第20話 教えて
「ご存じですの!?」
驚きました。
一応聞いてみたものの、本当に知っているとは思っていませんでした。
「それでは、セバスチャンは、どこで、何をしているの?」
お父様は、少し考えてから、口を開きました。
「そうだね……。私は知っているけど、ナターシャに言わなかったということは、秘密にしておいてほしいのかもしれないね。」
「そんな……!!」
私に秘密ってなんでしょう?
今まで、秘密にするようなことはなかったはずです。
それに、秘密にされると、ますます気になってしまいますわ。
どうにかして、私に教えてほしいです。
「お父様〜。お願い、ナターシャに、教えてちょうだい?」
セバスチャンには効果はありませんでしたが、上目遣いで、お父さまに訴えてみました。
「うっ……!天使の囁きが聞こえる!!」
お父様が、天を仰ぎました。
これは、効果、あったかしら!?
「……可愛い、私のナターシャ。それは、他の人にはやってはいけないよ。」
「教えてあげたいけれど、今回は勘弁しておくれ。」
……どうやら、私の上目遣いは、あまり効果がないようですわ。
シュンとした私に、お父様は、優しい眼差しを向けました。
「セバスチャンは、そのうち帰ってくる。それは、保証しよう。」
「その時まで、待っていてあげなさい。」
『そのうち』なんて、いつなのかしら?
私は、今すぐ帰ってきてほしいのに。
お父様も、いつまでかは知らないようです。
待つしかないのね……。
これ以上、無理に聞いてお父様を困らせてもいけません。
しぶしぶと、私は帰ることにしました。




