グリフォン
今日はドラグニアのお城に来てるんだけど何故か一緒にギルド長も一緒…清算が終わって行こうとしたらギルド長もお城に行くからと待っていた竜車でお城に登城して今私はお城の1室でマルセルさん待ち。 ギルド長も一緒…?
ドアが開き優しい雰囲気のイケオジのマルセルさんが数人の騎士と一緒に入ってきた。
「待たせてごめんね」
騎士さんはマルセルさんの後ろに立ち、マルセルさんはソファに座る。
「実は茗ちゃんに指名依頼を受けて貰いたいと思ってるんだ。」
「指名ですか? ありがとうございます。どういった依頼内容ですか?」
「内容としては空間収納での運搬なんだけど、以前 茗ちゃんにアイデアを貰ったグリフォンを使った空の移動方法のお披露目をしようと思ってるんだ。」
「えー!そうなんですか!もう実行できるなんて凄いですね!」
グリフォンタクシーかなぁ?ツアーかなぁ?駅かなぁ?楽しみ〜
「とりあえずは、王族にレンタルするのが最初かな。もうすぐライリュールで生誕祭があるんだけど、その時にパレードで使用してもらうのが決まってるんだ。」
「パレードですか?なんかワクワクします」
「本当だよね、上手くいってくれると我が国にとっても新しい事業になるから成功させたいんだ。今回はグリフォンがひく車をパレード用に新しく色々作り過ぎてしまってどれを使うか決まってないんだ。だからラミール王に選んで貰う事になったから茗ちゃんに運んで貰おうと思っているんだ。」
「わかりました。」
「良かった!じゃあギルド長依頼書は作成してあるから確認をお願いします」
「…はい、確認しました。書類に不備はないからこれで大丈夫です、後はギルドで手続きしておきます。」
部屋から出てギルド長は帰って私は車を確認しに別の場所へ移動する。
「これなんだ。」
「…本当に沢山ありますね。」
案内されて来た場所には大きさ違い、装飾違い、屋根あり、屋根なし、2人席、4人席など色々…王族仕様なのでシートはフカフカしてそう…でもちょっと気になるのが…
「これ安全の為のベルトとかなくて大丈夫なんですか?」
「ベルト? どういうものかな?」
「グリフォンのひく車がどれだけ揺れるかわからないので違ってたらすみませんが、空なので風も横から来たら揺れたりすると思うので空に慣れてない人は高さも怖いけど、不安定なのが一番怖いと思うんです。」
スピードはそんなに出さないにしても、ジェットコースターまではならなくてもシートベルトはあった方が良いよね。
「確かに…どんなのが良いと思う?」
「一番安定するのは体に斜めにかけるのが一番ですが、ウエストで固定出来るだけでもだいぶ違うと思います。」
その場にいた技工士さんと何パターンか作り着けて試してみて、また加工してと色々やっていたら時間があっという間に過ぎちゃったけど、とりあえず持っていくのは4種類になった。
屋根なしの2人乗りと4人乗りと屋根ありの2人乗りと4人乗り。シートベルトは屋根なしは体に斜めに付けて、屋根ありはウエストにつけるタイプに決まった。…何にせよ決まってよかった…予備の為にもう1・2個あってもいいかな?
グリフォンにひかれた車は思ったほど揺れなくて風もそこまで感じない。御者を務めるのはさっき部屋に一緒に来た騎士さん達で風魔法を使って風をコントロールして車の周りに壁を作ってるんだって、凄いよね。
グリフォンも初めてみたけど凄くカッコ良かった!基本柔らかいブラウンの羽毛だけどよく見ると明るめの茶色や濃いめの茶色など個体差はあるみたい。フカフカした羽毛がツヤツヤしてて気持ちよかった〜!! 竜人族にしか触らせないらしいけど、私も大丈夫だった。多分魔力量が関係してると思うだけどね〜。 …途中、藍が拗ねて大変だった…(苦笑) いろんな子をモフり過ぎたのが原因みたい。
「持っていく車は決まったのか?」
不意に後ろから声をかけられたので、答えようとして固まった…
振り返った 先には前世今世合わせても一番といえる程の存在だけで破壊力のある美形!! 身長は高く程良い筋肉のついた体に流れる波うつ黒髪、冷やかな金の瞳が隙なくその場を圧倒する…
「「「「殿下!」」」」
竜人族の人が礼を取るのに習って私も礼を取って頭を下げる
「別にかしこまらなくて大丈夫だ。車の確認と竜帝様の愛し子に会いに来ただけだ」
「…生誕祭に持っていく車は4種類になりました。本日また少し安全面の改良をいたしましたので、より安全なものになったと思われます。」
マルセルさんが殿下に車を説明してるけど、殿下の魔力に圧倒された私は顔を上げる事が出来ない…
「愛し子殿、顔を上げよ」
「…井上 茗と申します。いつも皆様には大変お世話になっております。」
何とか喋れたけど、顔は上げられそうにない…作法とか分からないし…
「皆、楽にせよ。…茗そなたにはストレージなど数々の事で協力してもらい感謝している。今回もよろしく頼む。」
「ご依頼頂きありがとうございます。ご満足頂けるように最善を尽くさせていただきます。」
何とか顔は上げたものの顔は見れないので殿下の顎の辺りに視線を合わせる…ん?
間を詰めた殿下が私の顔に触れて顔を上に向かすと、殿下と眼があった!? 先程よりかは圧が弱まり柔らかな瞳で見つめられたら、顔あっっつい! ひゃー!!どうしようっっ!
顔を真っ赤にして口をパクパクして固まってたら殿下が吹き出して肩を揺らしながら笑ってる……えーと…
「ククク…す、すまん。小動物みたいで可愛らしかった」
「…」
「殿下…」
はぁとマルセルさんがため息を吐く。
「茗殿で遊ばないようにお願いします。何かあったら竜帝様に顔向けが出来ません。殿下のお姿は免疫のない方には毒ですから…」
「…毒は言い過ぎなんじゃないのか?私は人見知りするだけだ。」
人見知りで最初にあれだけ圧をかけてたの⁇ それは…毒と呼ばれても仕方がないんじゃ…すっかりなくなったプレッシャーにまだ肩を揺らしながら笑う殿下…ナニコレ…ギャップ?ギャップ萌えってやつ? 経験値が足りなくて分からん…
「茗笑ってしまい申し訳無かった。私はヴィルヘルム・アルフ・モンス・グレーゲル。気軽にヴィルと呼んでくれていい」
キラキラな笑顔で言われても…また固まっちゃうからやめてほしい…っていうか愛称呼びなんて無理です!
「…恐れ多く、身に余る光栄にございます。」
「殿下…」
「ええ〜ダメなの?中々マルセルが会わせてくれないから自分から来たのに!もっと色々な話しをしたいんだけど?」
「殿下…」
「そうだ!生誕祭は私が父の代わりに行く事になったから、茗もパーティに参加できるように準備しておいてくれ」
「っっ殿下?」
「よろしく頼むよ〜」
被せ気味にお願いをして長い足であっと言う間に離れてってしまい、あとに残ったのは呆然としたマルセルさんと私達…
暫くフリーズしたあと、マルセルさんが諦めたように私の肩に手を置いた。
「ごめん茗ちゃん…、殿下は言い出したら止まらないんだ。王太子として素晴らしい方なんだけど気に入った者には暫くかまいたい性格でね…ちょっとの間付き合ってくれる?」
「…断れないんですね?」
「…うん。いつもそこまで長くないから大丈夫だと思うよ。どこでスイッチが入るのか分からなくてね〜早く身を固めて貰えると私達も助かるんだけどね…」
「まだ婚約者はいないんですか?」
「竜人族は寿命が長いから人族ほど早く相手を見つけたりしないんだ。それに竜にとって番となる者は特別だから見つかったらすぐわかるんだよ」
「そうなんですか…本当にパーティーに参加しなきゃダメですか?」
「うーん…護衛みたいな感じで行ってもらってもいいかな?ドレスはこれから準備するね。」
「ドレス…護衛は必要あるんですか?物凄く強いですよね?」
「まぁ必要ないね。だから普通に雰囲気を楽しんでくれば良いよ。」
「そんなキラキラな場所行っても楽しめません…」
「招待客には王族だけじゃなくて高ランク冒険者とかもいるから安心して、僕もいるから。」
「…」
「じゃ時間ないからドレス合わせるよ!」
「ぇぇぇぇぇ〜〜〜!!」
* * * * *
お城に連れて行かれ侍女さんとお抱えの針子さんに何着も着せられサイズを直ししてドレスを着たまま最低限のマナーを数日で叩き込まれた…何でこうなった…
明日は生誕祭…今日ラミール国入りするらしく出立メンバーで集まり、グリフォンに乗り移動している。
「茗なんか疲れてるみたいだけどどうしたの?」
「殿下…緊張しているだけです」
「そぅ? 楽しめば良いょ」
何故に私は今殿下と同じ車の中にいるのか…周りはもちろんグリフォンとそれに騎乗した騎士。車は全部で3台で一台は贈り物が積まれていてもう一台にマルセルさんと侍女さんが乗ってる…本当は私と侍女さんが乗るはずだったのに出発する前に殿下に拉致られた…
超絶美形の隣でどうやって楽しむのか…庶民には無理…ここ最近のマナーレッスンの疲れもあり、せっかくの空の旅なのに楽しめない…まぁドラグニアとラミール国はほぼ隣と言っても良いぐらいだからそこまで遠くないのが救いなんだけど…霊樹の森は3つの国に面してるけど森の中は何処の国でもないトリスティールの領域でその一面に接してるのがラミール国。ラミール国と霊樹の森の国境線の上空にドラグニアの浮島がある。ラミール国の首都のライリュールは国境からは離れてるけど空を移動するのでそれほど遠くない。
「茗は今Bランク冒険者なんだって?でも実力はもっと上でしょ?何で上げないの?」
「冒険者登録をしたのは解体や買取りが目的だったので、冒険者ランクを上げようとは思ってないんです。」
「なるほど。我が国への返済も終わったんだってね。別にそんなの気にしなくても良いのに、じゃあこれからはアクセサリー作りがメインになるの?」
「そうですね…藍と少し周りを旅して行動範囲を広げようとは思ってます。途中でそのギルドで良い依頼があったらやろうかとは思ってます。」
「なんか楽しそうで良いね。自由なのが少し羨ましい。王太子になってからは自由に好きな場所へは行きづらくやってしまったからな…まぁその前に私も旅をして色んな所に行ったんだけどね。自分の国も素晴らしいが他の国もそれぞれの魅力があり、またいつか行けたらと思う。」
「殿下のおススメの国はありますか?藍と旅をするのに参考にさせて下さい。」
「そうだな…海も良かったが神霊滝という巨体な滝は見る価値はある。」
巨大な滝?ナイアガラの滝みたいなのかな…でも名前的に神獣の方がいそう…
「巨大な滝といのは見たことがないので凄く興味あります。彼の地はどなたがおられるんですか?」
「彼の地はね白蛇様がおられると言われてる。神獣様方は竜帝様のように国と密接な方もいれば何にも干渉しない方もいるんだ。白蛇様は後者かな。」
成る程…でも他の神獣様方も凄く興味があるな…
殿下と色んな旅の話しを聞いてるうちにどうやらライリュールに着いたみたいでグリフォンと共に城の裏側に降りた




