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討伐隊3


「燃やしちゃダメーーーーーーー!!」


目の前で火魔法で燃やされる木を見て慌てて水魔法で火を消す。


火が消えた後、木の状態を診断(スキャン)して状態をみる…幸い燃えたのは表面だけなので大きな問題はなかったけど、水と土と聖属性の複合技で木の生命力を治療して高めておく


 治療後の木は隅々まで生命力に溢れてキラキラと光っていた。聖なる光りが溢れ出し周辺の魔素を浄化させているのが分かる。まだ3メートルない若い木だけどこれで大丈夫だろう…。漸く安心して振り返ると周りの人が呆然として固まっていた。


 いち早く正気に戻ったのはギルドマスターで


「何故その木を燃やしてはダメなのか?それは”森壊し“と言われていて成長すると周りから栄養を奪い辺り一帯を枯らしてしまうものだ。だから見つけたら早めに処理する様に国から指定が来ている植物だぞ」


「それはおかしいですね。この木は精霊樹と言って精霊が好む木ですよ?この木が多くある事が森の豊かさを表してくれるんです。この国の森に入っておかしいと思ってたのがハッキリしました、精霊樹が無いから精霊がいないんですね。森を浄化する木が無い事で魔物の出す瘴気が増えて淀んでいるんです。」



「「「「「「……」」」」」」


(めい)ちゃんの言う事が本当なら、というかその木を見る限り本当なんだと思うんだけど…」


 サイラスさんが呆然としつつも生命力のある木を撫でている



「この木は成長すれば精霊を呼ぶだけでなく樹妖精(ドライアド)も訪れる場所になるんです。そうすればその森は樹妖精(ドライアド)の管理により魔物や魔獣が少ない惠豊かな森になるんです。ここは街道からも近いですし、そうなったら皆さんが助かるんじゃ無いんですか?」


「確かに…比較的安全な森になるなら助かるが…何故国はこの木を処分しようとしたのか…知らないのか?いやそんな事はないな。…この木の処理にはしっかりとした資料もあったからしっかりと裏付けが取れているんだと思っていた。」


 どう言う事だろう…


「フム…ではこの国には森が清浄になる事が都合が悪いのであろうな」


 (らん)が念話ではなく声を出して喋ったことによりまた周りがざわついている。


(らん)どう言う事?」


(らん)殿それはどう言う事だ?」


「あれば何百年か前の話だが、同じように森から精霊樹を排除していた国があった…小さい国だったがな…

 その国は後に精霊がいなくなった事により魔法が使えなくなり大規模な魔獣のスタンピードが起きて滅びた筈だがな…」


「スタンピード…それで滅んだ国は今は帝国が吸収してマリンゲルトより北にある港町だな。[ソルバの悲劇]と言われてる…およそ…500年前の話だと思う。」

 

 ギルドマスターは顔の傷跡をなぞりながら苦々しい顔をしている


「魔法が使えなくなるの?確かに最近魔法の発動が遅い時があったのよね…」


 アリアンヌさんも木を眺めながら呟く…


「魔法を使うには本人の資質・魔力量も大事ですが精霊に好かれる事が大事ですよね?」


「え?そうなの?私は師匠からそんな事教わらなかったわ」


「え?」


 私とアリアンヌさんはお互いに見合ってしまった。


「私に魔法を教えてくれた人がそう言ってました。確かに精霊がいると消費する魔力も少なくて済むし威力も上がりますよ?」


「魔力の消費が少なく?それが本当なら精霊が居やすい場所は大事にしないとダメね。」


 うーん…この国だってスタンピードが起こったら困るはずなのになんでだろう…魔物の巨大化と関係してるのかな…


「帝国は何を考えているんだ…」


「帝国の真意がわからないうちは余り騒がない方がいいかもしれないですね。ギルドはどうしますか?」


「…ギルドは何処の国にも属さない。国からの情報で従うこともあるが…」


「先ずは帝国内のギルドで情報を確認してみてはどうですか?」


「そうだな。とりあえず皆この話には箝口令を敷く撤退するぞ」


 


 その後後片付けを終えて街道のセーフエリアに戻りもう一度ギルドマスターから全員に精霊樹の事は箝口令だと伝えられて馬車に乗りあってマリンゲルトまで戻った。



 この時精霊樹からこちらを伺っている者があることなど私は知りもしなかった。 





 後日今回の報酬の清算を終えた私達はマリンゲルトを後にした。ギルドマスターには【CALLコール】のやり取りをしてお互いに情報交換をする事にした。とりあえず帝国内のギルドでの情報の共有と精霊樹の保護は徹底して貰うようにしたのでこれで少しはこの国の森が良くなるといいなと思う。



















 マリンゲルから海沿いに北上してソルバの悲劇の場所になったと思われる場所に来た。



「うーん、ここにかつて港町があったと言われてもわからないね…

 当時は魔物や魔獣によって形ある物は全て壊されたと思うんだけど今は人が入り込むのにはちょっと大変な森だね。」


「そうだな。500年もの歳月が流れれば全く違った景色になるはずだからな…。我は以前もここに来た事があるがその時はここまで森も深くなかったから多少人が採取に来てたと思う」


「スタンピード…ダンジョン等で偶にあるらしいけど、今はその土地の領主が定期的に魔物を間引いてるらしいからそこまで大きな物はないらしいけど…怖いね…」



 ソルバの悲劇の跡地は深い森になっていて人を寄せ付けない雰囲気を醸し出していた。

 



 私達は森の中を多少魔物を間引く感じで倒しながら進み漸く神獣フェンリル様がいる“樹氷の森”の入り口に着いた。

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