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第506話 内憂外患

 

 人生で───いや、ヒヨコだから鳥生だろうか?まぁ、どちらでもいい。人生で2度目の戻り石を使って16の世界に戻ってきた。

 やはり、スポーンするのは前回と同じ大広場であった。


「俺達は...何もできなかった...」

 16の世界に戻ってこれたのは、リューガ()・ショウガ・マユミ・モンガの3人と1匹だった。


「連れ拐われた3人は助けられなかったな...」

 俺の言葉に、モンガがそう返す。モンガは、戦場で活躍したものの、捕まったユウヤ・シンドーク・バトラズの3人を救うところまではいかなかった。


「これからどうするんだ?」

「どうするも何も、3人を諦めることはしないだろ?なら、まだ修行をしようじゃないか!」

 俺の問いかけに、ショウガがそう答える。気丈に振る舞っている彼女だって、どうしたら沈んだ空気が良くなるかを考えてくれているのだろう。


「パープルとか、他の兵士はまだ17の世界で働いているだろうし...俺達はどうする?」

「とりあえず、帰りを待つしかないんじゃないかしら?望みは薄いけれど、逆転って可能性もあり得るわよ」

「それは、そうだね...」


 俺は、一先ずパープル達の帰りを待つことに決めた。俺達は住まわせてもらっていた王城「ガルム」に戻ろうとすると───


「あなた達は───」

 聞き覚えのある声がして、俺達はそっちの方を向く。そこにいたのは3人の男女───『陽光の刹那』のペトン・アイラ・オルバの3人であった。


「『チーム一鶴』の皆さんですか?」

「あぁ、そうだよ」


 再会。15の世界で、初めて言葉を交わして、ヌルや月光徒と共に戦ったグループであった。

「お久しぶりです!!15の世界では、お世話になりました」

 そう言って、頭を下げるのはペトンであった。


『陽光の刹那』は、先述した通り15の世界で共闘したグループだ。その共闘の中で、リーダーであるサンが死亡してしまった。彼らの新たなリーダーとしえ選ばれたのはペトンのようであった。


「それで、こんなところでどうしたんですか?それに、他にもいませんでしたか?金髪のボーイッシュ美女とか」

 アイラからされる質問。


「17の世界に、捕虜として取られた。取り返すために戦ったんだが、タンドンが死んでしまった」

「───え、そんな...」

 ウディのことは、『陽光の刹那』は知らないから名前を出すことはなかった。


「今ここにいない、タンドン───碧髪エルフ以外の3人は捕虜として捕まったのか?」

 オルバからも質問される。他に死者がいないかの確認のようなものだろう。


「あぁ、そうだ。捕まったのはユウヤ・シンドーク・バトラズの3人。取り返すための戦争で死亡したのがタンドンだ」

「そんな、酷い話...」


 ペトンは、2人を集めて何かこそこそ話を開始する。すぐに、こそこそ話は終わり俺達の方を向いた。そして───


「なぁ、リューガ。俺達も、君達の仲間を救うのを手伝わせてくれないか?」

「───え」

 俺は、その声掛けに思わず驚いてしまった。「お気の毒に」で終わらせられる話かと思っていたのだ。


「我らに協力してくれるのは一向にウェルカムだが...そっちは大丈夫なのか?」

「あぁ、この数ヶ月15の世界でサンガ死んで気付いたんだよ。人の命は貴いもので、一番大切なものだってことに」


 リーダーの死に触れて、大切なものに気が付いたようだった。人をたくさん殺している俺達が言うと説得力はないのだろうが、言う。人の命は貴いものだ。


「協力してくれるのか?」

「あぁ、もちろんだ」


「じゃあ、頼む。俺達の仲間になってくれ!」

 俺は、ヒヨコの姿だが頭を下げた。俺が頭を下げているのは伝わっているのかわからないが、伝わっていることを願おう。


 ───こうして、『陽光の刹那』の3人も俺達に協力してくれることになった。


 戦力は一気に4人の倍近い7人にまで増えた。


 ───と、そこから数時間後。


 大広場に、大量の兵士たちがワラワラと湧いて出てきた。全員、用意された戻り石で戦場から戻ってきたのだ。


「───勝った...のか?」

 いいや、違う。


 戦争に勝ったときのような熱狂が、心躍る感覚が兵士達の中にはない。疲弊しきって、今にも倒れそうな兵士ばかりだった。そんな、陰鬱な空気を見て、俺は敗北したのだと察した。


 ───ここで、16の世界は17の世界に敗北したことが確定した。


 兵士の波の中をかき分けて、16の世界の王であるパープルが王城「ガルム」の方へ戻っていった。

 俺は、パープルのことに気が付き王城「ガルム」にへとパープルの後を追うようにして向かった。


「なぁ、パープル。やっぱり...駄目だったか?」

「───あぁ、駄目だったよ」


 パープルが、俺の質問に泣きそうな声で返答する。彼も、敗北して悔しいのだろう。国民を、犠牲にしてしまい辛いのだろう。苦しいのだろう。


「声明は?」

「出さない。敗北したことは、大々的に国民には伝えられないからな。お茶を濁して、上手く乗り越えるよ」


 パープルは、そう言っていた。だが、国民だって馬鹿じゃなかった。


 洗浄に行き死んでしまった兵士の親族が、王であり戦争の首謀者であるパープルに対して非難の声をあげたのであった。


 ───この不平不満が今後、内乱にへと発展していくのであった。

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