目指せ!妖狐様3!
目を開けると目の前には大きな赤い鳥居があり奥まで続いている。
「千本鳥居?」
「茗なんだそれは?」
「うーん…、私が前に住んでた世界にあった有名な神社にも同じように赤い鳥居がいっぱいあってそこと似てるな〜って思って。でも実際は千本より多かったみたいだけどね。お稲荷様を祀ってあった神社だょ。妖狐様はやっぱり九尾の狐なのかな?」
藍には前世の話もしてあるしたまにネットで検索して動画や写真も見せてるから話しても大丈夫。
「神社?確かその土地に縁のある神を祀ってるパワースポットか?」
おおう…藍から横文字が出るとは…色々見せすぎたかな…?
「そうだょ。お稲荷様は狐の神様で、妖狐様は空想上の妖?で九つの尾を持つ狐の妖かなぁって思って」
「聖獣様は地脈の近くに住むと言われているから、パワースポット?というのもあながち間違ってはいないと思うぞ」
「地脈?そうなんだ、今更だけど霊樹の森はパワースポットって事?」
「当たり前だろう…あの森は地脈の力も強く精霊が多く住みついている為魔物も動物よりの者しか出ないだろう?ゴブリンやオーク共が寄りつかないのは竜帝様のお力もあるが精霊達のお陰だな。精霊が住む森には魔物は近づきづらい。元々住んでいた動物が高い魔素を含んだ果物や木の実やっぱり水を体内に取り込み、吸収できる魔素の限界値を超えると魔物になるんだ。取り込んだ魔素は魔石になると考えられている。まぁどのくらいで変化するのかは我も知らないが…」
「そうなんだ!じゃあドラグニアやラミールは霊樹の森の影響があって魔物の種類が違うんだ!」
「ゴブリンやオーガ、オークの種族は魔素だまりから産まれたり、ダンジョンから産まれて地上に溢れてると言われている。」
「魔素だまり…」
「1度見たことがある……。全身の毛が逆立つくらい気持ちが悪かった…思いっきり魔法をぶつけて壊してやったがな。」
「思いっきり魔法をぶつける…その土地は大丈夫だったの?」
「…ちょっと森の木がなくなっただけだ…」
「え…」
「…」
「もう森も戻っていると思うから大丈夫だ。人には影響はなかった。
ほら、着いたぞ」
藍と話しながら鳥居の奥に進んでいたら何時の間にか着いたらしく、鳥居の道の奥には平家の大きなお屋敷が建っていた
「凄いお屋敷…」
「フム…迎えも来たぞ」
「?」
何処に迎えがきたのかと思っていたら入り口付近に炎が灯り小さなお迎えが来ていた。
「「お待ちしておりました。妖狐様の元へご案内致します。」」
和服姿でストレートの髪を肩で切り揃えてお辞儀して迎えに来てくれたのは、日本人形みたいな2人…でも日本人形と違うのは頭に狐耳が付いていてフサフサの尻尾がある事!
かわいい!モフモフの子供⁉︎触りたい!モフりたい!ダメか、とりあえず怖がられないようにしなきゃ!まだ獣人って見た事ないんだよね!触らしてくれるかな!!
「落ち着け茗。とりあえず、妖狐様の元へ案内してもらうぞ!」
「はっ!そうだった…お願いします。」
モフモフに暴走しそうだった…
モフりたい衝動を抑えながら着いたのは大きな御座敷。
上座には豪華な衝立と膝掛けと座布団がある。私と藍は準備してもらってある座布団に座るとすぐ来てくれたみたいで、凄い魔力を感じる…
部屋に入ってきた妖狐様は妖艶な美女だった。真っ直ぐな長い髪を後ろで緩く纏め、前も後ろも深く空いていて露出が高いから目線が谷間に行くのはしょうがないと思う…。髪から出る狐耳と数本の尻尾がフサフサで座ると尻尾のベットみたいなり、自身も尻尾に背をもたれて私達を紫紺の瞳で見つめた
「そなたらが竜帝の愛し子か?妾は妖狐シーラ・アールクヴァイストじゃ。」
「初めまして、妖狐様。私は井上 茗と申します。こちらは従魔の藍です。お時間いただきありがとうございます」
「そんなに肩苦しくなくて良いぞ、妾の事はシーラと呼んでおくれ。トリスから連絡が来ておる出迎えるのが遅くなってすまなかったな。こちらも少し慌ただしくてな、余り長く時間も取れない為手短に頼む」
「シーラ様お忙しいところ申し訳ございません。私がトリスより預かったのはこの度共同開発した【コール】という魔道具です。神獣の皆様は念話が出来るので問題ないと思いますが、これは街に住む者達とお使いください。今日持ってきたのはまだ慣れるためにも人ではなくトリスと使って下さい。また各主要人物と連絡取るためのものは後日お渡しに来ます」
「そうか、不可解な魔物の巨大化の話は聞いている。この辺りはまだ被害がないが気にしておこう。」
「よろしくお願いします」
シーラ様と謁見中に外が騒がしくなる。誰かが部屋に入ろうとしてるのを止めてるのかな?
勢い良く戸が開き…
「母上!ヒルデの容体がっっ!直ぐに見てください!」
「これ!レーナ!客人の前でみっともない。直ぐにいくから先に行っておれ!」
「…はい。申し訳ございません。お客様の前で失礼しました」
入ってきたのはレーナ様に似た金色よりはオレンジに近い狐耳と尻尾を持った可愛い女の子大きな赤紫の瞳に涙をいっぱい溜めてとても慌てていた。
「茗、藍申し訳ないが急用が出来てしまったのでこれで失礼する。部屋を用意してあるからゆっくりしていくと良い。」
「いえ、お忙しいのにありがとうございました。怪我人ですか?治療魔法も使えますが?お手伝いいたしますか?」
「気持ちは嬉しいがただの怪我ではないんじゃ、あやつの毒にやられて数日苦しんでいてのう…、そろそろ体力の限界だと思うんじゃが、ただの毒でなかったらしく色んな毒消を試したが駄目じゃった…、彼奴を倒して毒を調べれば有効な手段も取れるのじゃが、今は妾の秘術で毒が回らないようにしているから離れる事もできんのじゃ、全く忌々しい蛇め…」
「蛇?」
「そうじゃ、蛇じゃ、どこからともなく来てこの辺りの動物を食い殺し、洞窟の奥に引っ込んでしまって手が出せん。妾の眷属達で攻撃しているんじゃが、向こうのほうが上手でこちらの被害が増えるばかりなんじゃ」
藍と目配せして頷く…
「あの!その蛇ならここに来る前に藍と倒してきましたが…」
「は?」「え?」
立ち上がって部屋を出ようとしていたシーラ様とレーナ様の声が重なる
「本当ですか?あの蛇を倒してくれたんですか?」
先に復活したレーナ様に詰め寄られだけど、そのまま抱きとめてナデナデしながら答える
「洞窟の奥の温泉にいた王森蛇は寒さに弱かったので凍らせた後に首を落としたので大丈夫ですよ!」
私の話を聞きながら大きな瞳から涙が溢れ落ちる
「お願いします。ヒルデを助けるためにその蛇を下さい」
「はい!魔石だけは討伐証明として欲しいですがヒルデさんを助けるのに役立つならお使い下さい。」
「茗、感謝するこれで解毒薬も作れそうじゃ」
「丁度、ギルドで討伐依頼もででたのでお役に立てそうで良かったです。
かなり大きいのですが何処に出しますか?」
「そうじゃな、こちらへ頼む。ついて参れ!レーナも泣いてないでお連れしなさい」
「はい!母上!茗様こちらです」
かわいい手で引かれて屋敷の奥に連れて行かれた。




