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12/45 数字ー2万人の集客

「神野さんコレはいったい、どういうことですか?」


市民交流会を終えた大塚は、事務所の中をウロウロと歩き回っていた

いつもの10倍の聴衆に興奮が冷めないようだ


「まさか、あれはサクラじゃないですよね」


神野は困り顔で笑った


「大塚さん、落ち着いてください」


現場の状況を記録するためにスタッフを配置していたが、それは倉田を入れて3人ほど


動画への反響やリプの数などから、ある程度の動員は見込めそうだと踏んでいたので、それ以上の人数を集める必要はないと判断していた


「ご説明しますから、座ってください」


神野に言われてやっと座る気になったようだ

テーブルの上の冷めたお茶をがぶりと飲んだが、それは神野のために出されたものとも気付いていない


「どういうカラクリなんですか?」


(この人、ほんとネットというか広告に慣れてないんだな

 5人を50人にしたからってそれほど騒ぐことじゃない)


「まず、今日の聴衆の半分は有権者ではありません」


神野はスマホを操作して先ほどの交流会に集まった人々を映した画像を見せた


「これはうちのスタッフに記録させたものですが、約半数がスマホで撮影しています

 豆トラちゃんのファンや、猫動画にちょっと有名な猫を上げて再生数を稼ごうという連中です

 つまり実質は5倍増ということですね」


「豆トラがいつの間にそんなことに…

 それでもすごいですよ、テンション上がりました」


「わかっていただけました?

 ネットでの集客力」


「はい、これは私の勉強不足でした」


大塚はかなり衝撃を受け、素直に頷いた


(ネットの1万人よりリアルの50人か)


「どうです? プロの力を借りる気になりましたか」


「いや、その、本当に資金が…」


「そうは言っても無料にはできないんですよ

 たしか賄賂にあたってしまう可能性が」


「そうなんです」


「ではどうでしょう、成功報酬というのは

 市長選なら預託金が100万ですから、それで手を打ちますよ」


「しかし、神野さんの力を借りても市長選に勝てるかどうかは…」


神野はブリーフケースからノートPCを取り出した


「こちらをご覧ください

 前回の選挙の分析です」


画面にはグラフと数字で選挙結果が表示されている


「有権者数は約8万、投票率が約45%、当選者は約2万票獲得して当選しています

 これはほぼ固定票で変わらないでしょう」


「たぶんそうです」


「投票率を65%まで上げられれば、約1.6万票増えて勝負できます」


「それは単純計算すぎますよ」


「今の現職の方、もう80近いですよね

 次回の出馬はない、または出ても前回ほど票を取れないんじゃないですか?」


「それはありえます」


「そして投票しない若年層

 この票を取れればかなり確率上がると思いませんか?」


「それが難しいから苦労して…あ」


言いかけた大塚の前に、神野はさっきの交流会を記録したスマホ画面を掲げた


「今日集まった方々、かなり若い人が多かったですよね

 彼らはテレビや新聞を見ません

 しかしネットで踊らせるのは簡単です」


「踊らせる?」

 

「言葉が悪かったですね

 ネットを有効に使うべきだということです」


大塚は長い溜息をついた

答は出ていた


新しいことをしなければ何も変わらない、それがいま大塚の前に数字という形を見せた


彼はそれに手を伸ばした


「神野さん、よろしくお願いします」


頷きながら神野はその手を取った


(要するに2万人集めりゃいいんだろ

 ま、いけるっしょ)



【余計なお世話書き】

リアルで足を運んでいただけるなら50人でもありがたいことです。

いまだに選挙の投票率って低いですもんね。

かと言って選挙ではモノ配ったらアウトなんで、神野くんは意外に苦戦しそうです。

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