【36】 女子レーサー(3・6号艇)は消し
第1レースのスタート展示が始まった。
インコースから123456の順、綺麗な横一線のスタート。
続く周回展示も、ほぼ出走表の評価通りの仕上がりを見せていた。
金子「さて、1レースはどれを買うかな」
栗原「3号艇の野部香折はどうだい?」
金子「どれどれ……」
金子が専門紙に目を落とす。
金子「38歳か、ちょうど脂の乗った年齢だな。三日目に1着を取ってるし、このメンバーなら男性陣に混ざっても行けるかもな」
栗原「だろう? まあ1着は1号艇の萩谷淳史でガチガチだろうけどさ」
金子「A1級でこの勝率で1号艇は反則だろ。誰がどう見ても負ける訳がない」
栗原「うん、負けるパターンが浮かばないよ。モーターもいいのを引き当ててるしな」
金子「じゃあ、1号艇のA級レーサー萩谷が1着。2着には、3号艇・勝率4.44の野部香折(女子)で行ってみるか?」
栗原「うん、それで間違いない。決まりだな」
金子が隣の新井に振り向く。
金子「お客さんの予想はなんだい?」
新井「難しいですね。でも、女子レーサー(3・6号艇)は消しましたよ」
金子「えーっ!?」
栗原「どうしてさ?」
新井「このメンツじゃ、どう見ても無理でしょう」
栗原「ってことは、俺たちは外れるってことかい?」
新井「まあ、こればっかりは何が起こるか分かりませんがね。私なら買いません」
栗原「じゃあ、何を買うんだい?」
新井「予想は『1-5』一本と言いたいですが、『1-4』も有り得ますね」
栗原「じゃあ『1-5』『1-4』の2点を買っておけばまず間違いないってことかい?」
新井「ええ」
新井が頷く。




