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先駆者の導き  作者: 腹ぺっこ
第四章 混迷の坩堝
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4_08_夢想の都 対抗試合 二戦目

こんにちは、投稿が遅くなり申し訳ございません。

やはり平日に投稿するのは難しいですね……ギリギリになっちゃいます。





【本戦二回戦! 第一試合……光翼チーム 対 業炎チーム】



翌日、シャロンの試合が始まった。相手は開会式前に俺達へ絡んできたフラムグラス家の貴族達である。


たしか名前はアーカインとグラファイ家の……なんだっけな。まあ黒子ありを兄で、なしを弟って考えよう。


そして残りの二人は釣り目で髪を中央から両側に分けている奴と、長い茶髪を結い上げている女の子だ。




一方の光翼チームはシャロンと体格の良い男子、残りの3人は女子といった構成である。


シャロンのチームは女性率が高いんだよな。しかし非力ではないはず。



両チームが相手と挨拶を交わし、所定の位置まで下がると間を空けず試合が始まった。



【試合開始!】


残命数は2つ。光翼チームが選択権を得ていたから短期決戦狙いなんだろう。


その予想を肯定するかのように、シャロンが鉄輪を投げる。


「フォトンサテライト!」



合計で8輪であり、もう全部同時に扱えたのかと感心。

しかし相手も対策をしていたようで、3人が魔具を使う。



「「「アースウォール」」」


業炎チームの前に土壁が形成される。

どうやら胸ほどの高さに調整しているようであり、これを遮蔽物として扱うんだろう。



するとシャロンは出来上がった遮蔽物を見て、叫んだ。


「二輪結合!」


その叫びが響いた直後、シャロンの魔具が互いを引き寄せるように2輪ずつ重なり、合計で4組となった。

しかも今までは浮いた場所へ固定されていたのに、動き始めたのだ。


こんな事も出来るのか……オリビアさんが言ってた他の機能とやらだな。



シャロンの意思で操作出来るようで、2組がシャロンの左右、残り2組が業炎チームの背後上空へと移動する。



これでは遮蔽物が意味を持たない。上空で、しかも背後から撃ってくるのだから。

しかし業炎チームは諦める事などせず、グラファイ兄弟が武器を手に背後を守るようだ。




……そこから始まったのは魔法の乱打戦だった。


どうやら結合した鉄輪は同時に光弾を撃ち出すようであり、これなら普段の4輪と変わらず扱えるみたいだ。問題なく威力を発揮出来るだろう。


むしろ2発同時に撃ち出してくるのだから、火力が倍増したとも言える。

他の光翼メンバーは別の魔具で牽制しており、まるで雨のように魔法が降り注いでいた。




これに対して、豪炎チームは無理せず遮蔽に隠れている。

耐久力は高く設定されていただろう土壁は、少しずつ削られながらも壊させない。


グラファイ兄が仲間の背中を守るべく光弾を剣で打ち払い、グラファイ弟は兄の背中に飛んできた流れ弾を打ち払う。背中を預け合ってるな。

で、残りのメンバーは遮蔽に隠れつつ、魔法を撃ち返していた。



両チームのリーダーであるシャロンとアーカインは中級魔法を小出しに撃ち出しながら、互いに相殺し合っている。今のところは拮抗状態だな。




しかし、動揺していた業炎チームも余裕を得てきたようで、やがてアーカインが遮蔽の陰に全身を隠して動かなくなった。たぶん大技を準備し始めたのだろう。


それを見たシャロンも長い詠唱で魔法を構築し始めたようだ。同じく大技だな。



「このままじゃシャロンが負けるな」

「だね」



明らかに消費魔力が多いのだ。

光翼チームは惜しみなく魔法を撃ち出しているから、目に見えて消耗しているように感じられた。



なのに業炎チームは遮蔽が殆どを阻むから、たまに身を出しては反撃するだけで拮抗させる事が出来ている。



大技を直撃させれば決着となりそうだが、状況としては準備を少しだけ早く始めただろう業炎チームが有利かな。消費魔力も少なめだろうし。



それは光翼チームも理解してるだろうけど、対処する前にアーカインが準備を終わらせた。

遮蔽から身を乗り出して腕を振り上げ、魔法を行使。



「”メルトフォール”!!」



火系統の上級魔法が行使され、特大の業火球が出現する。

アーカインの上空に現れたソレは、行使者が腕を振り下ろすと光翼チームへ迫り始めた。


これに対し光翼チームメンバーは一塊になって、誰かが魔具を使った。


「包囲防御!」


このキーワードで土壁が形成され、全員を包んでしまう。


それだけだと上級魔法を防ぎきれないと思うんだが……



やがて豪火球が到達し、一気に燃え広がる。

きっと土壁の中は高熱に晒されているだろう。



ーーーーー


「それじゃ、行ってくるわね」

「「「「はっ」」」」

「四輪結合……転移」


ーーーーー



燃え盛る炎が土壁に近付く……中には5人が入っている。

ギブアップはしなかったようだが、このままでは高熱を防ぎきれない。


そういった考えを観戦席の誰もが持っていただろう。

実際に豪火球を放ったアーカインすら、訝しげに土壁を見つめているのだ。


業炎チームの背後に浮かんでいた鉄輪も、土壁に持ち主が包まれた時点で光弾を撃ち出さなくなり、沈黙。

グラファイ兄弟までもが前に目を向けている。



だが、俺達は目撃した。

沈黙していた鉄輪2組が高度を下げ、また重なったのだ。


まるで何かの模様のように重なった4輪……直後に暗い穴が4輪の前に広がり始め、ちょうど人が通れるくらいの大きさを形成した。



これと同時に豪火球が土壁に直撃し、一気に広範囲へ燃え広がる。



業炎チームはシャロン達が高熱に耐えきれず降参する姿を見るためか、前方を注視していて背後に気付いた様子も無い。




そして、暗い穴から人が出てくる……シャロンだ。



「”エクスレイ”」



紡がれたのは光系統上級攻撃魔法。前だけ見ていた業炎チームの背後を極太の極光が襲う。



光の速度というわけではないが、着弾までの時間は振り向かせる余裕すら与えないほどであり、薙ぎ払うように5人を吹き飛ばした。



【メンバー全員の魔法残命0により、光翼チームの勝利!】



審判の勝利宣言が響き渡る。

唖然としていた観客席も我を取り戻し、拍手喝采や驚嘆の声が巻き起こった。



業火も消え失せ、崩れた土壁の中からは光翼チームメンバーが姿を現す。


ギブアップによる緊急用の障壁と、水系統の防御魔法まで行使していたようだ。

消し炭にはなっておらず、一安心である。




そして、いまだ困惑顔の業炎チームと少しだけ挨拶を交わし、シャロン達はリングを去っていく。





この様子を眺めながら、俺達は話し合っていた。


「あの背後に移動したのって、”トラベリング”だよな」

「ですね。ルイスの妹さんが使ってるのを見た事あります」

「なんか鉄輪が一部重なってたけどさ、あんな機能もあんのか?」

「つくづく反則じみた性能だよね」


それな。転移まで可能とか万能すぎだろ。

と、半ば呆れながら話し合いつつ次の試合を待つ。


やっと我を取り戻したフラムグラス家の連中もリングから去り、続いて始まったのは交流試合だ。


一回戦の第三試合であり、これから4試合連続で実施される。



その後は俺達の試合だ。つまり、エグラフさんとの勝負になるのだ。





・・

・・・





【本戦二回戦! 第二試合……地轟チーム 対 剛拳チーム!】



とうとう始まってしまった……


今回も残命数の選択権を相手チームが獲得し、4つを指定されていた。それなりの長期戦になるだろう。



足取り重く通路を歩き、すぐにリングへと到着する。

俺達の方が早く登場したようで、少しばかり観戦席を見渡せばシャロンを発見した。


どうやらルドルフと話しているようであり、試合で勝ったのを褒められているようだ。

叔父は姪の頭を撫でそうなぐらいで、そこだけ切り取れば仲の良い家族って感じなんだが……


「来たぞ」



ラグの声で反対側の入場口へ目を向ければ、厳かに歩いてくる地轟チームの面々だ。



エグラフさんを筆頭に、後ろへ続くのは同じ三年生達。


彼らは今年の対抗試合が最後となる。それを意識しているのかは不明だが、気合充分って表情をしているな。



【両チーム、前へ】


審判の号令で両チームが前へ進み、試合前の挨拶を交わす事に。


「おい、もう腹決めろよ」

「分かってますよ」

「っしゃあ、行くか!」



気合を入れてエグラフさん達の前に並び、俺達は揃って威嚇し始める。


「かかってこいやあぁぁ!!」

「昨日から負けられない理由が出来てんだよ!!」

「まずはケートス先輩から狙ってください!!」

「少しは手加減しやがってどうぞ~!」


若干てか半分ほどは威嚇じゃないのも混ざってる。

しかし気にした様子も無く、エグラフさんが代表して答えた。


「墓石は用意してある。心置きなく沈め」


上等だ! 根性見せてやっからな!

鼻息荒く所定の位置に戻り、やがて試合が始まった。



【試合開始!】


「……”ブースト”……”アーマー”」



ケートス先輩が補助魔法を即行使。そのままエグラフさん目掛けて突っ込んでいく。


「”ヘイルストーン”」


エグラフさんは魔具を2つ起動し、中級攻撃魔法で迎撃。半分ほどまで距離を詰めたところで足止めされた。


この間、俺とハイクは回り込むように移動して左右からエグラフさんを狙う。それに対して相手は1人ずつで迎え撃ってきた。


これで3人が膠着状態。地轟チームの残り2人は片方がケートス先輩に魔具で攻撃を加え始め、もう片方は大技の準備に入る。



おそらくエグラフさんも大技を構築してるだろうから、相手チームは上級2発を準備中って事だな。


一方、ラグとソマリは足を止めて魔法を構築していた。

こちらも大技であり、こうなれば早く完成した方が有利となる。


けど、その前に……



「おらっ!」

「ぬうん!!」


俺と対峙している相手を足止めしとかないとな。


互いに剣を打ち合わせ、少しの間だけ鍔迫り合いが拮抗する。だが身長差も利用して押し込んでくるもんだから、どんどん力を入れられない体勢に押されてしまう。


これは駄目だと剣を滑らせ流し、思いっきり回し蹴り。少しは不意を突けたかと思ったが、屈んで避けられてしまった。



「せあっ!」

「いっ!?」


下から剣を突き上げられ、寸前で首を傾けて回避……額を突かれるとこだった……



一瞬の隙間、視線の探り合い。

体勢を戻すのは俺の方が遅い。だったら……



「づあっ!」

「ぐっ」


渾身の頭突きで相手の額に痛撃を加える。けど体勢的に横合いから衝突させたから、当て方が悪くて俺の額も痛い。


すぐに相手の剣を打ち払い、魔法を行使。


「”フレイムシールド”!」

「!」



俺と相手の僅かな隙間に出現したフレイムシールドは両者を分かつ。

そこで瞬時に屈み、相手が魔法ごと斬り払うのを待った。



「ぜああっ!」



だが、相手は斬り払うのでなく斬り下ろしてくる。


「あっぶね!」


真っ二つに炎の壁を裂いて頭上から剣が迫り、慌てて掲げた剣の横腹で防いだ。


くっそ……また同じ体勢じゃねかよ。



「この位置に出すとは、部分制御式か」

「おうよ……ビビったか」


瞬時に看破されてしまったが、これは買い換えておいた部分制御・魔力充填・解錠式の魔具だ。

どこに出すかを制御できるため、相手の意表を突いたり目晦ましに使ったりを目的としている。


結果は失敗だけどな。



「んぐぐ……”猛る熱波をこの身に”」

「させるか!」

「んぐっ!」


至近距離で”イグニスロア”を叩き込まれるのは避けたいのか、相手は俺の腹を蹴って妨害してきた。


物理軽減されているとはいえ、それでも痛みと衝撃に構築が妨害される。



けどな、これでいいんだ。



俺は妨害されると同時に魔力の制御を手放した。直後に訪れた反動は何が起こるかわからない。


しかし、この魔法は本来なら無差別攻撃だ。



ゴアアァッ!! と雄叫びのような轟音と、熱波が撒き散らされる。


発生したのは俺の背後、そこを中心に広がっていた。


俺は当然だが、相手も熱波に巻き込まれて押し飛ばされる。吹き飛ぶほどじゃなかったが、まあ転ばすぐらいは出来たかな。


「貴様……なんと無茶な……」

「ふはははは! 時間稼ぎ出来れば問題ねえ!」



物理残命だけだと剣術では相手の方が上だろうからな。魔法残命までも使って足止めする覚悟だ。


互いが身を起こす際にハイクを見ると、そちらは拮抗してるっぽい……というか楽しげに剣を打ち合わせており、相手もこの応酬は悪くないって顔してるな。



なんか羨ましい……こっちは泥臭いってか焦げ臭い戦いを繰り広げてんのにさ。


けどまあ、文句を言っている場合じゃない。そろそろ準備が完了するはずだ。



「「準備完了!」」


ラグとソマリの声が聞こえる。直後にケートス先輩が叫んだ。



「エグラフに撃て!」

「”ゼファーインパクト”!」


ソマリの大技が炸裂。しかしエグラフさんは直前で後ろへ飛んで衝撃面から離脱していた。けど暴風面は浴びたようで風に押し飛ばされてしまう。



威力は無いから魔法残命を減らせなかったが、手を止めることは出来た。その間にケートス先輩が距離を詰めてエグラフさんへと迫る。


「っはははは! 覚悟しろエグラフ! ぼっこぼこに」

「”グランシャーレ”!」

「んどわあ!?」


ケートス先輩の左右広範囲のリングが変形し、バチン!! と先輩を挟んでしまった。


逃げる暇なんて無かったし直撃だな、アレは。

しかも耐魔コンクリを変形させるとか、かなりの無茶をしたもんだ。ケートス先輩も予想出来なかっただろう。


ちなみに、行使したのはエグラフさんではなく、傍らで準備していたもう1人だ。


ソマリの魔法から逃げ遅れて衝撃面を浴びているから、魔法残命が3つも減ってるな。

残り1つだったんだが生き残っており、吹き飛びながらもエグラフさんを援護したようである。



「”ウインドスライ”」


ここでハイクが維持待機させていたらしい魔法を行使。虫の息だった大技行使者に風の刃を拡散して浴びせた。


剣で打ち合いながら構築してたのかよ……余裕あるな。



で、風の刃を回避しきれず地轟チームの1人が脱落。魔法残命0である。


とはいっても、しっかり役割を果たさせてしまったからな。そこまでの利益じゃない。



「どらああああ!」


魔法で挟まれていたケートス先輩が周囲を砕きながら復帰してきた。魔法算命は2つ減ってるし補助魔法も散ってるな。


すると、エグラフさんが腕を斜め前に突き出した。


「”ネイルブリッツ”」


げっ……構築終わってたのかよ。



エグラフさんが行使した魔法は昨日にも見たやつだった。


触れると棘を形成する礫が降り注ぐ魔法であり、その範囲は広く……無差別である。

まるで分厚い雲のような礫の集合体が上空に広がっていた。



「っしゃおら! ”エクスプロード”!!」



ガラの悪い叫びと共に、ラグが維持待機させていた魔法を行使。この日のために習得しておいた上級魔法であり、かなり派手なやつだな。



ラグが手を上空に向けて突き出すと丸く赤い球が飛び出したんだが、その中心は危うげに瞬いている。


上昇途中で礫に当たっても呑み込むだけで勢いを衰えさせず、そのまま礫の雲まで到達した。


そこでラグが手を握りこむと、球体が一瞬で収縮。

豆粒のような大きさになった球体は、しかし次の瞬間ラグが手を広げると大爆発を起こした。



ドグアアアァァン!!! と鼓膜が破れそうな爆音と共に撒き散らされる破壊は、礫の雲を余さず消し飛ばし、相殺してみせたのである。



「よくやったラグ!」


褒めてつかわ……あれ?




「なんっじゃそら……」


立ち込める煙が晴れた後には、礫の雲があった。


さっきより更に上空……つまり……



「二重構造かよ!」


やらしい事しやがって!



「残念だったな。”アースウォール”」

「あっ!」


俺と対峙していた相手が全方位を包む土壁に引きこもってしまった。体に触れないと棘も出ないからか。




「ちょっ、俺も入れて!?」

「入れるわけが無いだろう。大人しく降参しておけ」


土壁の中から拒絶の言葉が放たれる。この引きこもりが!



そうしている間に礫の雨が降り出したが、俺は防御手段を持っていない。


だって、”フレイムシールド”は垂直だから。魔具だろうが詠唱だろうが屋根代わりに出来ないんだよな。

構築を頑張れば形も変えられるんだろうか……ぶっつけ本番だと難しいってか、そんな事してる間に残命が減ってくだろ。



くっそ! こうなったら……



「”フレイムシールド”!」

「!? ぐおおぉ!」



ふはははは! どうだ、土壁の中に作ってやったぜ!


「熱っ! 貴様! こんな事をして……」

「”フレイムシールド”!」

「ぐおおお!?」


どんどん追加。

3枚くらいまで嫌がらせしたところで、後ろからソマリの叫び声が聞こえてきた。


「アホですか!」

「へっ!?」



後ろを振り返るとソマリは風系統の防御魔法を屋根のように出現させていて、礫の雨を逸らしてる。ラグを範囲内に収めてんな。


まさかと思いハイクを見ると、同じ防御魔法で礫を逸らしながら、俺へ注文してきた。



「もう1枚追加で」

「アホやってる場合ですか! 早く合流してください!」

「あ~……ごめん」



嫌がらせに夢中で考えてなかったし、聞こえてなかった。

既に礫の雨で魔法残命が1つ減っちまったな。”イグニスロア”を自爆したから、1つ分が尽きかけてたんだろう。



・・

・・・



【そこまで! 全員の魔法残命0により、地轟チームの勝利!】



負けた……負けてしまった……

俺は膝から崩れ落ち、悔しさに涙を……



「僕が注意しなかったらルイスは序盤で倒れてたんですけど」

「う……」

「それに比べたら善戦できたと思いますがね」


すんません。判断ミスりました。





礫の雨が降ってからというもの、形勢は良くなかった。


ラグは魔力残量が少なかったが、礫の雨を凌いでいる間に辛うじて中級補助魔法を行使。


同じく魔力残量が少ないソマリに援護してもらいながら、俺と対峙していた相手を2人で協力し、倒しきったのである。


相手も抵抗したけど、ソマリが初級魔法をピンポイントで挟むもんだから大いに乱されてたな。



しかし、この時点でラグとソマリは魔力が底をついて疲労困憊だった。


そしてハイクは礫を逸らしている内に上級魔法を構築し、目の前で土壁に隠れている相手を攻撃した。


土壁もろとも”トルネード”で木っ端微塵に……とはいかないが引きずり出す事には成功したな。



しかし相手も土壁の中で上級魔法を構築しており、”トルネード”に襲われながらも魔法を行使。


俺とハイクの頭上に巨岩を精製し、猛烈な勢いで落としたのである。


さすがに防御魔法で耐えられるわけも無いため、横っ飛びで離脱。巨岩を避けはしたが礫の雨に晒されてしまった。


そこからは互いに礫の雨が降る中で剣術合戦を繰り広げたのである。まあ二対一だけど。



結果として、”トルネード”に削られていた相手が先に脱落。礫の雨で魔法残命が0になった瞬間ギブアップして難を逃れた。


俺達も勝ったはいいものの、礫の雨に晒され続けて魔法残命が1つまで減っていたのである。





……で、ケートス先輩は頑張っていた。


土壁に引きこもったエグラフさんを引きずり出すべく拳を振るい、強固な土壁を砕いたんだ。


しかし前蹴りで後ろへ下げられ、その間に再び土壁が形成される。次に砕いたら至近距離で”ヘイルストーン”を撃ち込まれたりと散々だった。



頑張った……ケートス先輩は頑張った。


礫の雨に削り切られる前に、なんとかエグラフさんだけでも倒そうと必死だった。



けど悲しいことに、叶わなかった。既に他の地轟メンバーから上級魔法で攻撃されていたため、残命が少なかったのだ。



もし満タンからであれば中級補助魔法で大逆転したかもしれないけど、それを構築する時間が足りなかったのである。



ってわけで……礫の雨が終わってからエグラフさんへ立ち向かったのは、疲労困憊のラグとソマリ、そして魔法残命1つの俺とハイク。


しかも俺は相手への嫌がらせに無駄な魔力を消費していた。ダメージ与えたけどさ、俺も礫の雨に晒されながら嫌がらせしてたんだし効率的とは言えないな。




そうして、頑張ったけどエグラフさんは強かった。結果としては敗退。


やっぱケートス先輩に中級補助魔法を使わせないと勝ち目が薄いんだよな。



それに、礫の雨が厄介すぎた。


あんなに広げたら無差別という欠点が出るけど、かなり行動を制限されるし防御手段を持たない者には致命的な攻撃である。


ともあれ試合が終わった後は、両チームが前へ出て健闘を讃え合う。



「お疲れっした!」

「……墓石が無駄になったか」


またまたぁ、元から用意してなかったくせに。


……だよな? 用意してないよな?



で、俺が嫌がらせした相手だけは殺意が瞳に宿っていた。


すんませんした!! って謝りながら観戦席へと戻ったのである。




次回・・・寂しい夜


ーーーーー


ル「俺達の対戦相手さ、一人行方不明になってね?」

ラ「礫の雨以降から消えてるな」

ハ「どっかのタイミングで倒したって事で」

ソ「扱いが雑すぎますよ!」


ーーーーー


すいません、地轟チームメンバーが途中から一人消えてました。


ま、まあ……礫の雨に巻き込まれ、いつの間にか脱落……って感じでお願いします。



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