アレカラ マエストロ
リューガ達がいなくなって5年後。
「父さん!ここでいいって!」
一人の青年が仲間と共にいる。その青年のお父さんが青年の手を握っている。その後ろで、青年の母親は少し悲しげな、少し誇らしげな目をしている。
「父さんは心配なんだよ!本当に試験を受けるのか?」
「あぁ!俺も他の世界に行ってみたいからな!」
「そうか...アイツラみたいだな...」
「あぁ!ショウガ姉ちゃん達に追いついてみるよ!」
「あぁ...追いつけるかどうか...わからない...けどな...」
「ちょっと!父さん!泣くなよ恥ずかしい!」
「いや...思い出してしまってな...それに...もう会えないんだし...」
「もう!俺は行くからね!」
「あぁ...」
青年達は試験場に入っていく。
「ガジー?本当にいいのか?」
「あぁ...もう覚悟は決まってる...」
ガジーの父親、ショウジは目に涙をためつつも息子のガジーを見送った。その後ろで、妻のフスミも小さく手を振っている。
「行ってしまったな...」
「えぇ...」
ガジーは第4の世界に行くための試験を受けに行った。5年前よりも試験に受かるには容易になっており、相手の1チームに勝てばよくなった。トーナメント戦ではないのだ。ガジーは生まれつき持っていた『柔軟』を極め、仲間と共に試験を受けに行った。仲間は4人だ。その中に、リューガが火事現場から助けた少年、ハリマもいる。
ハリマはリューガに助けられた後『硬化』を習い始めた。リューガの能力を大人が『硬化』と判断したからだ。『破壊』を持っている人など早々いない。なので、『硬化』と判断され、それに憧れたハリマも『硬化』を習った。そして、ガジーと道場で出合い、4の世界を目指すことにした。他にチームメンバーは2人いるが、説明する必要はないだろう。
話は、ショウジに戻る。
ショウガはショウガを送り出した後も、『柔軟』の教師を続けた。弟子ができるたびに、最短で『柔軟』を取得した、ショウガの自慢をした。ショウガのおかげでショウジの弟子が増えたとも言えるだろう。
***
「はい!じゃあ...次は腹筋100回!お前らなら出来る!」
「「はい!」」
クラティーは能力道場の先生になっていた。面倒見が良く、わかりやすい先生ということで、『硬化』の中でも評判は特段良い先生で弟子を何人も持っている。弟子一人一人の特徴は忘れず、毎年弟子の誕生日にはプレゼントとあげている。見た目こそヤンキーのようだが、内面は心優しい人間であった。
一方、ギュウシャはクラティーとリカを教えた後、数人の弟子を持った。だが、その時に寿命で死んでしまった。クラティーはギュウシャの死を大変悲しんだ。クラティーの弟子達も、ギュウシャの死を悲しんだ。
さて、エイジンが死んだので『破壊』の師範は誰になるのか。いや、師範はいなくなった。何故なら、生徒がいないからだ。何年経っても、何十年経っても『破壊』の才能を持つ人は現れなかった。
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さて、こちらは刑務所。
ヘイブは『千里眼』を使った覗き・誘拐・器物損壊罪・殺人未遂で合計懲役10年が課された。なので、まだヘイブ刑務所の中にいる。脱獄は、したくてもできなかった。
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「レディースアーンド!ジェントルマン!お待たせいたしました!今から第2試験!第一試合を行います!実況は私、ケイル!ケイルがお送りいたします!」
「最初は俺らだな...」
「あぁ...」
ガジー達4人は闘技場に出る。
勝ったのは、ガジー達のチームで合った。彼らは第三の試験に参加する資格を手に入れた。
***
時代は少し遡る。リューガ達が第三の試験に向かった2ヶ月後だ。
リューガ達が第三の試験に行った後、「剣鬼と剣姫」のバトラズとモンガは、もう一度第二の試験を受けることにした。そして、「剣鬼と剣姫」は第二の試験で優勝した。そして、リューガ達を追って、第三の試験へと向かう。
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続いて「チームロイバン」だ。ジフは死んでしまったので、残っているのは、バント・ロイ・カフだ。ロイとカフは結婚し、第三の世界で家庭を持った。バントは剣の先生となった。
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「筋肉は全てを解決する」のキンジとダルマンは、「チーム一鶴」に負けたことが原因で、他の格闘家を引き連れたヤンキー達にボコボコにされた。ダルマンは殴り殺されて、キンジはボコボコにされたヤンキー達の下っ端としてこき使われた。
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続いて「光の四原色」だ。「チーム一鶴」から優しい強さという物を学び、もう一度精霊術を学び直した。
そして、レントー・ブル・グーグ・エイロの4人は再度集結し、「剣鬼と剣姫」が第三の試験へと向かった、次の次の第二の試験で優勝し、第三の試験へと向かった。
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次は審判だ。彼らは願いを叶える{魔法}を使って、商売を行った。そして、大繁盛をした。店の名前はもちろん「審判」ですの。
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「チームトマト」はベリーの一人だけが生きていた。彼は試験が終わった後、自殺をしてしまった。自分の愛剣で自分の首をバッサリと。
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最後は「タイフーン3.5」だ。タイガ・コルト・ベーターの3人と犬のポチは、その後、3の世界で各々の家庭を持った。タイガとコルトは結婚した。ベーターはドッグトレーナーとして活動して、犬好きの女性と結婚した。
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「試験合格者はこちらへ!」
ガジー達は、案内人に連れられて時空の結界へと進む。
「それじゃあ、4の世界へ!いってらっしゃ~い!」
ガジー達は時空の結界の中に入っていく。彼らにはどんな戦いが待ち伏せているのだろうか。
リューガの知り合いで、4の世界へ進んだのは
「剣鬼と剣姫」
「光の四原色」
ガジーのチーム




