表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/47

28/45 退場ースクープと悪だくみ

市長の訃報が知れ渡り、選管が動き始める

予想通り市長選は32日後の公示となった


出馬表明は市長の孫が一番に名乗りを上げ、その他4名ほどが続いた


その中に副市長の名はなく、彼は孫の石川を推すというこちらも予想通りの展開だ


さすがに『喪中の市長の孫』という立場では派手なことはやりにくい、かと思ったが地元のケーブルテレビまで呼んで石川と副市長並んでの会見をやってきた


だが、大塚はまだ出馬表明をしていない


「よかったら3日ほど、待ってみてください」


神野が言った言葉が気になっていた

彼が選挙の手続きや具体的な段取りを知るはずもないが、きっと意味があるのだろうと思えたのだ


そして3日が過ぎようというころ、後援会や支援者、商店街に買い物に来た主婦までが、代わる代わるやってきて「いつ出るんだ?」と催促してくるようになった

大塚のSNSにもその質問がどんどん増えていく


(これか!)


大塚市長待望論

以前、神野が言っていた言葉を思い出した


大塚は神野に電話した


「今日、出馬表明しようと思います」


「効果が出たようですね

 投票してくれって言われても動きませんが、自分が推した相手なら投票所に行きたくなるでしょ」


「あなた、本当に選挙は初めてなんですか?」


「ええ、選挙は素人ですよw」



神野は電話を切ると、石川の記者会見のビデオを再生し出した


(さあって、メンツは揃ったけど…この人、邪魔だな~)


神野が指で弾いたのは副市長だった


(石川の弱みは経験不足

 だが、副市長がいると良くも悪くも安定感が出る)


地方都市あるあるの『いままでそうだったから』という変化を嫌うバイアス

それを払拭しなければ新人は勝負にならない


(なんとか副市長に退場してもらいたいが)


神野はスマホを手に取りメッセージを打った

相手はAIエンジニアの櫻井(リスくん)


>ご相談あります、都合のいい時間教えて、なるはやで


櫻井から返事が来たのは午後2時過ぎだった


(やはり、日本時間で動いてない

 彼のラボは外国にあるんだろうな)


ビデオ通話を繋ぐと、リスの着ぐるみを着た櫻井(リスくん)がモニターに現れた


「ご相談ですが、リスくんとこって海外サーバを使ってますよね」


「お、さすが、よくわかりましたね」


「足跡残さず投稿ってできますか?」


「おやぁ、悪だくみっすか」


「グレーゾーンですw

 ちょっと厳しめの動画なんで、いままでと違って相手を怒らせるとまずいかもです」


「フェイクじゃないんすよね

 んじゃ、問題ないんじゃないすか」


「動画自体は事実だし犯罪性はないんですけど、炎上必至案件で」


「スクープっすね

 うちから投稿すれば、たどれないと思います

 国家レベルでやられるとまずいっすけど、民間の調査くらいじゃ見破れないっす」


(ナツの写真を使ったこと、後悔させてやる)


神野が投下した動画は、山口と倉田が撮ってきた副市長のものだ


公園か遊歩道だろうか

彼の前に飛び出してきた子犬を蹴り飛ばしている

子犬はキャンキャンと啼きながら逃げていったが、飼い主が探しに来た時には副市長はいなくなっていた


犬嫌いの反射的な行動だろうが、これはかなり悪印象

せめて子犬や飼い主にケアしていれば違ったのだろうけれど、そんなものは映っていない


この動画が投稿されるとあっという間に炎上し、市役所にまで抗議の電話が殺到した


(やっぱり動物は画が強いな)

思った以上の効果で神野も驚いていた


ほどなくして副市長は公の場で石川と並ぶことはなくなった



【余計なお世話書き】

これはアウトです、バレたら訴えられますがな。

リスくんはチートなんで絶対バレない設定ですが、良い子はマネしてはいけません。

普通はその気になればバレます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ