第4話 馬鹿野郎共、調べる。
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神聖ルブルム帝国 神殿内
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「分からない…ですか?」
俺たちはつい昨日、獲得したスキルの詳細を聞きにメアリーさんの所を訪れていた。
「そうなんです。通常発現したスキルは私たち宣託の巫女であれば、どのような分類に属し、どのような状況で使えるものなのかの詳細がわかるのですが…今回貴也さんが発現したスキルに関してはユニークスキルだという事しか分からないのです。」
メアリーさんによるとスキルというものは、大きく分けて【戦闘系】【生活系】に分けられるとの事。
その中でまた細分化されるのだそうだ。
またスキルにはレア度があり、一般的な【コモンスキル】少し珍しい【レアスキル】激レアな【ユニークスキル】に分けられるとの事。
ただコモンでも強いものもあれば、ユニークでも使い勝手の悪いものもあるようだ。
「要するに使ってみな分からんって事かよ。どうしたもんかね?」
「使ってみたらどうや?」
「それもそうか。…スキルってどうやって使うんや?」
「本来、スキルはスキル名の発声により発現致します。
攻撃系のスキルですと危険ですので、訓練場にて試されてはいかがでしょうか?
今の時間ならディセウスもおりますので。」
「ほなとりあえず行って試してみようや。」
「そうするか。ありがとうなメアリーちゃん。」
「お役に立てず申し訳ございません。
あなた方に神祖ルブルムのご加護がありますように。」
俺たちはメアリーさんに別れをつげ、訓練所に向けて歩き出した。
訓練所までは街中を抜けていくため、ついでに食べる物を買い食べながら向かう事にした。
「なぁ、慶輔、信耶。
聞きたい事あんねやけどええか?」
貴也が購入した肉串を食べながら話しかける。
「どうした?訓練所ならこのまままっすぐやぞ。」
「ちゃうねん。メアリーちゃんが言うてた、ディセウスって誰やっけ?」
「「………………………さぁ?」」
誰だっけ?
それにしてもこの肉なんの肉だろう。美味い。
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神聖ルブルム帝国 騎士団訓練所
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「でっかいなぁ。こんな所に金かけてどうするんやろうな。」
貴也と信耶が見上げながら感嘆の声を漏らす。
訓練所は古くこの国の建国時からあり相当の年月を経ているが、しっかりとした石造りはまだまだ頑強さを保っているように見えた。
「そら命に関わる所やけん、金かけるやろ。」
「それもそうか。入口ってどこやろ?」
「あれちゃうか?知らんけど。」
信耶が門番らしき人がいる所を指し、歩き出す。
「止まれ。ここは騎士団の施設である。一般人は立ち入り禁止だ。」
「神殿の巫女様にここに行けって言われたんやけど。
ディセウスって人おる?」
「ディセウス様に…?貴様らは何者か?」
「俺はマッシュ!」
「オルテガ!」
「そして俺がガイア!」
「「「黒い三連星とは俺たちのことよ!!」」」
「………聞かない名だな。」
はい。通じませんでした。
当然だよね。ガン○ムとか無いもんな。
「怪しいことに変わりはないな。少し詰所まで来てもらおうか。」
「待って待って!ディセウス呼んできてくれたら分かるから!絶対やから!」
「名前も明かさぬ者達の前にディセウス様をお連れすることなど出来ぬに決まっているだろう!早くこっちに来い!」
「嫌ー!攫われるー!犯されるー!離してー!」
街の中心から離れるとは言え、人通りはある。
周辺から奇異の目で見られていることに間違いはないだろう。正直恥ずかしい。
貴也はよくあんな事できるな。
「なんの騒ぎだ!騒々しい!」
こ…この声は!!………誰だ?
「ディセウス様!怪しい者達がディセウス様に会わせろと騒いでいた者で…詰所にて話を聞こうかと。」
「怪しい者達…?貴様らは…」
「あー!!こいつや!思い出した!」
「あー!あー!あー!わかったわかった!あの偉そうなイケメンや!思い出したわー!」
「………知らぬ奴らだ。捕らえて牢に入れておけ。」
「待てコラ。絶対知ってるやん!確実に覚えてるやろイケメンコラァ!!」
「はよ助けんかい金髪イケメンボケオラぁ!」
「はよ助けんとお前が小さい男の子にしか興奮しいひんって言いふらすぞオラァ!」
こいつら助けられる側やのにこの態度のデカさはすげぇな。
「………はぁ。離してやれ、確かに知っている。」
「しかし…!」
「構わないから入れてやれ。後の責任は私がとる。」
「……かしこまりました。ホラ入れ。」
門番は渋々といった様子で貴也と信耶を離す。
どうやら俺たちが知り合いな事に納得はしてくれたようだ。
しかしらあの怪しんだ目はなんだろうな。
「わかればええんじゃ、おら離さんかい!」
「ワシらはディセウス様のお墨付きやぞ!」
ガラ悪いな。「ゲババババ」みたいな笑い方しそう。
「助かったぞクソイケメン。すまんの!」
「助けられた人間の態度ではないな。もう一度捕らわれてみるか?」
「ありがとうございますディセウス様。」
「お靴をお磨きしましょうかディセウス様。」
変わり身はっや。
情けないを通り越して尊敬するわ。
俺たちはディセウスに連れられ、訓練所内のグラウンド?みたいな場所に向かっていた。
どうやら今朝の訓練は終わったらしく、今は休憩時間との事。
「それでお前達は何をしに来た?まさか騎士団に入りたいなどと言い出すのではないだろうな。」
「んな訳あるか。調子のんなイケメン。」
「俺ら戦闘能力0の大学生やぞ。とんでもスキル持ちの別作品の主人公と一緒にすんな。」
こいつらとことんイケメンには厳しいな。
「貴様らはとことん私を舐めているな。
さっさと用件を言え。私は忙しいんだ。」
「すまんすまん。俺が新しいスキル手に入れたんやけどメアリーちゃんに調べてもうてもよう分からんって言うんや。ほれやったら一回試してみたら?って事やってんけど危ないかもしれんやろ?せやから」
「ここに来たという訳か。確かにここは魔法訓練なども行なっており敷地はある。本来、一般人が入れる場所ではないのだが…確かに危険かもしれんからな、いいだろうこっちの部屋を使え。」
俺たちは案内された部屋にはいる。
中は縦に広い部屋で、30mほど先に6つの的が横並びに鳴っている。弓道場みたいな感じだ。
「ここは魔法訓練施設だ。
あの的は当たった魔法を無効化する効果がある。
安心して使え。手伝いはつけてやる。少し待っていろ。」
そう言うとディセウスは部屋を出て行った。
信耶が的に向かって手を向けながら叫ぶ。
「ファイアーボール!」
はい。何も出ませんでした。
「何してんだお前。」
「いや出るかなーって。」
「あぁ、そっか。お前魔法使い予備軍やったもんな。」
「そうそう。やかましいわ!」
貴也と信耶がはしゃいでいると扉が開く。
ディセウスが戻ってきたみたいだ。
「待たせたな。オルバは新人だが魔法の才能がある。
お前達にはちょうどいい教師役になるだろう。」
「オルバです!未熟者ですがよろしくお願いします!」
オルバは少し癖のある茶色い髪で、身長は160cmに届かないくらいだろうか。
まだ幼そうな顔つきの少年だった。
しかし何より特徴的なのは、頭の上に生えた兎のような耳と尻尾だった。
「「「獣人だぁぁああああ!!!!」」」
俺たち大興奮!次回へ続く!




