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GMそれは、ゲームを円滑に進めるための運営が入れた警察だ。
警察であり、時に審判の役目も担う。
運営の仕事を請け負っているので、問題があれば解決するのが彼らの仕事だ。
そう、ゴモリはれっきとしたGMなのだ。
いつもどおり優雅に、ティーカップ片手に現れたゴモリ。
こういう時のゴモリは、頼りになると信じていた。
みんなが、いきなり登場したゴモリに注目した。
ゴモリは散らかった部屋の真ん中で、立ち尽くしていた。
「アイテムの盗難にあった、犯人はピンク色の忍者装束の人物。
犯人は女、被害者がゲルプ」
「ふむ、なるほどな。犯人はバイスだ」
「バイスって?」
「そう、ネットアイドルだ」
ゴモリの言葉に、オランジュは驚きを隠せない。
「どうして、そのネットアイドルが?」
「理由はわからない。だけど退室のログが残っている。
バイスのIDと確認すれば、すぐにわかるだろう。
だけど謎は、まだ解明されていない」
「どうした?」
「エリアに入室したログがない」
「え?」ロゼが首をひねった。
「このエリアは、住宅エリア。
つまりログとして、入室と退室の時に必ずログが残る。
そのログが残らない、それは普通の入室ではないということだ」
「なぜここに来たのか、ですよね」
僕の言葉にゴモリが頷く。
「住宅エリアは、入室制限もかかっている。
なによりここに入るには、アドレスを入れないと入れない。
GMならば、アドレスが分かるだけに入ることもできるが……」
「つまりは、ゴモリみたいにGMとか?」
「バイスはプレイヤーだ」そこで口を挟んだのはオランジュだ。
「そうだな、GMとしての登録はないだろう。だから……」
「繋がっているGMがいる」シュバルツの言葉にゴモリが頷いた。
だけど、僕はバイスという人間を知らない。
いや、名前だけは知っているか。よく、ワールドチャットで叫んでいるからな。
そんなゴモリが僕のそばにやってきた。
「さて、少々厄介なことになったね」
「ゴモリは知っているんじゃないのか?」
「いや、おそらくそのGMには心当たりがある」
怪しく微笑むゴモリ。
「まあ、犯人だけはわかったし、そいつを突き止めればいいんじゃないの?」
「ああ、そうとも。ロゼたんの言うとおり。
でも、闇雲に近づくのは危険だ。なので通行人ブラウ」
ロゼとヴァイオレットがなぜか僕を指差す。
「はい?」ポカンとした僕。
「君にたのむ」
ヴァイオレットが、なぜかニヤニヤとしていた。




