20.敵側の要求
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「さて、と。とんだ邪魔が入ってしまったな。それでは、自己紹介をしようじゃないか。」
そういって、やつはにやりと笑う。俺はその威圧感に気おされそうになりながらも、何とか踏ん張った。
「わが名はリュード。ここら一体の魔物の長をしている、四天王と呼ばれるうちの一人だ。」
「四天王...」
「魔王様直属の部下、といったところだ。お前ら人間が魔王様や配下の魔族たちを倒してくれたせいで、我らはバラバラになってしまった。今では全盛期の5分の1程度しかいないのだぞ。そのせいで、俺たちがどれだけ苦労したか...四天王も先の戦で1人勇者にやられてしまったしな。」
「そうだったのか、じゃあもう四天王じゃないじゃん。」
「黙れ!貴様にはわかるまい、我らが切磋琢磨していた日々を...!」
リュードはわなわなと震える。
「あいつは優しかった、敵である勇者にさえ慈悲をかけるほどに...それなのにあいつは、恩をあだで返した!手を取り合おうとしていたあいつを、勇者はここぞとばかりに攻撃して...!」
奴の怒りで大地が震えていた。俺はあっけらかんとして言う。
「まじか、勇者最低だな。いや、それを良しとした国王もみんなクズか。人が手段で集まると、やっぱろくなことにならないな。中途半端にリーダー感があるやつがいると、尚更な。」
俺はクラスメイトのことを思い出しながら、ため息をついた。
「...ん?」
リュードと名乗ったその魔物は、首をかしげた。
「なんだよ」
「いや...なんというか、調子が狂う?どうせ、『お前らも町の人々を殺したろ!許してはおけない!』みたいな感じで突っかかってくるかと思ったんだが...」
「いや、さっきの話だとどう考えても人間が悪いだろ。その四天王は和平の道を、殺し合う以外の道をしてみていてくれたのにさ。それをつぶしちまったんだから、勇者とかいうやつは。」
「ふむ...?」
「それに、さ。先にどっちが手を出したとか、どっちがどれだけひどいことをされたのかはわからんけど、それをお互いつぶし合うことでしか渡り合えなかったのは悲しいな。」
「...なるほど、お前は他の人間たちとは少々異なるようだ。物事を俯瞰して見れている。」
「人間とかいう自分勝手な連中に、飽き飽きしてるだけかもしれねえけどな。」
俺はため息をつく。
「昇」
「うん?」
「俺の名前だ、霧野 昇。」
「キリノノボル...そうか、覚えておこう。」
「で?お前らの目的は、そんなばかやった人間達への復讐か?」
「その気持ちがあるやつもいるだろうが、少なくとも我は違う。」
「じゃあなんだ?ただの侵略?」
リュードはこちらをキッと睨みつけながら言った。
「我はただ、返してほしいだけだ。魔王様の孫娘に当たる、オリーナという人物を。」
それは、予想していなかった返答だった。
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