【06】 世の中には絶対に勝てない相手っているんだよ
爽香「見たくなくても目に入りますよ!」
松木「ハハハハ!」
爽香「一番ひどかったのは、鼻かんだ後に『今日の状態です』ってトイレットペーパー広げて見せてきた時ですよ!」
松木「そんなことしたか?」
爽香「覚えてないんですか!?」
松木「覚えてる。きれいな鼻水だったろう?」
爽香「どこがですか!」
松木「ハハハハ!」
爽香「あれ、他の人にもやってるんですか?」
松木「いや、人は選ぶ」
爽香「どういう基準なんですか」
松木「パワハラだセクハラだと騒ぎそうな奴にはやらん」
爽香「なるほど……。奥さんにもやるんですか?」
松木「やらん」
爽香「どうしてですか?」
松木「一度やったらな、向こうはトイレから出てきて『今日のウンチです』ってお尻拭いたペーパー見せてきたんだ。『俺は検便係か!』って返したが、あの時はさすがに降参したね」
爽香「上には上がいるんですね……」
松木「そうさ。ボートレースと一緒で、世の中には絶対に勝てない相手っているんだよ」
爽香「じゃあ、今でも奥様には頭が上がらないんですね」
松木「その通り!」
爽香「小銭しか持ってない教官がケブラーズボンなんて言っちゃって大丈夫なんですか?」
松木「ハハハ! 能書きは無事故完走してから言え!」
爽香「教官には悪いですが、サクッと無事故完走しちゃいますからね!」
松木「フライングして泣くなよ? お前はすぐ泣くんだから」
爽香「もうプロなんです、泣きません! 勝負の世界で生きていくんですから」
松木「そうだといいがな……」




