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【41】 舟券師は彼女もいない、つまらん人生を送ってる?

金子「ははははは! 栗さん、本人目の前にしてけちょんけちょんに貶めてたもんなぁ!」

栗原「だって、まさか目の前の男が舟券師本人だなんて思わないじゃないか!」


金子「あそこまで見事に侮辱できるんだから大したもんだよ」

栗原「それ褒めてんのか!?」

金子「頭のてっぺんから足の先までボコボコだ。よくそれだけ悪口が出てくるよ」

栗原「そこまで言うなよ……」


金子「舟券師に対する偏見と冒涜だな」

栗原「誰だってそう思うだろ! こんな水際で一年中暮らしてる生き物なんて、タニシか舟券師くらいなもんだぞ!」

金子「自分勝手な先入観だな」


老人「そう言えば……」

金子「はい?」

老人「そう言えばねぇ」

金子「なんですか?」

老人「あんた」


老人が栗原を指さした。


老人「あんた『舟券師はボートがすべてで、家庭も無ければ彼女もいない、つまらん人生を送ってるんだ』とも言ってたなぁ」

栗原「よく覚えてますねぇ……! そこまで俺を追い詰めます!?」


老人「まあ、弱っている時にとどめを刺しておくのが人情ってやつでね。ははははは」

金子「ははははは!」


栗原「そ、そんなぁ……」

栗原はがっくりと肩を落とした。

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