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第510話 選ばれし4人

 

 ***


 17の世界に連れ拐われたユウヤ・シンドーク・バトラズを救いたいという気持ちも、やる気もあれど行動には移せていない状況が半年ほど続いていた時であった。


 俺達───『チーム一鶴』と『陽光の刹那』の2グループの合計7人は、パープルに呼び出されて王室にまでやってきた。


「パープル、話ってなんだ?」

「リューガ、遂に一日千秋の思いで待った時が来たぞ」

「───ッ!」


 俺は、パープルの言葉を聞き、なんのことか勘づいた。


「それってつまり...」

「そう、そのつまりだ」


 どうやら、俺の予想はあっているらしい。


「「17の世界に再度侵攻ができる───」」


 俺とパープルの言葉はハモる。そして、俺の顔に思わず笑みが浮かび上がってしまう。もっとも、ヒヨコなので笑みが浮かび上がるのかはわからなかったが。


「そうか...ついにか...」

「やったな、リューガ!」

 ショウガも、舞い上がるように喜んでいた。


「やっと、その時が来たのね...」

「俺達もやっと動けるってことか!これまでは、ずっと本を読んでばっかでつまらなかったからな!」


 そう、本来ならば関係ない『陽光の刹那』の3人にだって、半年以上の待機を迫ってしまった状態なのだ。よく、飽きずに諦めずに一緒にいてくれたと思う。


「皆には我慢してもらってばかりで申し訳なかったと思っているよ」

 パープルはそう言って、俺達に謝罪する。パープルが俺達に謝るような立場ではないとわかっていた。


 それは、王だということにも当てはまるが、それ以上に17の世界の捕虜にされた3人のことを考えてこれまで行動してくれていた───ということが当てはまる。


「ありがとう、パープル!でも、また正面突破の戦争なのか?」

「いや、違う。今回は、少数精鋭で行ってもらう。やっぱり、リューガ達にはそういう戦い方があってるだろ?」

「少数精鋭か...ここから人数を更に絞るのか?」


「いや、それはしないよ。逆に、4人ほど追加しようと思っている」

「4人か...」

 誰が来るのだろうか、俺は少し期待と不安で胸を躍らせていた。いや、後者は踊っておらず焦っていると言うのだろうか。


「彼ら彼女らも招待しているから、もう来るだろう───って、もう1人は来てるんだった。おいで」

「わかりました!」


 そして、俺達の前に出てきたのはパープルの護衛を任されていた、ピンクや白・薄い緑色の髪を持った、鎧に包まれた女性であった。俺は、彼女のことを知っている。彼女は、ブーロン1世直属の部下である『切り札の制裁(ジャッジメントカード)』の8であり、唯一の彼らの中で唯一の生き残りである女性のアハトであった。


 また、今はもう亡きウディの想い人であったことも周知の事実だ。まぁ、その恋が実ることはなかったのだが───。


「今回の少数精鋭の1人。それが、アハトだ。能力はもうわかっている通り『謝罪』だよ」

「お願いします!」

 前に出会った時は敵だったが、今回は味方として登場するらしい。なんだか、ジャンプのような展開だ。


「パープル王、失礼します」

 そして、入り口の奥で跪いている男性は、俺は───いや、俺達は一斉に見た。そこにいるのは、一度見たことがある好青年である。


 ───彼との最初の出会いは、9ヶ月前の17の世界であろう。


 その時は、彼17の世界の戦場の下見として来ていた時───俺達がブーロン2世達に敗北した後であった。


「あなたは...クロエ・クレンザー?」

「そうです。どこかで...あぁ、17の世界で出会いましたね。お久しぶりです」

 その好青年は、ニコリと笑みを見せる。その青髪の好青年。


「よろしくお願いします、リューガさん」

「あぁ、よろしく」


 俺は、その場でクロエ・クレンザーの手と自分の羽をかざしあった。これが、あくまでも握手の代わりだ。


「───それで、僕以外の残りの...2人は?」

「俺はもう来てんぜ」

「───ッ!」


 俺達は、一斉に声がした天井を見る。そこにいたのは、黄色髪の青年であった。


 まるで、天井から重力が働いているかのように、天井に足をベッタリとつけて立っていた。

「お前は...」


「あぁ、そうか。そっちは俺を見るのは初めてなんのか」

 その黄色髪の青年は、その場から動くこと無くこう述べた。


「俺の名前は、カルガンだ。んま、17の世界にスパイとして侵入してたのは、この俺ってんわけ」

「あ、あなたが!」


 17の世界に捕まった、ユウヤ・シンドーク・バトラズの情報を度々流してくれていたのは、この人だったと言うのか。

「ありがとうございます!」

「んな、俺を言われるってなると照れるってやつなんだぜ...」


 そうして、少し頬を赤くしたカルガン。口調は荒いが、悪い人では無さそうだな。そして、残り一人は───


「失礼しまちゅ、パープルちゃま」

「───」

「げ、セイジさん...」

「あ、ママ」


 そこにいたのは、マユミのことを「ママ」と呼ぶ男性。俺は、彼のことを見たことがある。

 確か、17の世界での戦争の時に、俺に回復魔法をかけてくれた人だったはずだ。


「マユミ、知り合いなのか?」

「知り合いもなにも、私に闇魔法を教えてくれた張本人よ...」

「ママ、お久しぶりでちゅ。最近、姿を見てなかったんで寂しかったでちゅ。よちよちちてくだちゃい」

「───」


 色々と、キャラが濃そうなメンバーが集まったようだった。



 ───そして、俺達は次の日にアイキーを渡されて、17の世界に向かっていったのである。


 もうすぐ助けてやるから待っていてくれ。ユウヤ・シンドーク・バトラズ。

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