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第500話 シャルル

500話突破!

 

 ***


 左翼・右翼と俺のいる正面の3つに分かれるようにして17の世界では戦争が行われている。


 周りに環境というものはあまり関係がなく、16の世界と17の世界の両軍が木々を薙ぎ倒し、地面を平にして、近隣の民家を破壊していた。

 正直、それを見ているのは気が楽ではなかったが、俺もユウヤやシンドーク・バトラズが捕虜として取られているのだ。若干の破壊行為など咎めはしない。


「───おらよッ!」

 いつもの2倍以上に太くなった腕の筋肉で敵をなぎ倒しているのはパープル直属の兵士であり、ヘラルド革命でも大活躍を見せたウディ・ランスであった。

 彼の日焼けをした肌と、赤い髪は戦場で一段と目立っていた。


 彼の赤髪を見ていると、ブーロン2世の部下である刀を持った侍のような人物が思い出される。彼も、この戦場のどこかにいるかもしれない。いや、いるだろう。


「あ、お前は!ブーロン1世を殺した奴らでごわすね?」

 戦場に響き渡る、一度だけ聞き覚えのある声。その大声を出しているのは、巨漢であった。


 土のような肌の色をして、岩のように硬そうな筋肉を持つ山のような大男。あの男は、モンガの同程度の実力者だった。『チーム一鶴』最強格のモンガと、拳でやりやったのだ。


「あのでっけぇのは俺に任せろ!」

「ウディ、でも...」

「大丈夫だ、俺は負けねぇからよ!」


 ウディ、その巨漢の前に現れる。

「おっさん、俺と正々堂々勝負しろや」

「オイドンは、ブーロン1世を殺した奴の仲間であるそこのヒヨコに用があるでごわす。ひょろひょろの雑魚は、引っ込んでいるでごわす!」


「おいおい、人を見る目がねぇな。お前の目は節穴か?俺だって、ブーロンの野郎をぶっ殺したヘラルド革命の参加者だ!」

「───それなら、話は別でごわす」


 ”ドンッ”


 ”ドンドンッ”


 直後、ウディと巨漢の拳がぶつかりあった。その衝撃波は戦場の空気を揺らしていた。

「───名は、何というでごわす?」

「ウディ・ランスだ。お前は?」

「『死に札の制裁(アンチジョーカー)』のシャルルでごわす」

「『死に札の制裁(アンチジョーカー)』だなんて、『切り札の制裁(ジャッジメントカード)』みてぇな名前しやがって、下位互換か?」

「上位互換でごわす」

「そうかよ!」


 ───どうやら、俺がふざけて予想した『死に札の制裁(アンチジョーカー)』は実在していたようだった。


 嬉しいような嬉しくないような。いや、嬉しくない。いなければ、ブーロン2世とMrs.ブーロンの2人だけが俺達のところに攻めに来る算段だっただろうから、負けることはなかっただろう。


「───『破壊』ッ!」

 俺は、2人の男と男の殴り合いを邪魔しないために、ウディに行動しようとする相手の兵士を破壊で攻撃していた。


「お前、中々強いじゃねぇか...」

「オイドンは強くない、ウディが強いのでごわす」


「強いんです」にごわすを付けると「強いのでごわす」になるのだろうか。語尾というのは曖昧なものだな、と思う。


「アァ?どういうこった」

「オイドンの能力は『喧嘩両成敗』でごわす」


 喧嘩両成敗・・・相手と同じ実力まで、自分を高めることが可能。相手が、自分より実力が下なのであれば能力は発動しない。


「おいおい、俺が強いから能力が発動してるってことか...面倒な相手だぜ...要するに体力勝負ってわけか?」

「体力も同程度まで高まるでごわす」

「───そうかよ、面倒くせぇ...」


 ───と、俺が周りの敵兵を一掃していると一人の小柄な人物がやってくる。


「おい、そこのヒヨコ。俺のことを見てチビだと言ったな?」

「言ってねぇよ!」

 その人物は、俺に話しかけてきた。小柄な人物───と言っても、ヒヨコの俺よりかは全然デカい。


 あくまで、他の人と比べたら小さいというわけだ。大体、145cmくらいだろうか。

 しかも、禿げている。毛1つないスキンヘッドだ。もじぴったんならぬつるぴっかん。


 つるぺったんみたいだな...



 そんな、ニコ動全盛期みたいな感想はさておきだ。


 目の前のハゲチビおっさんは、あまり強そうに見えないが強敵でありそうだった。

「俺と戦えよ、ひよっ子。俺のことを見てチビだって言ったこと、許さねぇからな?」

「───このハゲ...」


 心の中で思っただけなのに、勝手に俺が「チビ」って言ったことにされているので俺は口走ってしまった。

「ハゲは許す。だが、チビは許すまじ。その発言は忘るまじ。人としてあるまじき発言だぞ」


「残念だな、俺はひよっ子でありヒヨコなんだ。ヒョコッと出てきたちっちぇお前に文句は言われたくねぇ」

「はいはい、そうかよ!お前、何者だ!」


「俺は『チーム一鶴』のリーダーであるリューガだ!ブーロン1世から王座を奪ったのはこの俺だよ。おめぇは?」

「ゴエティア序列46位のビフロンスだ」

「ゴエティアか...天敵がバトラズってのくらいしか覚えてねぇな...まぁ、雑魚集団だろ?」


 14の世界で、3人のゴエティア所属の魔神と対面したが、その内の2人がバトラズに殺されたことを覚えている。ちなみに、残りの1人はモンガが殺した。きっと、半鬼人(オニ)が弱点なのだろう。


 ───こうして、16の世界と17の世界の兵士たちがぶつかり合う戦場の最前線にて、(リューガ)vsビフロンスとウディvsシャルルの2つの戦いが別々で行われることとなった。

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