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13/45 待望ーあなたでなければいけない理由

>釣り上げた


神野は短いメッセージを倉田に送った


>おつ~、営業向いてんじゃね


>格安だぞ、この条件で断る奴はいないっしょ


契約など事務処理は倉田のスタッフに任せているので関係書類を引き継ぐ


その後、仕事の合間を縫ってタイムテーブルを作成して大塚に送った


数日後、打ち合わせに行くと、大塚は仕事の速さを褒めちぎってきたが、AIに書かせれば数分でできてしまう作業がほとんどなので神野は曖昧に笑っていた


(せっかくだから褒めておいてもらおうか)


「改めまして、秘書の内田と事務員の赤崎です」


紹介された二人が立ち上がってお辞儀した

赤崎は保護猫の豆トラを抱っこしている


秘書の内田は60代のベテラン秘書で、議会や支持者との連絡や役所の許認可関係を請け負う


事務員の赤崎は30前後の女性で会計の担当だ

少額の決済でもすべて彼女を通して、金庫の開け閉めをしていた


(彼女が文字通り金庫番、ということはそういうことか)


大塚は独身なのでそれはスキャンダルにはならないなと神野は思った

彼女が独身なのかも確認しなくてはならないが


神野は事務所の奥の一室に案内された

そこは大塚の個人的なスペースだ

事務所は商店街に面していて、ひょっこり支持者が現れることもあり、内密な話にはここが使われる


「あの、神野さん

 このスケジュールなんですけど」


大塚は声をひそめて話し出した


「はい」


「出馬表明っていうのがないんですが」


「したいですか?」


「いずれはしないとまずいですよね」


「私は必要ないと思っています」


「?」


驚いた大塚は言葉を失った

それは選挙では常識というより必要不可欠な事項のはずだ


「手を挙げるのが早過ぎると潰されるのではないですか」


「それは有望な新人候補の場合で、私のような弱者は早めにアピールするというのがセオリーなんですが」


「セオリーはちょっと置いておきましょうか

 あなたが市長になりたいとアピールしたところで、市民があなたを必要としなければ意味ないですよね」


「それはそうですが、私には手を挙げ、声を上げるしかないと思いますけど違うんですか?」


「逆の発想できませんか

 市民に大塚市長が必要であると思ってもらう」


「私が必要?」


「そう、『大塚市長待望論』とでも言いましょうか」


「なんと」


言葉の強さに大塚は驚いた

鼓動が速まるほど彼には響く言葉だった


「なかなかのパワーワードでしょ」


神野は大塚が目を大きく開いて見返してくるのを笑顔で迎えた


「すごく気持ちいい言葉ですが、そんなことが起きるんでしょうか?」


「起こすんです

 少々荒れますけどね」


「荒れるとは?」


「何の不満もなかったら市長を変えたいなんて思わないですよ

 変革を起こすということは、ただではすまない

 その覚悟がなければ大逆転は起きません」


大塚が大きく頷くのを見て神野は言葉を続けた


「市長選は来年1月

 教えていただけますか? あなたでなければいけない理由を」



【余計なお世話書き】

市長なんて誰がやっても同じっしょ、というのが根本にあるので投票率上がらないわけで。

地味ですが大事なとこです。

ちょっとした伏線アリですが、たぶん忘れちゃうだろうな。

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