旅に!
あの後通信チームで色んなものを試作して最初に私が作ったイヤーカフも改造されてチーム登録できるようになり、商品名は【コール】として商品化して早速お城や他のチーム、各ギルド等で導入されて情報の伝達が今までより早くなりこの世界の時代が大きく変わってきている。
元々魔法があるから科学は発展してないけど、向こうの世界と同じくらいの生活水準だった所に通信網が出来て空の移動手段が確立された事によりほぼ同じになってきてると思う。電化製品がないのは魔法で代用出来るからであって乗り物も従魔や騎獣を使えば時間もかからないのでほぼ同じと言っても過言は無いと思う。ネットとかに慣れてる現代っ子としてはテレビが欲しいかな…笑。流石に無理だと思ってるけどね。
* * * * * *
「茗電話の開発は進んだのかい?」
「うん!後は優秀な皆さんに任せて私はもう殆ど要らないと思う。凄いんだょ!私はなんでも付与魔法で済ませる事しか出来ないけど、ちゃんと魔術回路を計算して刻み込んで作るからどんな人が使っても同じ様に出来るから安心なんだ」
「そうか…、【コール】は特定の人数での会話ができる物だったか?」
「うん、チームでもパートナーでも買う人が個数を指定しての完全受注生産だけどね〜。2人だと割高なんだけどカップルで注文する人が増えてるみたい…結構高いのに…」
【コール】はまだ大量生産出来ないため金額は多い。尚且つ今回は個人の開発品でない為商品の発注や契約等の管理は生産ギルドが管理して国に料金を支払い、売上の3話程を通信チームに戻されて開発費用と個人へ支払われる事になったので、ちょっとしたお給料になって嬉しい。
「フム、では茗に頼み事をしても良いかい?」
え?トリスからの頼み事?やるやる!何〜?
「大丈夫だょ!頼み事って?」
「他の神獣達に逢いに行ってきてくれないか?【コール】もついでに届けてもらえると助かるんだが」
「他の神獣様方に【コール】を届けるの?」
「そうだよ…私達神獣も世界の変化に対応出来なくてはダメだからね。魔物の巨大化も気になるし、情報は皆で共有した方がいいからね。もしかしたらその地の生きる者たちとの連絡手段が必要になるかもしれないからね…」
確かに…私はトリスがいるから普通に色々共有出来るけど、他の神獣様方もそうだとは限らないもんね…
「わかった!私他の神獣様方に会いに行ってくるよ!」
「ワレも他の神獣達に茗が行くことを伝えておくからね…
場所は大体は分かるが、皆自分の結界内にいるから見つけるのは容易ではないかもしれないが、茗と藍なら大丈夫であろう。」
やっぱり結界があるのか〜、そう言えばヴィルヘルム殿下も神獣様のおられる場所の近くに行った事はあるけど何処にいるかはわからないみたいな事言ってたからやっぱり探すのは大変なのかな…
色んな考えにふけっていると、トリスの様子がいつもと違う?
「トリス?どうしたの?何か気になる事があるの?」
「…」
「?」
「…」
「…もし…、旅の途中に我が息子に会う事があったなら元気でいるか見て来て欲しい」
「え?トリスの息子さん?」
そう言えばトリスの家族の事とか聞いた事ないかも…もう8年も一緒にいるのに…
「…何処にいるのかは分からない…もう何十年も前に出て行ったきりで連絡もないからどうしているのか…」
遠くを見ながらそう言葉をこぼすトリスは何処か辛そうで……
「じゃあ一緒にトリスの息子さんも探してくるね!」
私は辛そうなトリスにわざとちょっと明るめに話しかけた
「宜しく頼む…」
その後は会話も続かず、私は他の人にも旅に出る事を報告しにまわった。
* * * * *
「茗ちゃん本当に1人で大丈夫かい?」
「もーマルセルさんは心配症ですね!
藍も一緒ですから大丈夫ですよ〜!その方が移動も早いですから〜!」
ここ数日旅に出る事を伝えてからマルセルさんは私の周りをずっとウロウロしてる…親戚か近所の叔父さんか?ってレベルなんだけど…笑
「確かにその方が良いと思うんだけど心配で…」
なんだかんだと私の旅の準備も整えてくれて助かるんだけどね。流石宰相さんなだけあり冒険者ギルドの身分証の他にドラグニアが身分を保証してくれる印章も発行してくれたので他の国に入るのも凄くスムーズに行きそうで安心だね。
冒険者ギルドも各国ごとの支部にも私がもしかしたら寄るかもと情報を回してくれたので街に寄った場合は私も顔を出そうと思う。途中解体とか素材の買取とかお願いするかもしれないしね〜
準備もほぼ終わったので色んな人に挨拶まわりしていたら
以前グリフォンの車の時にお世話になったドワーフの職人さん達に呼び止められた。
「どうしたんですか?」
「ワシらから茗ちゃんに餞別があって…」
と言って示したのはなんと元いた世界では俗に言うキャンピングカー?プレハブハウス?木造だけど簡易キッチンとトイレとシャワー室にダブルサイズのベット…他にも仕掛けがあって引き出してマットレスを置けばベットが出来るようになっていて野宿の時にかなり助かりそう…
「すご〜い!持ち運べる家なんて!!こんな凄いの貰って良いんですか?」
「良いんじゃよ!こんな可愛い娘っ子が旅をするのに野宿なんて危なくてさせられん。テントも不安だからな。茗ちゃんは空間収納が使えるから持ち運びは大丈夫じゃろう?」
「はい!大丈夫です!自分でもテントは準備したんですけどこっちの方が何倍も素敵です!」
「そうじゃろ?一応魔物除けの結界石も準備しておいたからこのハウスから1メートル四方に設置すれば大丈夫じゃからな」
ドワーフの職人さん達は他にもキャンプ用の簡易釜や道具を色々作ってくれたみたいで色んなものを貰っちゃった。ここにも過保護な保護者か!祖父か?話を聞くと旅に出ると聞いてから職人さん達で集まって2日で仕上げてくれたみたい…笑 まぁ凄く嬉しいから貰っちゃお〜!
その後も通信班から神獣様方用の【コール】と私と他の人と連絡出来るものを貰い武器開発班から試作品の武器のモニターをお願いされて色々待たされたり、ラミールのフェリーネに暫く来れないからと大量の野菜と果物を持って会いに行ったら大量の調理済みご飯を持たされた。勿論フェリーネと私専用の【コール】も渡す。
そして遂に出勤の日…
「じゃあトリス行ってくるね」
「ああ。気をつけて行っておいで…我が娘よ…」
「⁉︎」
「…むすめ?…私が?」
「そうだょ。当たり前であろう?其方は我が娘だろう?」
「…うん!行ってきます!お母さん」
こんな出発する時に言うなんて…ずるい…心がポカポカしながら藍に乗って目指すは神獣《妖狐様》がいる火山地帯!




