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悪魔契約に縛られた異世界生活 第2幕(異世界生活編)  作者: 雨宮 白虎
第2章 トキザミの国(入国編)
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047 思い出した黒歴史

 夕食まで部屋で待っている様に。

 と言われていたので素直に部屋で待つ事にした。

 一通り教えてもらった修道院内をもう一度探索するのを考えたけど、謎なモノに触って大惨事! というフラグが立ちそうなので自重する事にしたのだ。

 そして何も無い部屋でひたすらに待つというのも退屈なので、メフィストから渡されたガラケーと充電器の動作確認をする。


 ガラケーは昔に使っていたモデルなので使い方に悩む事は無かった。

 それよりも魔法があるこの世界で電子機器がまともに動作するのか? というのが一番心配だった。だってそうじゃないか?

 サンダーボルトとかショックボルトとか、雷電や電撃系の魔法があるとしたら半導体はまともに動作するのだろうか。いとも容易くショートとか誤動作するんじゃないかって考えていたのだ。

 真空管やコイル、電磁石ならどうやって動作するのかは分かるけど、ゲルマニウムとかシリコンが現代社会と同じように半導体として役目をするのか。それともこの世界だと原子核が違う同位体とか、結晶構造が異なる同素体となってしまうのだろうか。そうだとしたら設計通りに動作できるのか難しい。

 それにバッテリーも機能するのだろうか? とか色々と余計な事を考えていた。

 結論から言えば、何の問題も無く動作したので杞憂だった訳だが、クレハからは「気にしすぎ!」「考え過ぎ!!」と散々に言われてしまった。

 気になるので仕方ないだろうって反論したかったけど、そんな余地はまったく無かったのが、少し悔しい。


 色々と機能を確認した所、

・ライト。コレはとてもありがたい。月明かりが有るとは云え夜は相当に暗い。

・カメラ機能。文字通りの使い道。

・メモ機能。記録できるのは日本語と英語のみ。当然この世界の文字は表示されない。

・簡単な英和・和英辞典。ってこれは使い道あるのだろうか?

・時計とカレンダー機能はあるけど暦等が異なっているだろうから役に立つはずが無い。まぁタイマー機能があるのでこちらは使い道がある・・・と思う。

・当然通信機能は使え無い。


 とりあえずこんな所だ。

 それから、厨二病的に集めたと揶揄られた、魔術というかオカルトなデーターが入っていると言われたのを思い出した。

 画像データーを探すとウェイト版タロットカード78枚の図案が見つかった。カードの意味は分かるけど正確な図案なんて忘れていたのでありがたい。

 他に気になるフォルダーがあった。なになに・・・『萌えちゃいましたシリーズ・天使編』・・・はぁ? 

なんだこりゃ。他にも悪魔編、モンスター編とか色々入ってる!!

 美少女擬人化はそれ程古くない・・・気がする。まぁ擬人化文化は古くからあったけど、魔術にはまってた頃はそれ程顕著じゃなかった。

 でもこの挿絵というか肝となるイラストは露出が多い事から、比較的最近の資料だと分かる。ファンタジー脳・・・かなり拗(こじ)らせてるな・・・。

 って、クレハと一緒に見てるんだった・・・。一瞬血の気が下がる。

「どうしたのリト? さかなみたいにパクパクして」

「あ、いや、何でも・・・」

 焦りながら画面を隠すが、

「わたしたち、はずかしがる、あいだじゃ、ないでしょ。みせなさいよ!」

 からかい口調でクレハが腕を引き寄せる。

 比喩が合っているか分からないけど、恋人に秘密の本が見つかったって気分になった。なんだよこの羞恥プレイは・・・・。


 落ち着きを戻したところで、テキストデーターを覗いてみると、小五芒星儀礼や祝詞の方法が記されていた。記述の通りに儀式を行えば魔法と同じ効果が現れるのかなんて、まったく謎だけど、有るだけましだろう。と思う。

 呆れた事に般若心経も入ってた・・・手当たり次第というか、節操なさ過ぎというか・・・。

 改めて考えると、色々と凄い事に手を染めていたんだなぁ・・・と、私自身の黒歴史が恥ずかしく仕方が無い。

 何かにかけ羞恥プレイな状況になるのは避けたいけど、流石に捨てる訳にはいかないから、当分の間は封印しておきたい。何処かに良い場所はないだろうか・・・。



 暫く小さい画面を覗き資料を漁っていると時間になったのだろう。ノックと共にシスター・レミアの声が聞こえた。

 慌ててガラケーを鞄に入れて、返事と共に戸を開けると、

「夕食、・・・準備する、・・・来て」

 と手を伸ばしてきた。

「あの・・・。これ、大切な物。・・・保管、出来る、知りたい」

 鞄を持ち上げて質問してみる。

「あっち、・・・物入れ、あるわ」

 と指さした方へ向かうと、片開きの収納があった。

 てっきり建て付けが悪くて補強したとか、隙間を塞ぐ為に打ち付けた壁かと思ってたが、その壁には鍵付きのロッカーが存在していた。

 驚いた事に、鍵は板式の・・・昭和レトロな温泉ロッカーを彷彿させる代物だった。違和感と同時に懐かしさを感じて不思議な気持ちになった。

 なお、板に印がないのはロッカーを特定できない処置だろうと推測する。

 それと4つあるので、この部屋の収容人数は4人程だと想像出来たし、ロッカーの無い壁の部分は隣部屋のロッカースペースなのだろう。


 鞄をロッカーに入れて、シスター・レミアの後に付いて行き礼拝堂へ辿り着いた。

 待っていたアリアに身振り手振りで教わりながら配膳の手伝いをするのだけど、学校給食のイメージがして、これもまた凄く懐かしい気分になった。

 献立が昨日と同じパンとスープだったので物足りなさを感じはしたが、きっとこれが主食なのだろう。日本で云う所の、ご飯(米)に味噌汁と漬物、という程に定番なのだと思う。


 食事が終わり、食器をワゴンに移し終わると、アリアに厨房へ案内された。少し遅れて今の私と同じ年齢、6歳くらいの少女かやって来て、ワゴンの食器を洗って片付ける。

 私達はワゴンから食器を手渡し、アリアと少女の2人が手際よく、食器を洗って棚へしまう。

 片付けが終わり、部屋に戻ろうとした時にアリアから

「明日・・・、慣れる・で、配膳・・・おねがい」

 と頼まれた。・・・いや、担当に任命された。って感じだろうか?

 共同生活なのだから、なにかしら役目を担う必要があるのは当然だ。他にどういう役割分担があるのか分からないし、言葉が分からないから聞くに聞けない私達にとっては、配膳を手伝うのが一番分かり易い。

 役目があるというのは、この修道院の仲間として受け入れられた。そういう意味では嬉しい事ではあるが・・・。

 夜型人間で、休日は昼過ぎまで寝過ごす程に不規則な生活だったから、翌朝にちゃんと起きられる自信がないのだ。大丈夫だろうかと心配でしかたない。



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