頭を抑えた。さらに胸がドクンドクンと脈打ち苦しくなる。
「はぁはぁ…」
息を切らしながらその親子を見つめる。なんとも幸せそうに笑いながら買い物をしていた。だがそれを見ているとなぜだか悲しくなってくる。苦しくて立っていられなくなりその場に座り込む。
「な、なんだこれ。マジでなんなんだ…」
そう思っているとさっきの親子の子どもがは急に走り出し、俺の横を抜けモールのエスカレーターを駆け下りていった。その子の両親も気が付いたようで追いかけようとする。その時突然地面が大きく揺れた。その揺れを感じ取ったのは自分だけでなく周囲の人間もであったようで各々がうずくまったり、立ち止まったりしていた。
「おーい、待てノボルー!」
「止まりなさい、ノボルー!」
その両親の子供を呼ぶ声に俺の頭痛はより一層激しくなり床にうずくまり頭を抱えながらその両親を観察する。避難誘導をしようとしていたモールの係員がその二人に近づく。
「どうしたんですか!?」
「その…子供がどこかへ…名前はシラヌイノボルっていう…」
「…ッ!ぐわああああああ!!!!!」
その言葉を聞き俺の頭の中で何かが弾けたような衝撃が走る。頭痛はどんどんとひどくなる。俺は床にのたうち回りながら叫ぶ。そしてあまりの激痛に耐えきれず気絶した。




