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エピローグ

 あの戦いから三日が経過した。魔王討伐部隊との戦いは魔王軍が圧勝、こちらの損害は軽微であるのに対し、敵軍はほぼ全滅となった。勇者パーティーも倒し、ツルギと女神は生け捕りに成功した。

 しかし、魔王様がツルギに討たれてしまった。これにより魔王軍の士気は下がりきってしまった。城内に流れる空気は重苦しいものであり、どの部署も仕事なんて雰囲気ではない。

 本来であれば、すぐにでも王都に攻め込むべきだ。王都は今回の戦いで戦力の大半を失った。今王都に攻め込んだ際に行われるものは、戦いではなく一方的な蹂躙だ。だが、今の魔王軍にその勢いはない。私は仮に魔王様が居なくなったとしても、魔王軍が問題なく機能するように作り変えた。実際、組織の構造だけを見れば何の問題もなく機能している。問題は人員のモチベーション低下だ。魔王様の死が与えた衝撃は、それほどまでに大きい。


「玉の様子はどうですか?」


 魔王様がいなくなった玉座の間に残された玉は、開発部にて調査が行われている。


「なんとも言えないね~。相変わらず解析は進んでないよ~」


 現状この玉について分かっていることは、魔王様と同じ魔力を発しているということだけだ。これが何の役割を担っているのかも分からない。


「引き続き調査を頼みます。何か分かれば報告をお願いしますね」

「は~い」


 玉の確認も済んだため部屋を後にしようとしたとき、突如として玉が激しく発光を始める。


「えっえっ! 急になに~!?」


 玉から溢れる黒い光は徐々に強くなり、やがて部屋全体を包み込む。そして、一際大きく光ったかと思うと、光は収まり玉は消失していた。そして、玉の代わりにそこには魔王様がいた。


「はーはっはー! 我、復活!」


 部屋中の視線を集め、そう声高に叫ぶ魔王様は、全裸だった。


「あっ、ちょっと、見ないで! 服! 服をよこせ!」


 魔王様はその大きな体を縮こませ、必死に局部を隠そうとしている。


「ご自身の部屋に取りにいかれては?」

「あっ、確かに!」


 そう言うと魔王様は転移し、すぐに服を着て帰ってくる。


「さて……我、復活!」


 戻ってきた魔王様は復活の流れをやり直したいようだったが、向けられる視線は冷ややかなものだった。

 魔王様は相変わらずですね。

 そんな魔王様が戻ってきたことで、思わず笑みがこぼれてしまう。


「うわっ。お主今笑ったか? なんか嫌だな」


 まったく失礼ですね。魔王様は私のことを、血も涙もない化物だと思っている節がありますよね。まあいいです。今はそんな反応すらも愛おしい。


「ところで魔王様、どういった理論で復活されたのですか?」

「理論なんぞないわ。我魔王ぞ? 復活ぐらい出来るわ」


 これ説明する気ありませんね。まあ、今はそれよりも重要なことが山ほどありますし、復活に関しては追々聞くとしましょう。

 まずは、魔王軍全体に魔王様が復活したことを周知させる。それから、王都に攻め込み陥落させる。その後、周辺国家や都市に対して、無条件降伏及び魔王軍への完全服従を勧告する。これに従わなかった場合は、一切の例外なく攻め滅ぼす。そこまでいけば、世界征服はほぼ完了だ。

 魔王様が復活したことで、これまで停滞していた仕事が一気に進むようになる。これから、かつてないほど忙しくなるだろう。世界征服のため、魔王様にもキビキビと働いてもらわなければならない。

 そう考えた私は魔王様に向き直り、微笑みながら告げる。


「魔王様、お仕事の時間です」

ここまで読んでいただきありがとうございます。本編はこれにて完結となります。明日、後日談を1話だけ投稿します。もう少しだけお付き合いいただけると幸いです。

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