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とある少女がネトゲをやりまくった件(くだり)  作者: 葉月 優奈
十話:とある少女がネットアイドルに嫉妬する件
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GM(ゲームマスター)それは、ゲームを円滑に進めるための運営が入れた警察だ。

警察であり、時に審判の役目も担う。

運営の仕事を請け負っているので、問題があれば解決するのが彼らの仕事だ。

そう、ゴモリはれっきとしたGMなのだ。


いつもどおり優雅に、ティーカップ片手に現れたゴモリ。

こういう時のゴモリは、頼りになると信じていた。

みんなが、いきなり登場したゴモリに注目した。

ゴモリは散らかった部屋の真ん中で、立ち尽くしていた。


「アイテムの盗難にあった、犯人はピンク色の忍者装束の人物。

犯人は女、被害者がゲルプ」

「ふむ、なるほどな。犯人はバイスだ」

「バイスって?」

「そう、ネットアイドルだ」

ゴモリの言葉に、オランジュは驚きを隠せない。


「どうして、そのネットアイドルが?」

「理由はわからない。だけど退室のログが残っている。

バイスのIDと確認すれば、すぐにわかるだろう。

だけど謎は、まだ解明されていない」

「どうした?」

「エリアに入室したログがない」

「え?」ロゼが首をひねった。

「このエリアは、住宅エリア。

つまりログとして、入室と退室の時に必ずログが残る。

そのログが残らない、それは普通の入室ではないということだ」

「なぜここに来たのか、ですよね」

僕の言葉にゴモリが頷く。


「住宅エリアは、入室制限もかかっている。

なによりここに入るには、アドレスを入れないと入れない。

GMならば、アドレスが分かるだけに入ることもできるが……」

「つまりは、ゴモリみたいにGMとか?」

「バイスはプレイヤーだ」そこで口を挟んだのはオランジュだ。

「そうだな、GMとしての登録はないだろう。だから……」

「繋がっているGMがいる」シュバルツの言葉にゴモリが頷いた。

だけど、僕はバイスという人間を知らない。

いや、名前だけは知っているか。よく、ワールドチャットで叫んでいるからな。

そんなゴモリが僕のそばにやってきた。


「さて、少々厄介なことになったね」

「ゴモリは知っているんじゃないのか?」

「いや、おそらくそのGMには心当たりがある」

怪しく微笑むゴモリ。


「まあ、犯人だけはわかったし、そいつを突き止めればいいんじゃないの?」

「ああ、そうとも。ロゼたんの言うとおり。

でも、闇雲に近づくのは危険だ。なので通行人ブラウ」

ロゼとヴァイオレットがなぜか僕を指差す。


「はい?」ポカンとした僕。

「君にたのむ」

ヴァイオレットが、なぜかニヤニヤとしていた。



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