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第70話 心臓を掴め

 

 ***


「まずい!幽霊がもう!」

 ユウヤたちにはもう出口はない。しかも、動くのさえままならないくらいに囲まれていた。幽霊達の手がユウヤ達の心臓に伸びる。


 ”ビュンッ”


 幽霊は斬れない。少し動きが止まるだけだ。


 ”ビュンッ”


 ”ビュンッ”


「クソッ!どうすれば...」

「マユミ!ウィンドを一緒に撃てるか?」

「え、えぇ!」

「それじゃあ...行くぞ!」

「「ウィンド!」」


 カゲユキとマユミは幽霊達に風の魔法を撃つ。だが、幽霊は吹き飛ばない。

「クソッ!」

「ウィンド!」

 マユミは地面に向かって魔法を撃った。マユミとショウガは空に浮かび上がる。

「うおっ!」

 空上からは、大量の幽霊がユウヤ達の周りを囲っていることが確認できた。仮に幽霊を吹き飛ばしてもすぐに捕まってしまいそうだ。

「じゃあ...どうすれば!どうすればいいんだ!」

 2人は地面に着地する。

「この数...逃げれ無さそうだ!」


「あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 ユウヤが幽霊に心臓を掴まれる。ユウヤは悲鳴をあげた。一切触れられなかった幽霊に心臓だけが触れられている。ギチギチと心臓を潰そうとする音がする。初めて体験する感覚だ。痛い。などという言葉とは比べ物にならない。圧迫感という言葉でも足りない。呼吸困難と言う言葉でも足りない。思考が追いつかない。これは、「絶望」だ。

「ユウヤぁ!」


 ***


「ここは...あぁ...死んだのか...」

 俺は暗闇の空間にいた。何かに触れているという感覚がない。失神という考えも浮かんだが、その説は無いだろう。フミヤは俺を見逃さずに殺しそうだ。

「ショウガ達は...大丈夫...かな?」


 ***


「誰も...来ないなぁ...」

 そんなことを言いながらトモキはずっと外を眺めていた。その時だった。急に家が消える。

「うわぁぁぁ!」

 トモキは地面に落下する。


 ***


「あぁ...殺すのは...もったいない!エイジン師範様の能力を持っているのだから!」

 フミヤは『破壊』で完全にリューガの意識を奪った後一人で話している。

「あぁ!いいことを思いついた!俺がこいつを『精神浮遊』で乗っ取ればいいんだ!」

 フミヤは自分の首を『破壊』する。そして、精神体になった。

「それじゃ...エイジン師範様!あなたの能力を...頂戴します!」

 フミヤはリューガの体を乗っ取る。そして───


 ***


 《Dead or chicken?》


「え...フミヤが俺のことを...食べた?」


 《Dead or chicken?》


「チキン!」

 俺は目が覚める。俺はそのままの状態で倒れていた。体は鶏のままだ。今までとは違う。今まではその人の体になれたのに。

「うぅ...体が...動かない...」

 俺の体は動かなかった。空を浮いたから体力を使ったのだ。このままでは...動けない。

「そうだ...ショウガ達を...」

 俺は目を瞑る。千里眼が使えた。ショウガ達は幽霊に囲まれていた。ユウヤは悲鳴をあげている。

「『幽霊操作』...幽霊は全員...成仏しろ...」

 そう言った瞬間、幽霊は成仏する。



 ───そして、俺はまた意識を失った。


 ***


「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

 ユウヤは悲鳴をあげる。もう心臓が捻り潰される。もう、ここで終わりだ。


 ───そう思ったときだった。幽霊が目の前から消えて、心臓を締め付ける「絶望」もなくなる。


 ”バタッ”


 ユウヤはその場に這いつくばる。「絶望」で動けなかった体が「絶望」から解放され倒れたのだ。

「はぁ...はぁ...」

「幽霊が...消えた...」

「早く!リューガはどこだ!リューガを!」

 ショウガはすぐにリューガを探しに行く。

「おい!一人になるな!」

「私が行きます!」

 リカもショウガに着いていく。


 ***


 結局、ショウガ達がリューガを見つけたのは探索に行ってから10分後のことだった。

「リューガ!リューガ!大丈夫か?リューガ!」

 倒れたリューガを連れてショウガ達は家に帰る。

「おい!大丈夫か?」

「トモキ!」

 家があったところにはトモキと大量のネンギンが立っていた。

「家が...急に消えたんだよ...ギリギリ助かったけどな...」

「そうか...」

「リューガさん...起きてくださいよぉ...」

 リカは涙目になってリューガを見る。

「そうだ!なぁ、リカ!ショウジ先生から貰った薬は?」

「あぁ!あります!少し待ってください!」

 リカは自分の荷物を漁る。

「ありました!これです!」

「それを...リューガに飲ませるぞ!」

「はい!」

 リカはリューガに薬を飲ませる。


 ***


「フミヤがキュラスシタを殺した奴と接触した」

「そうか...」

 暗い空間で3人が喋っている。


 ***


 ショウガ達は時空の結界のところまで来る。

「リューガは起きていないが...次の世界に行くか...」

「えぇ...そうしましょう...いつアイキーが取られるかわかりませんし...」

 ショウガは時空の結界にアイキーをはめる。

「それじゃあ...行くか!」

 ショウガ達は時空の結界の中に入っていく。そして、5の世界へと向かった。

第4章もfin


70話もかかる予定はなかったんだけどなぁ...

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何とかフミヤを倒せましたね。 しかし幽霊の攻撃がきつかったですね。 幽霊と戦うというシチュは怖いです。 でもそれも何とか終わった。 次回からの展開に期待です!
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