護衛依頼3
男性を咥えたまま川岸向かい充分に広さのある所で下ろす。
直ぐに藍から降りて男性をスキャンする。
「藍胸を押して水を吐き出させて!」
男性は細かい傷と足を怪我してるものの大きな問題はないようだった。
藍に胸を数回押されて水を吐き出したのでそんなに飲んでもいないと思う。雨で増水し土色になってる川の水を飲んでるので感染症も気になるので菌を滅菌するイメージで解毒魔法と回復魔法をかける。
「こんなもんで大丈夫かなぁ」
藍に伏せてもらって背に乗せロープで体を固定してその後ろに乗る
「オッケーだょ!ちょっとゆっくりめに飛んでね」
「解った」
だいぶ下流に流されてたのかゆっくり戻ったからか元の場所に戻ったらフーゴさん達が合流していた。
「お待たせしました。特に大きな傷も無いので大丈夫だと思いますよ。」
道に降り立つと男性と仲間と思われる人が安心したように集まり、藍から下ろして無事を確かめていた。
「茗大丈夫だった?」
「うん!でもあと少し遅かったら川に飲み込まれていたかもだからギリギリだったよ」
ヒルデがペタペタと体を触りながら確認してきた。
「助かって良かったな。茗ちゃんありがとう」
「本当にありがとう!!俺が落ちそうだったのをあいつが助けてくれたんだ!」
どうやら護衛の馬車を囲んで進んでいたところ、雨でぬかるんだ地面に滑って川に落ちそうになり、それを助けた男性が落ちてしまったらしい。
直ぐに助けたかったが、依頼主が留まることを渋って言い争っている所に私が藍に乗って来たみたいだった。 後にマイロさん達が来て細かい事を話し合ったらしい。顔見知りの冒険者だったらしく謝礼の話も終わってるらしい。凄い早い。マイロさんはデキルリーダーだな。
「う…」
「おい!目が覚めたか?」
「ユーゴ!大丈夫か?」
他の3人も良かったと声をかけている。
「気分はどうですか?」
「ユーゴこのお嬢ちゃんが助けてくれたんだぞ!」
「そうなのか、ありがとう助かった。もう無理だと思った時に声を聞いた気がしたんだが夢じゃなかったんだな。」
私の助けた男性ユーゴさんは25歳くらいの顎髭がちょっとあるちょっとヤンチャな感じのお兄さんだった。
「ギリギリでしたけど助かって良かったです。念のためもう一度回復魔法かけておきますね。」
え?って驚いているユーゴさんに回復魔法と解毒魔法と浄化魔法をかける
「え?あり…がとう。こんなに魔法を重ねがけ…?」
ん?何だか周りの人達が固まってる…
ため息を吐きながらヒルデが教えてくれた。 もう謝礼も決まって貰ってるのに魔法をまた使うと値段が上がるらしい…
「あ。すみません良く分かって無くて、勝手にやったのでサービスで大丈夫ですよ!」
そうはいかないと追加のお金を払おうとするのを魔力量は多いので大した事ないです!と言い切り漸く港町に向けて出発した。
「ここで少し休憩しよう」
セーフエリアに着き小休憩に入る。水分補給やトイレを各自済まして、カロリーメイトみたいな携帯食品を食べて多少エネルギー補給しておく
「ここまで来ればあと少しだな」
「特に大きな問題がなくて良かったです。」
マイロさんとフーゴさんが確認し合っている
「次の大きいセーフエリアで夜営して明日の昼頃には着く予定だがそれで大丈夫か?」
「はい、それでお願いします。無理のない感じでお願いします」
「疲労回復に回復魔法かけましょうか?」
「俺達は大丈夫だょ」
そろそろ疲れが溜まって来たのかな?と思ったけど流石は冒険者、大丈夫みたい。
「じゃあ馬にかけておきますね」
「茗さんありがとうございます。馬にかけて貰ってるからかいつもより馬達も調子が良いみたいです」
ニコニコしながらフーゴさんが馬を撫でている
「良かったです」
「探索だけでも助かるのに疲労回復して貰うなんてこれに慣れたらダメになりそうだ」
なるほど、今後の為に遠慮してるのか…
少しの休憩を挟んで今日のセーフエリアを目指す。
ストーンウルフの皆さんやフーゴさんイーブォさんともだいぶ慣れて色んな話もした。
帝国は今はほとんど人族のみで偶に犯罪奴隷などに亜人がいるけど体力のある獣人や見た目が麗しいエルフは愛玩に用いられる事もあるらしいが主に貴族や富豪が買うので奴隷を見る事は殆どないらしい。
冒険者は人種に対する差別意識は無いが市民は嫌悪している者も多く帝国内では殆ど獣人の冒険者は見ないらしい。
「なんで獣人が嫌いなんだろう…モフモフは気持ちいいのに」
「モフモフ…まぁ茗ちゃんは従魔がいるから毛が大好きなんだよね」
肩を震えながら話をしてくれるのはギリムさん盾使いなので大きい体躯なので笑って震えるのを誤魔化そうとしてるけど体が大きいからか動作が大きくて全く隠せていない…
「そうですね!モフモフに埋まるのは至福です」
「茗はちょっと感覚がずれているからね」
ヒルデもちょっと苦笑い…何故に。
見通しの良い道から浅い森の中を通っていた時に探索魔法に赤いマークが増える!
「魔物です!前方から来ます!数は…30!!」
「30!?もしかしたら上位種がいて連携してくるかもしれないギリムとラルクとヒルデが前衛でアーロンと茗と俺で馬車を守るぞ!ブルーノは様子を見ながら援護しろ!」
「マイロさん!数が多いので私が馬車の周りに結界を張ります!全員で攻撃した方がいいですよね」
「っじゃあ結界を頼む!結界の周りに広がって倒すぞ!」
マイロさんは直ぐに陣形を決めて指示を出す。私は結界杭を出し馬車の四方に飛ばし結界を張る。馬車の周りに四角い乳白色の結界が覆う。
「この結界は魔法も物理的にも防ぎますが起点になってる杭を壊されると結界が壊れます。念のため防御結界も重ねがけしておきます!」
青い顔をしているフーゴさんとイーブォさんは震えながらも首を縦に動かして頷く。
「来ます!敵も広がって囲む様に展開してますっ、接近まであと30秒!」
藍も一番前で唸って警戒してる
「見えた!あれはオーク!?」
ヒルデが視力強化して魔物を判別した
「オークが群れて来るなど…集落が出来てるな!とりあえずこいつらを仕留めるぞ!」
「「「「おお!(はい)」」」」
藍が1番先にオークの群れに風を纏いながら突っ込んで行く、ヒルデも身体強化をしてそれに続く!やはり速い!ラルクさんとギリムさんはヒルデの速さについていけないみたいだけどこちらから離れすぎない所で迎え撃つ様だ。
私は結界の上に乗り左右から来るオークに無数の氷柱を放つ数体はその魔法で仕留めたがオークは脂肪が厚いからか攻撃が浅いみたい…森の中だから火魔法は使いたく無いしどうしようか…
「オラァッ!!!」
マイロさんが槍を振り回しオークの腕や首を落とす…。凄い流石Aランク…複数相手じゃなければ負けないね。じゃあ私は他のオークを土魔法の壁や氷柱を使いマイロさんが囲まれない様にするよ!
ヒルデと藍は連携して次々とオークを倒している。ギリムさんとラルクさんはうまくペアを組んでギリムさんが盾で攻撃を受け止めてラルクさんが攻撃してる、アーロンさんも数体を相手してるけどブルーノさんの弓での援護が効いているみたいだからあっちも大丈夫そう。偶に敵が放った魔法が飛んできてるので個々に防御魔法を飛ばす
「…全て倒したか?」
マイロさんの言葉にマップを確認する
「はい!もういません。全て倒しました!」
「ふぅ…じゃあ素材を回収したいが、数が多いから全ては無理か…」
「大丈夫です。私の空間収納で全て運びます」
私はそこかしこに転がっているオークの死体を回収する。
ついでに血の匂いも風魔法で拡散させる
「茗ちゃんは空間収納を使えるのか、しかもこんなデカイオークを30体も平気なのか…凄いね」
アーロンさんが剣についた血を拭いながら近いて来た
「魔力量があるので容量も大きめだと思います。だから私の冒険者としての仕事は運搬が多いです」
「魔法もすごいと思うよ?最初の氷柱の攻撃も数が凄かったし防御もしてくれて助かった」
「良かったです。後方支援しか出来ませんから」
周りを確認し進む事にするが集落ができてる可能性がある以上早く街に着いてギルドに報告したいからペースを上げたいがどうするか相談する。
「じゃあフーゴさんの荷物を私の空間収納で預かります。それで馬車を出すので全員乗って移動しますか」
「そんなに入るの?って言うか馬車持ってるの?」
「ちょっと前の依頼で余ったのを貰ったんです、その前は持ってなかったので今回はタイミングが良かったです」
「いやもう何から突っ込めば良いのか…」
フーゴさんにも確認して急いで街に向かうことを了承してくれたのでフーゴさんとイーブォさんに一度荷馬車から降りて貰い、荷馬車を収納してドラグニアのドワーフの皆さんが試作で作ったグリフォン車をちょっと改良して馬に使えるようにしてくれたのを出す。必要になるかもしれないから貰っておけと言われたのがこんな所で役に立つとは…
馬車は屋根付きで御者台に座席が2列に荷物を入れるスペースがある。普通の馬車みたいに向かい合わせではなくて進行方向に座席は向いている。
御者にマイロさんとヒルデ、1列目にフーゴさんイーブォさんブルーノさん、2列目にギリムさんとアーロンさんラルクさん私は藍に乗って馬車と並走する。
馬に身体強化をかけて馬車にも重力軽減魔法をかけて飛ばしたので、夕方には港町に着いた。
速すぎたらしく、馬車に酔ってる人もいた。門が見える手前で馬車を収納して荷馬車に戻しまた周りを囲みながら最後は進んだけど、皆ホッとしていたのが解せぬ…。
私は普段から藍に乗ってスピードに慣れてるけど他の人には恐怖体験だったらしい…こんなに早く着いたのに!!




