15.魔族の進軍
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数日後。
あれから、授業に来るのは決まってあの時残った数人のみとなっていた。クラスの大半は、籠って出てこないか町をぶらついているらしい。ソフィアさんが声をかけてはいるが、一向にくる気配はなかった。
「こんな状態では、もし魔族が攻めてきたとしたら...」
ソフィアさんはため息をつきながらそういう。そばにいたオリーナ先生は、少し悲しそうな顔をしていた。オリーナ先生が半魔族であることは、俺とオリーナ先生以外知らない。魔族が恐れられている現状を憂いているのか、あいつらが来なくなってしまったことを悲しんでいるのか、はたまたその両方か...。
「ソフィアさん、今は残った俺たちができることをするのが先決だと思います。俺たちが強くなれば、もし本当に攻めてきても大丈夫でしょうし、それにあいつらも俺たちが頑張ってるところを見たら、また頑張ろうとするかもしれないし。」
俺がそういうと、みんなが頷く。今やれることをやれるだけやる。きっと、それが一番の近道だろう。俺のナイフも、同意するかのように震えた。
「うん...まあそうだな。よし、そうと決まれば始めよう。今日は...」
そうして、俺たちはソフィアさんのもとで強くなるための特訓を続けた。俺はナイフをうまく扱えるようにするため、ひたすらソフィアさんと実戦形式の稽古を行う。
わかったことは、俺の意識とナイフの意識を同調させるようにすると、うまく体が動いてくれるということ。俺の意識が弱いと引っ張られてしまうし、強すぎると下手しい体が変な方向に捻じ曲がる危険がある。逆に同調することができれば、人並み以上に動くことができるし、早さも強さも数十倍に跳ね上がる。
そして、ナイフの扱いに慣れてきたころ。正確にはあいつらが来なくなってから2週間が経過したころ、それは起きた。
「よし、みんな揃ったな。今日は...」
「だ、団長!!大変です!!」
練習場に大慌てで乗り込んできた数人の兵士。その形相は、鬼気迫るものがあった。
「どうしたお前たち、何があった?」
「ま、魔族が!!魔族の群れが!!王国に進軍してきています!!」
「何だと!?」
ソフィアさんも、俺たちも、そして見学に来ていたオリーナ先生も目を見開いた。オリーナ先生は唇をかみしめている。なんで?どうして?という顔だ。
「敵の数は!?」
「先導隊によると、その数およそ、1000以上...!!」
「1000以上だと!?魔王は打倒されたというのに、まだそんな数の残党兵が...!!やはり魔王の復活をたくらんでいるのか...?」
「それよりもどうしましょう!?我々も出兵すべきでしょうか!?」
「国王の指示は!?」
「それが昨日から、ちょうど外交でこの国におらず...!」
「ああくそ、そうだった...!我々の兵も、半数が国王の護衛で駆り出されているし...」
ソフィアさんは頭を抱えた。と、また1人兵士が慌てた様子...かつ、泣きそうな顔で飛び込んできた。
「だ、団長!!大変なことに...!!」
「こ、今度は何だ!?」
「せ、先導隊と...通信が、途絶えました。混戦状態に入る、という言葉を残して...」
ソフィアさんはギリッと歯音を立てる。
「...発見地点から、この国までどの程度だ。」
「あ、歩いて15分といったところです。」
「すぐそこじゃないか!?なぜ気づかなかった...!!」
しばし考えた後、俺らのほうをちらりと見た。一緒に戦ってほしい、とソフィアさんの目が言っている。
クラスのやつらは震えていた。親友の功も、手の震えが止まらないようだ。
オリーナ先生の方を見ると、悲しそうな目でこちらを見ていた。戦ってほしくない、と言っているのがわかる。
俺はいったい、どうすればいいんだろうか。
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