6月2日未明本能寺
1582年6月2日未明。京本能寺に動きが……。
森坊丸「兄上。兄上!」
森蘭丸「ん!?何かあったか?」
森力丸「大変であります。」
森蘭丸「外で異変か?」
森坊丸「いえ。そうではありません。」
森蘭丸「なら良いであろう。明けたらはここを出立して西国へ向かう。もう少し休んで……。」
森力丸「問題はそれであります。」
森蘭丸「ん!?どう言う事だ?」
その頃。
「そろそろ気付いた頃かな?」
と独り悦に入る人物が。その名は……織田信長。
「今頃、長可の弟連中は慌てふためいているであろうな?」
本能寺。
森坊丸「このような書置きが残されていました。」
森蘭丸「どれどれ……。」
そこに認められていた文言。それは……。
森蘭丸「『秀吉を驚かせるため、先に出発する。適当に追い掛けて来い。』だと……。ここから羽柴様の居る備中までの距離を知らないのか?あの人は?」
某所。
織田信長「知っているに決まっておろう。だから面白いんだよ。あの猿。どんな面で迎えるかな?さぞ油断している事であろうの。
『困った困った。』
と書状を送ってきたが、あやつがそう言って来る時は決まってうまく行っている証拠。全て段取りを整えた上で、
『あとは殿の御決断1つであります。』
と言って来るに決まっておる。だがなわしは……。」
お前の思い通りにはさせぬぞ。
織田信長「本当は3日位前に出たい所ではあったのだが、それでは情報が伝わってしまう。
『時間が無い。』
と焦らせると思わぬしっぺ返しを喰らう恐れがある。それはそれで面白いのだが……。」
その方が良かったかな?
本能寺。
森蘭丸「向かうしかあるまい。」
森坊丸「はい。」
森蘭丸「しかし殿は……。幾らここから備中までの全てが我が領域になっているとは言え、何処に残党が逼塞しているかわからぬ場所も多い。それにも関わらず独りで……。」
某所。
織田信長「尾張の内戦時代から慣れています。しかし西国は不案内。道案内は必要。故に私は今……。」
福知山に向かっている。
織田信長「福知山には光秀が居る。奴には西国へ赴き、猿と共に毛利を滅ぼすよう指示を出している。抜かりは無いぞ。」
本能寺。
森蘭丸「二条城に動きは?」
森力丸「見られません。」
森蘭丸「となると殿は……。」
嫡男織田信忠にもその事を伝えてはいない。
森蘭丸「本当に独りで……。」
森坊丸「向かわれた模様であります。」
某所。
織田信長「ここを越えれば光秀の領国。と言ってもわしが奴に預けているに過ぎぬから、私の土地ではあるのだが。まずは光秀を驚かせる事にするか……。ん!?」




