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10/45 実演ーキャンペーン期間です

神野の口上に、大塚は思わず笑ってしまった


「面白いことをおっしゃる

 こういうのにキャンペーンなんてあるんですか?」


「ありますとも

 本日ご成約の方に限ってなんと50%OFF!」


「なんと!」


「と言いたいところですが」


大塚のノリがいいのでうっかり乗っかりそうになったが、神野は話の方向を変えた


「せっかく大塚さんがぶっちゃけてくれましたので、私も腹を割って話そうと思います」


ここで神野はもっとも苦手な顔、誠実そうな嘘偽りのない『真摯な男の顔』をしてみせた


(こういうのは倉田の方が上手いんだけどな)


「じつは私の会社は企業のプロデュースは手掛けておりますが、選挙というのは初でして

 だから、弊社には選挙対策部門がなくて代表の私が担当することになったんですよ

 ノウハウ的には共通のものがあるので自信はあるのですが、場数を踏みたいというのが正直なところです」


「それではうちはモニター的なことになるんでしょうか?」


「そうですね」


「また、なんでウチみたいな望み薄のところに」


「じつは私の知り合いがこの町の出身でして、選挙応援の仕事をするならこの町でやってみないかって推薦されたんですよ」


もちろんこれは営業トークで事実ではない

彼を選んだ倉田は当選の確率を計算したに過ぎない


「私を直接ご指名いただいたわけではないんですね」


「私自身がリサーチしまして、大塚さんに白羽の矢を立てました

 大塚さんの政治姿勢や理念はこの町に必要だと感じたのです」


「いやあ」


言いかけて大塚は言葉を切った


(話が出来すぎてないか?)


(何かの詐欺? だが、カネも力もないのにメリットないよな)


(議員の肩書を使って何かしようとかならあるかもしれん、迂闊に話に乗るべきじゃない)


(でも、実際ネットの対応は必要だ、ここでツテを作れるなら)


大塚の逡巡を見て神野はある提案することにした


「大塚さん、いまここで決めていただこうなんて思ってませんよ

 私の会社をご存分にお調べくださってけっこうですし、そうですね、ひとつデモをお見せしましょうか」


「デモ?」


「簡単な動画を撮ってみませんか?

 それで、有権者の反応を見るというのはいかがでしょう」


「よくあるライブ配信みたいなことですか?」


「投げ銭はありませんよw

 いまはショート動画がトレンドですから編集が必要になります

 プロが作るとどうなるかを見ていただきたい

 そして、実際の動向を数字でお見せしますよ」


(すごい自信だが、そんなにすぐ数字がでるものなら見てみたい)


「そこまでおっしゃっていただけるなら、デモをお願いしましょう

 どうすればいいんですか?」


「ありがとうございます

 では、プランをいくつか立ててお送りします

 撮影は3時間ほどあればいいので、今週中くらいで時間が作れるところをお知らせください」


「早いですね」


「普通ですw」


神野の頭の中にはすでにいくつもの動画プランが浮かんでいた


(画が浮かぶ、この人は使える

 少し楽しくなってきたな)


【余計なお世話書き】

こんな雑な営業で引っかかるのかと思われそうですが、大塚氏が政治家ゆえの世間知らずということでご勘弁を。

100万でなんとかしてとかいうクライアント様も過去いらっしゃいましたんでアリかなと。

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