堅牢なる城壁!サハラ砂漠の魔人!~襲撃2~
これがギガントの正体、ドレッドノートクライシスの倍はあると見える大きさであった。これまで反応も小さく正体が掴めなかったのは自身の体を分裂させ砂漠に潜んでいたためだったのか。そんなことを考えていると砂漠にそびえたつ巨人はこちらを見下ろしながら右腕を振り下ろす。もう一度後ろへの跳躍を試みるが砂が引っかかり機体がバランスを崩す。なおも振り下ろされる巨人の右腕に対して咄嗟にこちらの右腕を差し出す。
「エネルギーシールド!!!」
右腕に取り付けられたシールドが光り粒子を放出、その粒子はギガントの攻撃を反発させて受け止めようとする。しかし、そのあまりにも重い攻撃を反発しきれずそのままこちらへ。ドレッドノートクライシスはその攻撃を受け止める体勢に入る。鈍い音が響くが粒子シールドで勢いが弱まっており何とか機体は持ちこたえることができた。しかし、下が砂のため踏ん張りが効かない。
「うおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」
俺が叫ぶ、ドレッドノートクライシスの目が赤く光り出力が上がる。ギガントの攻撃の勢いを利用しながら何とか受け流し後退する。下がってみるとこのギガントの攻撃で頭部がさっきよりも低い位置に来たことが確認できた。頭部は覆われている岩石が少なく剣攻撃が通ると考えた俺は剣を取り出そうとする。しかし思い出した、今回の索敵装備のために最低限の武装しか現在装備されていることを。現在ある攻撃装備は腰のハンドガンのみだ。これではあの岩石で覆われた体に命中させたところで怯みもしないだろう。そう考えていると通信が入った。
「聞こえる!?そっちに「セイバー」に積んである武装を今からコンテナで輸送するわ!索敵のための装備を全てパージして何とか持ちこたえて!」
それを聞いて俺は操作パネルで左腕のカタパルト、背部の大型アンテナ、壊れたシールドを全て取り外し砂漠に落とす。これから敵の攻撃を何とか回避せねばならない。余計なものがなくいつもより身軽とはいえ砂に足を取られてその隙にパンチでももらえば一巻の終わりだ。慎重に操縦しなければいけない。ギガントは振り下ろした右腕を元に戻しながらこちらへとドスドスと歩みを進めてくる。俺はブースターを展開しギガントに背を向けてモニターに示されているコンテナ落下ポイントまで一直線に向かう。敵はドレッドノートクライシスとほぼ同速でこちらに迫るがポイントまでなら追いつかれないはず…そう考えて後ろを振り返る。ギガントは変わらずこちらに迫ってきているが、その周囲に異変があった。俺はカメラを望遠モードに切り替え目を凝らす。
「…!岩が浮いてる!」
幾多もの岩の塊がギガントの周囲を浮遊し衛星のように周っていた。そしてその岩の一つがこちらに射出される。勢いよく繰り出されたその岩の塊は機体の肩をかすめそのまま彼方へ消え去る。まさに砲丸のような幾多もの岩の塊がギガントの周囲からこちらを狙って襲い掛かる。後ろを振り返りながら何とか回避し目標地点を目指すがこちらへと襲い掛かる岩は止まず、ついに後部ブースターに被弾した。体勢を崩した機体は砂漠へと落ちる。
「ク、クソ!あともう少しだ!走れぇ!」
ドレッドノートクライシスを立ち上がらせるが、岩の塊はまだ後方より降り注ぐ。俺は腰のハンドガンを右手で構え、できるだけ岩を破壊し目標地点を目指し走った。しかし、確実に岩による被ダメージが蓄積され、さらに先ほどよりも速度が落ちてしまったことでギガントとの距離はみるみる縮まった。
「コンテナ投下完了した、早く!」
イスズから通信が入る。あとは到着するだけ、もうコンテナも見えている。そう思い足を速める、しかしその時足元に黒い影が伸びる。もう後ろを振り返ればギガントはすぐそこまで来ていた。
「コンテナ開けぇぇ!!!!」
直前でそう叫び、コンテナの扉が開かせる。中に入っていたのはハイパワーレーザーキャノンだった。素早く右手を伸ばして装着し振り返って射撃体勢に入った。ギガントは大きく吼えながらこちらを目がけて右腕を振り下ろしていた。モニターの照準がギガントを捉えロックオンした。
「いけえええぇぇぇぇぇ!!!!!」
コックピットの強い衝撃とともにレーザーキャノンの砲門から強い光が伸びギガントの拳を貫き右腕を貫通させる。俺は発射の衝撃に耐え砲門を右にずらしていき、ギガントの胴体のほうへと光の軌道を変える。衝撃により火花を散らしながら機体の右腕は強く赤く光る。レーザーが胴体を覆われていた岩石ごと切り裂いていく。
「ブロロロロォォォォォ!!!!!」
ギガントの苦しむ声とともに胴体は切断されていきついに真っ二つとなりガラガラガラと音を立てて崩れていく。レーザーキャノンの光も消えドレッドノートクライシスはその場でガクッと座り込む。その右腕からは黒煙が上がり機能不能となった。満身創痍の状態だったがまだ戦いは終わっていない。
「角を…ハァハァ、破壊していない…、…再生する!」
俺がそう思ったときには崩れた岩がもう一度固まり始めていた。しかし、先ほどのように巨大な人型にはならずその頭部を中心にいくつもの巨大な岩石の腕と盾が浮遊していた。




