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40/45 懺悔ー罪と罰

※投票、行きましょう、でもあんまり踊らされないでね

当選確定3日後ー水曜日ー


都内のホテルの一室で、神野は微妙な顔で床を見つめていた

カーペットの上にひれ伏している初老の男は大塚の秘書、内田だ


(えー、これじゃ、俺が年寄りをいじめてるみたいじゃないか)


「申し訳ございませんでした

 すべて私の一存でやったことで、先生には何の関係もないことでございます」


「あのぉ、とりあえず立ってください」


「内田さん、立ちなさい

 神野さんはもうすべてご存じです」


内田は頭を下げたまま立ち上がった

彼の後ろに立っているのは大塚だった


大塚から話があると連絡があったので、念のため倉田にホテルの部屋を手配してもらったのは正解だったようだ


話の内容を聞かれないためだったが、とんだ修羅場になったものだと神野は当惑していた


「秘書、ですか」


「内田のせいにするつもりはありません

 すべて私の責任です」


「内田さんの言う『石川のウラアカ』はもう閉じていました

 そこで内田さんが暴漢をけしかけたという証拠もありません

 もしログが見つかっても、犯人と内田さんが簡単に結びつくとは思えない

 ただ、ひとつだけ露見する可能性があるとしたら」


神野は備え付けの応接セットに座った

突っ立っている二人にも勧めたが二人とも座らなかった


「犯人が捕まることですね

 あのナイフ男が逃げおおせるように祈るしかないです

 カネは渡してないんですよね」


「払ってません、払ってもいいと書いただけです

 ヤジを飛ばすとかの騒ぎを起こす程度で、刃物なんてひと言も書いてないのに」


内田は弱々しい声で答えた


「それならばなんとでも言い逃れできます

 石川がカネで雇ったのかもしれないし、ただのジャンキーかもしれないし

 内田さんの書き込みを真に受けたのかもしれないし」


「私は当選を辞退しようと思います」


「ちょっと、勘弁してください

 私のところにはもう、選挙関連のオファーが大量に来てるんですよ

 市長になってもらわないと困ります」


「しかし、それでは有権者に対して」


「いまさら清廉潔白アピされてもw

 私が3日待つと言ったのは確かですが、本当に申し訳ないと思ってたらその日のうちに謝りに来たはずです」


大塚は俯いて返事ができなかった


「証拠が私に渡ったのを知って慌てて謝罪に来たんでしょ

 それくらいのしたたかさがなければ、政治家なんてやってられませんて

 まぁ、謝られても許す気ないですけど

 ナツが受けた傷はプライスレスなんで」


神野は一枚の紙をテーブルに置いた


「結局、私は信用していただけなかったわけですね、残念です

 これが今回のインヴォイス、預託金で払える額ですよ

 気が咎めるというなら市長になってから辞任なさればいい」


「神野さんには本当に感謝しています

 こんな金額では足りません

 いくらでもお支払いします」


「貸しておきますよ

 こんなちっぽけな街の市長じゃ話にならない、せめて知事くらいにはなってもらわないと」


「本当に申し訳ない」


大塚は改めて深々と頭を下げた


「私に謝る必要はない

 あなたはすでに罰を受けている」


呟いた声を大塚は聞き逃さず、驚いて顔を上げた


「知っているんですか、早苗がどこにいるのか

 このホテルを教えたのは彼女ですよね」


大塚は掴みかかりそうな勢いで神野に詰め寄った


(ちょっ、ここって二人の密会場所だったのかよ

 倉田の野郎、なんてホテルとってんだ

 これじゃ、俺と早苗になんかあったみたいじゃねえか)


「えーっと、彼女の連絡先とかってこと、ですか?」


「そうです、猫もいっしょにいなくなって」


「さすがにそれは知りません

 私、女心の方は完全にアマチュアなんで」


神野は胸の前で小さくバンザイをした

確かに文字通りお手上げだった



【余計なお世話書き】

おっちゃんの土下座って困りますがな。

内田さんも大塚さんもどうかと思いますが、政治家としてはカワイイもんじゃないでしょうか。

ここから倒置法で遡ります。

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