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19.強敵現る

☆☆☆


「これでよし...っと。」


移動した先で魔物を気絶させ、縛り上げる。助けた住民たちに、避難場所を教えて促す。これで大方の魔物は片付いただろう。...あとは。


「門の付近だけ、か。あそこだけ、異様な雰囲気を感じるんだよな...。」


ちらりと見て、ため息をつきながらそういう。奴らが入ってきたであろう、門の付近。あの場所だけ、ほかの魔物たちとは違い、もっともっと重苦しい雰囲気を感じでいた。


「見てみぬふりはできねぇし、あそこをどうにかしないとソフィアさん達が外から帰ってこれねえ。行くしかねえよな...!」


俺は自分の顔をパンと叩き、気合いを入れた後、その場所へ向かった。道中、一ノ瀬達を見かけたが、ちゃんと俺が行った避難場所へ向かっているようだった。俺は安堵しつつ、門へ向かう。


門の近くまで来て、ひょこっと様子をうかがう。門の付近にいたのは、3体の人型の魔物だった。うち2体はSPのように、1体の魔物を守っている。


「...!」


その1体の魔物を一目見ただけで、背筋がぞわっとした。体中から危険信号が出る。本能的に、あいつにはやばいと直感した。


でも、やらなきゃ。こうなったら不意打ちを...


「そこの人間。隠れても無駄だぞ。お前の居場所は手に取るようにわかる。不意打ちなど我には無意味よ。」


「なっ...!」


バレている、だと!?いや、でたらめを言ってるだけの可能性もあるし、今はまだ飛び出すのは早計...


「ふん、隠れても無駄といっているだろう。出てこないなら、今お前がいる場所ごとふっとばしてやる。」


そういって奴は、本当に俺のいる場所めがけて魔法らしきものを放ってきた。直感でわかる、あれはやばい!着弾させちゃだめだ!


「くそっ!はぁっ!!」


俺はナイフを引き抜き、思いっきり魔法めがけて振りぬいた。


「ぐっ、重い...けどっ!」


それまで感じたことない重さに気おされそうになるが、何とか踏ん張って、魔法の弾を跳ね返した。


「ふん」


奴は跳ね返した魔法を、虫でも払うかのように片手で弾き飛ばした。魔法は奴の後ろへ飛んでいき、着弾した瞬間ものすごい勢いで地面をえぐった。あれを返せなかったと思うと、冷や汗が出る。


「思ったよりやるではないか。あれを跳ね返したのは勇者以来だ。」


「くっ...お前何者だ、なぜここを狙う!?」


「そうだな、跳ね返せた褒美に自己紹介をしてやろう。」


そういってこちらに来ようとするやつを、2人の魔物が制止する。


「お待ちください!あんな奴、我々のみで消し炭にできます!我々にお任せを!」


「そうですとも、あなた様がわざわざ出ずとも...!」


そういって魔物たちは、俺のほうに武器を向けてくる。あいつら二人も相当の強敵だ。中にいたやつらとは比べ物にならない。二体同時に相手取るのは少々厳しいかもしれない。


俺が武器を構えたその時。


「邪魔だ、失せよ。」


「「がっ...!!」」


そういって、奴の手が二人の魔物の胸を貫いていた。


「な、なに、を...」


「我の楽しみを奪うつもりか?そんなことはさせん。ふん!」


奴は手を引き抜く。その手には、赤色に光る何かが握られていた。


「あ、あ...!」


「我の邪魔をしたこと、死んで詫びよ、下種どもが。」


握っていたものを粉々に握りつぶす。その瞬間、2人の魔物は地に伏せた。


「おまえ、仲間をそんな簡単に...!」


「仲間?こいつらはただの駒だ。それに、お前ら人間も、悪いことをしたら同族を罰するのだろう?それと同じことよ。」


奴は笑いながら言うのだった。


☆☆☆

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