第6話 幼馴染のアレックス
「久しぶり、ナターシャ。」
セバスチャンを探していると、声をかけられた。
「アレックス!?どうしてここに?」
アレックスは、私の幼なじみの男の子。あっ。もう、男の子、ではない年齢ですわね。
小さい頃は、よく一緒に遊びましたわ。
庭園でかくれんぼをしたり、川で水遊びをしましたっけ。
今思うと、ちょっとおてんばだったかもしれないですわね。
懐かしい思い出です。
もう、一緒に遊んだりすることもなくなりましたが……、
今日は、いったいどうしたのかしら??
「ナターシャ……」
「見ないうちに……、その……」
「……き、綺麗になった……な」
アレックスが、顔を赤らめた。
「まあ、ありがとうアレックス」
私は、ニッコリ微笑んだ。
ほらほらほらほらっっ!!
これこそが、私を見た時の正しい反応なのよ!!
私、この反応が、セバスチャンから欲しいのよっ!!
アレックスを見習ってほしいですわ。
どうして、今、セバスチャンはいないのかしら?
さりげなく、周りをうかがっていると、アレックスが花束を差し出した。
「これ……、ここに来る途中の花屋にあったんだ。」
「ナターシャ、お花、好きだったろ?」
よく覚えていらっしゃいますわ。
シロツメクサで、お花の冠を作ったりもしましたわね。
そう、アレックスは、あの頃からとても親切でしたわ。
「嬉しいわ、アレックス」
花束を受け取ると、
「あれっ?なんで手袋をはめているの?」
アレックスに、手袋を見つけられてしまいました。
「あ……、ダンスのレッスンをしていたの。」
「手を少し擦りむいてしまって。保護するために、つけているのよ。」
私は、とっさに言っていた。
手に直接触れられるのが苦手だから、なんて言えるはずもないですわ。
「大丈夫なの?見せてごらんよ」
アレックスが、私の手に触れようとした。
「あ、アレックス、だめ――」




