王都ライリュール3
次の日朝食は軽めに済まし、ギルドの掲示板を確認するとやはり品薄なのか色んな魔物の討伐依があったので、種類をメモして一旦街の外へ出る。
『どの辺りで狩る?』
「一旦家に帰って野菜を先に持ってこようかな。きっと野菜もないと思うから。」
『了解した。』
藍に乗ったままGATEで洞穴の結界まで戻る。
『茗お帰り』
「トリス!一旦帰ってきただけだからすぐ出るの!またゆっくり話すね〜」
出迎えてくれたトリスに走りながら手を振り、自分の家の横にある畑まで行く。
ここの畑は自分で育てる様に作ってもらったんだけど、精霊達が世話してくれるから私の出番は収穫くらいしかない…。精霊に世話して貰った野菜や果物は通常よりも美味しいらしく、定期的にドラグニアにもおろしてる。
畑からトマトやレタス・キュウリ・ナス・芋などを大きめの籠いっぱいに取り、果物も適当に数種類別の籠に入れてマジックバックに入れて藍にまたがって外に出る。
神獣の森で探索魔法を使い魔物のエネルギーの大きさから討伐依頼のあった魔物に辺りを付けて藍とサクッと倒して回収していく。
「次は南で鳥型を探そう」
『了解した』
南の草原に移動して鳥型の魔物を狩り、王都ライリュールの近くに【ゲート】で移動して、探索魔法を使い魔物を探す。 この辺りでは余り狩りをしてなかったので今までと会う魔物の種類が違うけど、藍と一緒なら大体サクッと倒せる。
『茗あっちに群れがいる。多分バッファローだと思う。』
「群れ?じゃあ一気にお肉確保出来るね。」
藍に乗って風下に移動して木の陰から覗くと…
「あれは…ブルーじゃないね。黒?」
『ブラックバッファローだな。ブルーより脂ものっていて美味い。攻撃力も上がるから群れだとちょっと面倒だな…』
数十メートル先の群れを見てちょっと考える…
検索魔法で確認すると数は32体…範囲指定して雷の魔法で仕留めるか…でもブルーバッファローはそれで良くてももしかしたらより強い個体であるブラックバッファローは耐えるかもしれない…となると確実に仕留めるにはやはり首を切るか、脳を破壊するか…
『茗?』
「ちょっと試してみたいんだけど、失敗したら普通に狩ろう。」
『解った』
「取り敢えず結界に閉じ込めるね。」
掌の上に小さい四角い結界を作りブラックバッファローの群れの上に移動させ一キロ四方の大きさにして群れを囲うと、異変に気付いて暴れ出した…
『どうするのだ?』
「今まで検索魔法は索敵として使ってきたけど、結界内で使ったらもしかしてより個体を識別できるんじゃないのかな?って思って試してみるの。そしたら倒すのも早いかなって」
『…なるほど、まだ良くわからんが茗が思った事をやれば良い。』
「うん!やってみるね。失敗したら宜しくね」
結界内で暴れてるブラックバッファローを見て範囲指定で検索魔法を使う…そうしたらやっぱりいつもの点より、より個体をシルエットで確認出来た。
「これなら…いけるかも!」
空中に氷柱を32本作り出し、結界の中の魔物に的を付けて放つ!
氷柱は勢いよく飛んでいき、的を付けたターゲットの頭をめがけて追尾していき全部ヒットした。
「やった!」
『!!何をしたんだ?』
「えっとね〜、結界内で検索魔法使うとやっぱりより個体を識別出来たから、個体をマークしてそのマークに向かって氷柱を投げたの。個体づつのマークだからもしかしたら移動しても当たるかもって思って試してみたんだけど上手くいって良かった。」
『…凄い発想だな…我なら思いつかなかった…』
「ん〜、元々は私のいた世界ではまぁ戦闘機とかについてる機能をイメージしたから私の発想って程ではないんだけど…こっちの人には確かに考えづらいかもね?」
『そうなのか…』
藍には自分が別の世界で一度死んでこっちの世界で転生した事も話してある。たまに向こうの世界の事を教えたりしてるけど、言葉では伝えづらい…映像とかあると良いんだけどな〜…映画とか見れないかな?創世神様に聞いてみようかな?受信だけだけどSNSが使えるから出来るかも…今まで気づかなかった…
『茗?』
「あ!ごめんちょっと考えごとしてた、早く回収しよう。群れで数は確保できたからもういいと思うから回収したらライリュールに戻ろう」
『了解した』
藍と群れのとこまで行き、マジックバックと空間収納にブラックバッファローをしまい藍に乗って地上を走ってライリュールに入った。
ギルドに戻って掲示板に行き確保した魔物の討伐依頼書を取りカウンターへいく。
「こんにちは、討伐の依頼ですね!最近は品薄なので今は買取価格も高めになってます」
「そうなんですか?買取価格が高めなんてラッキーです」
「では討伐ポイントを地図で説明しますね!」
ギルドの受付のお姉さんがニコニコしながら説明してくれる
「あ!もう討伐してきたので大丈夫です。っていうか討伐依頼だと場所とか教えてくれるんですね」
「え?もう討伐してきたんですか?」
お姉さんの声がびっくりして大きくなったので周りに聞こえたみたいだ…
「ああ、茗殿か…そう言えばいつも買取で依頼は初めてかもしれないな?」
「副ギルド長」
丁度近くにいたらしい副ギルド長のフラビオさんが近づいてきた。
「フラビオさんこんにちは」
「茗殿討伐依頼感謝する。依頼を出してもみんな数は多く運べないし、需要が多すぎて困ってたんだ。」
「友達の家のレストランも品薄って言ってたから今日は朝から藍と頑張りました!」
「じゃあ依頼達成の魔物をご提示ください。」
受付のお姉さんに言われたから出そうとしたけど、数が…
「えーと…ちょっと量が多いので倉庫の方が良いかと…」
「そうだな、茗殿はマジックバックがあるから普通より多いだろう私も一緒に倉庫に行って確認しよう。」
という事で倉庫に移動すると
「茗殿か、昨日の買取は解体終わってるからすぐ清算できるぞ!」
「モーリッツさんありがとうございます!今日はまた買取もお願いします。」
「お!助かる何を狩ってきたんだ?」
「えーと、依頼書にあった…
ホーンラビット20 ロック鳥 5 ラブバード3赤熊巨大猪 2 フォレストスネーク と依頼書はなかったんですが、ブラックバッファローの群れがいたのでありますがどのくらい要りますか?」
「「「「「…」」」」」
「イヤ多すぎだろ!」
どうやら多すぎたらしく、みんな固まってたけど最初に復活したモーリッツさんがつっ込んで来た。
「いつもはこんなに狩らないですよ?今回は数を確保しようと思って藍と頑張りました!」
「そうか…藍殿も一緒にやれば早いのか?それにしても多いと思うが…何にせよ助かるので取り敢えず全部出してもらって、ブラックバッファローは高級食材だから出来れば20くらいあると助かる。」
「わかりました。」
次々と魔物を出していったらちょっとした山になった…流石にちょっと狩りすぎたかな…?
「全部買取でいいのか?」
「えーと、ロックバード1体とブラックバッファローは2体お肉が欲しいです。私も食べてみたいので、後は買取でお願いします。」
「本当に沢山の買取感謝する。素材も沢山取れるからいい防具も出来るだろう。」
「良かったです!生誕祭とか知らなかったですけどいいタイミングで来れたみたいなので。」
「茗殿清算はいつにする?ちょっと量があるから数日かかると思う。」
「もし先に貰えるお肉の分だけやって貰えればいつでもいいですよ?生誕祭の後でも大丈夫です。」
「モーリッツすぐ出来るか?」
「渡す分だけなら30分もあれば出来る。」
「じゃあ先に天鶏と依頼の分を清算してその後肉を取りに来ればいいだろう」
「よろしくお願いします」
もうモーリッツさんは他の解体職員さんと解体の準備にかかってる。
「ではあちらで清算を済ませよう。」
フラビオさんについていくと、ギルドの中にある個室に通された。お茶をもらったので飲んで待っていると、カウンターのお姉さんとフラビオさんが荷物を持ってやって来た。
「茗殿まずは、昨日の天鶏の買い取りがこちらになる。そして依頼達成の報酬がこちらになる。詳細を書き出してあるので確認して貰いたい。」
「確認させて貰います」
詳細の紙を見て金額の確認。買い取りの内訳の紙を見て確認して、最後にお金を数えて確認して…
「確認させてもらいました。間違いありません」
「今度品薄になったら茗殿に指名依頼を出そう(笑)」
「今回みたいに上手くいくかわからないですけど依頼されたら頑張りますね!」
「ではそろそろ解体も終わっていると思うから倉庫に行こう。」
フラビオさんと共に倉庫に行くとモーリッツさんが準備して待っててくれた。
「茗殿天鶏1体とロック鳥1体ブラックバッファローが2体の肉だ!魔物の状態も良くて皮も余す事なく使えそうだ。」
モーリッツさんはちょっとウキウキしてる感じだから解体が楽しいんだろう。
「私は解体は小さいものしか出来ないのでいつも助かってます。」
お肉をマジックバックに入れたのでこれでフェリーネの所へ行ける!
「じゃあ残りは生誕祭が5日後だから7日後とかではどうか?」
「そうですね。私は大丈夫なのでまた7日後にきますね!」
ギルドを後にしてフェリーネのレストランへと急いだ。
カラン♪と音を鳴らして店内に入る。今は午後の3時くらいだからそろそろランチは終わりの時間なので店内には3人くらいしかいなかった。
「茗ちゃん!いらっしゃい。ご飯は食べた?」
「今日はまだなの〜お腹空いたから何かお願いしていい?」
「もちろん!こちらのテーブルへどうぞ」
案内されたテーブルに藍と一緒について待ってるとフェリーネが食事の入ったワゴンを押してきた。
「今日はサラダとコーンスープとハンバーグです。藍ちゃんは昨日と違うソースのお肉だょ」
「わぁ美味しそう! いただきます!」
美味しかったのもあり藍と2人でペロリと食べてしまった。そのうちに店内は私と藍だけになり、店の入り口のオープンの札を外して来たフェリーネがテーブルに座った。
「もうフェリーネや皆さんは食べたの?」
「ちょっと前に交代で食べたから大丈夫だょ」
「良かった。お肉と家で取れた野菜と果物を持って来たよ!」
「本当!助かる〜今呼んでくるね」
パタパタと裏に入ったけどすぐシェフのお父さんとお兄さんとお母さんを伴って来た。
「茗ちゃん本当にありがとう。助かります」
「いいえ!美味しいご飯をご馳走さまでした。お祭りまで頑張ってくださいね! 何処に出しますか?」
「僕ワゴン持ってくる!」
お兄さんがさっと奥に入ってすぐワゴンを持って来た。
ワゴンに天鶏とロック鳥とブラックバッファローのお肉
を出しテーブルに野菜と果物の籠を置くと皆びっくりして固まってた。
「なんでバックからそんなに出てくるの?」
フェリーネがびっくりしながら聞いて来た。
「あ、マジックバックだから見た目よりいっぱい物が入るんだょ!」
「そういえばダンジョンとかで手に入るって言ってたな」
馬車の荷台くらいの容量は入ると聞いた事があるっとボソリとお父さんが呟いてるけど、残念これは私が作ったから容量はかなり広く、日本でいた時の港とかにある倉庫ぐらいでっかいんだよね。時間経過も無しだからお肉も野菜もいつでも新鮮だょ〜!とは教えないけどね。
「あらこのお野菜凄いしっかりしてて美味しそう」
「本当だねこれは料理するのも楽しみだね」
「この果物もジュースやカットフルーツにしても良よね」
「ブラックバッファローこんな高級食材を…」
皆さんそれぞれお肉や野菜をみて感想を言っている。
「これ全部ウチに卸してくれるのか?」
「はい!あ、出来たら天鶏とロック鳥のお肉を少しだけ欲しいです。」
「じゃあ包丁とまな板持ってくる」
またお兄さんはさっと奥に入ってすぐ戻ってきた。
「どの辺りのお肉にする?」
「胸でもモモでもどちらでも良いです。唐揚げにするので!」
「「「「唐揚げ?」」」」
あれ?こっちの料理は結構美味しいし洋食は同じようなものがあるけど唐揚げはないのかな?
「タレに漬け込んでから衣をつけて油であげるんです。」
「「「「油で揚げる?」」」」
揚げものがないのかな?そういえば屋台でもみないかも?
「作ってみますか?」
「「「「是非」」」」
ちょっと長くなりました…




