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先駆者の導き  作者: 腹ぺっこ
第三章 人魔を渡る者
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3_19_個人戦 第一選抜 開始前

こんにちは。お久しぶりです。

前話の後書きにて次話のタイトルを「選抜」としていましたが、一話で完結出来なかったため変更させて頂きました。


というより……選抜だけで十話いくかも……避けたい……さっさとドリポート行きたい……






「本日は授業の前に告知があります」


ババロン先生による午前授業。その開始前に告知されたのは、対抗試合へ向けての出場者選抜についてだ。


対抗試合では複数人数のチームによる試合が本戦となり、その合間に個人戦で交流試合が行われるため、本戦に参加しない者達にも活躍の機会が出てくるのである。


チーム戦に関しては名門勢力が主役だから、参加を名乗り出る者は少ない。

しかしながら個人戦は申し込みが多くなるそうだ。


だから個人戦の選抜においては、まず数を減らす。そこから一対一の試合で勝ち残れば個人戦出場者となるのだ。そしてチーム戦の選抜は4チームになるまでトーナメント形式の試合が行われる。


で、今回の生徒会はチーム戦だけを申し込んでいるから、個人戦の選抜を手伝う予定だな。数を減らす一次選抜での限定的な手伝いだ。



どんな内容なのか挑戦者達に公開されるのは2週間後である。



・・

・・・



そんなこんなで2週間後、生徒会メンバーは訓練場へと足を運んだ。

ここで個人戦の第一選抜が行われる予定であり、明日は個人戦の第二選抜とチーム戦の選抜が予定されている。


ちなみに都歩きも先週に第二弾が冊子化され、学校内に配布されている。

そして今回は俺達の集めてきた情報が大注目されており、その内容は先日の休みで収集した魔具についての知識である。


ほとんどは授業で学べる範囲だけど、やはり選抜が近いと注目度も高い。

貴族が使う魔具については何も掲載出来なかったものの、色々と知れるのは特に新入生が喜んでいたな。それこそ魔具の使用許可申請に職員室を訪れる新入生の数が急増したくらいだ。


今回の選抜で俺達の掲載した情報を活用してくる者だっているだろう。高性能の魔具だからといって油断していると思わぬ反撃を受けるかもしれないな。



というわけで……今日は第一選抜の手伝いをするんだが、既に挑戦者達が集まっていた。

どんな選抜方法が待ち受けているのかと不安そうな者、逆に自信溢れる者、無表情な者と様々な顔ぶれである。



「すぐに始めるんですか?」

「そうなる。昼食の時間までには終わらせるそうだから、急いだ方が良さそうだ」


てなわけで控え室に移動すると、そこにはナイール先生が待機していた。


「さっそく始めますよ」

「分かりました」


なんだか俺まで緊張してくるけど、挑戦者達のほうが緊張度合いでは上だろう。俺達は選抜する側として今日ここに来ているんだから、堂々と振る舞わないとな。


そうやって自分の緊張を鎮めていたら、大声が聞こえてきた。



【紳士淑女の皆さんっ!! 血が滾ってるかぁい!?】



誰の声だ? やけにテンション高いけどゴルマック先生じゃないよな。

皆が怪訝な顔をしていると、ナイール先生が困ったような顔で教えてくれる。


「闘技場から実況者に来ていただいたんですよ」

「実況者って誰ですか?」

「マイカーという御方です。ゴルマック先生並みに騒がしいようですね」



うん、さっきの一声で分かったけどさ。


どうやら盛り上げ役と実況役を兼ねて呼んだらしい。


というわけで俺達の登場は10分後である。それまでに準備運動しながら打ち合わせを始めた。



「選抜の方法については先日説明した通りだ。あとは適度に動いてくれたまえ」

「「「「了解です」」」」



・・

・・・



「さあさあ準備が整ったようだあ!! 気張っていけよ挑戦者達いぃ!!」


訓練場に集まっている挑戦者達は全員が頭に布を巻いている。


だが、その色は違っていて全部で3色に分けられていた。赤・青・緑だ。



「今回の選抜方法は単純明快っ!! その鉢巻を5枚集めて戻ってくるだけだあああ!」


マイカーの大声に気圧されながらも、挑戦者達は顔を見合わせる。その顔つきは全員が敵であると認識したようであり、緊張感が増していた。



「制限時間は3時間だぞっ! それまでに集めて持ってきた奴から早抜けだ!」


今回は3時間の間に布……鉢巻を奪い合ってもらう。


移動できる範囲は"迷いの群樹"を除く学校の敷地内であり、5枚以上集めてから訓練場で待機している先生に通過料として渡せば、一次選抜通過となる。


挑戦者は全員で133人らしいけど、かなり減ってしまうだろうな。

それに規定人数が20人だから鉢巻きの総数ギリギリの設定である。



で、ルールが幾つかある。


一つ目、持ち歩く鉢巻は見えるように体の何処かへ装着し、訓練場で先生へ渡す際は必ず頭に1枚巻いておかなくてはならない。


二つ目、自身が頭に巻いているのと同色の鉢巻は通過料として扱えない。


三つ目、奪う手段は何でもアリだが無闇に相手を傷付けてはならない。もし度が過ぎていると判断されたら失格となる。


四つ目、屋内では魔法禁止。


五つ目、一度に奪える枚数は2枚まで。再度同じ相手から奪うには20分待たなければならない。


六つ目、悪質な行為であると審判に判断された場合は失格となる。



こんなところだな。違反行為が無いかどうかは職員が学校中に散らばって監視するらしい。



そして俺達の役目は……



「さあさあ!! ここでスペシャルゲストの登場だあっ!!」



マイカーの声へ応えるように、俺達は控え室から出て訓練場へと足を踏み入れる。


なぜ生徒会が? などという疑問の視線が多い中で、既に何人かは俺達の頭へ黄色の鉢巻が巻かれている事に気付いただろう。



「生徒会メンバーは執行者として動くからな! 気をつけろよっ!!」



そう、俺達の役目は失格を齎す執行者である。


制限時間までに鉢巻を集められなかったか、審判からルール違反と判断された場合が失格の条件なんだが、他にもあるんだ。


それは”鉢巻を頭に巻いていない状態で生徒会メンバーに捕まる”という条件である。


この捕まるというのは、触られた時点で適用されるんだ。



こんな条件が追加された理由としては、鉢巻の数が0枚でも失格にならないという点を、都合よく利用されないためだ。


0枚になったとしても誰かから奪えばいいだけの話なんだが、わざと0枚のままで訓練場に近付く通過可能者を待ち伏せする奴が続出するだろう。

訓練場に近付くからには通過料が揃っているという者が大半だろうし、いつかは獲物が近付いてくるからな。


もし誰かに見つかっても0枚なのだから放置されるし、怖いものなどない! という無敵状態になるのだ。



そうなると選抜の進行に支障が出るから、対策として俺達が協力する事になったのである。戦略としてはアリだが、リスクもあると覚悟してほしい。


まあ、頭に巻いておけばいいだけの話だ。そこまで厳しいルールじゃないだろう。



もっとも、0枚になった者は俺達の存在に怯えながら他者の鉢巻を狙わなければならない。ひとまずの安全圏を確保したいならば、1枚以上は所持しておくべきである。



ちなみに、俺達の鉢巻を狙っても構わない。色は選抜挑戦者達のとは違う黄色だから、これさえ頭に巻けば3色全てが通過料に含まれるんだ。



そして更に、タチアナ先輩だけは金色の鉢巻を仮面越しに頭へ巻いている。


いわゆるボーナスキャラという扱いで、この金色鉢巻を頭に巻けば、それだけで通過可能となる。



ただし……タチアナ先輩を見つけるのは一筋縄じゃいかないだろう。孤独スポットを知り尽くしてるからな。



あと、執行者は無抵抗で黄色鉢巻きを渡したりなんかしない。

奪われたら奪い返そうとするかもしれないし、もしかすると他の鉢巻きまで剥がされるかもしれない。


安易な気持ちで執行者に手を出すと痛い目を見るだろうから気を付けてもらいたい。


ただ、どんな対応をするかは執行者次第なので、案外マリとかは楽に奪えそうである。


覚えておいておくべきは、執行者から確実に狙われるのは”頭に鉢巻きを巻いていない者”という事である。それ以外は関わらなければ無害だろうな。




「それじゃ説明も終わったところで!! 生徒会メンバーから出発だあ!!」



まずは俺達が学校内に散らばる。職員は既に配置が完了しているそうだ。


で、続いて色毎に散らばってから開始となる。各15分間の猶予があるから、ちょうど1時間後に選抜開始だな。




そうして、とりあえず俺はラグと一緒に歩きながら向かう場所を考えていると、クリストフ先輩が近付いてきた。



「君達は向かう場所を決めたかい?」

「まだ決まってないです」

「クリストフ先輩はどうするんですか?」

「私はケートスと一緒に訓練場付近を徘徊するよ」



0枚で待ち伏せする奴への牽制として動くつもりらしい。


クリストフ先輩とケートス先輩を気軽に狙うような連中は少ないだろうから、徘徊し放題だろう。



というわけで生徒会の実力者2人は訓練場付近だそうだ。



「あと、君達に詳しく教えておこうと思う」

「「?」」

「挑戦者達の行動パターンと安全地帯についてだよ」



今回の一次選抜は早抜け制であり、頭に巻いているのと違う色の鉢巻を5枚以上集めて訓練場へ持って行き、先生に渡さなければならない。


ただ、この5枚以上という条件が肝となるそうだ。



もし挑戦者が赤色の鉢巻で開始した場合、基本的には青色か緑色を狙っていく方針となるだろう。



「ただ、もし5枚以上他の色を集めても、赤色を奪われては意味が無い」



つまり赤1枚に青6枚という所持状態であった場合、もし赤色を奪われると致命的だ。


青色しか残っていないのだから、それを頭に巻いても同色5枚は通過料に含まれないのである。


これでは訓練場へ行っても通過できない。青色以外を補充しなければ持ち腐れとなるんだ。



「だから合格の条件を崩されないように、3枚ずつ集めるのが理想的なんだよ」

「一回奪われてもギリギリ持ちこたえられるように、ってやつですね」

「手間っすけど」

「そう、安全策を設けるなら手間が増える。その分だけ制限時間内の通過が難しくなるだろうね」



腕に自信があるなら通行料5枚分だけで訓練場を目指してもいいだろうけど、そこまで自信が無いなら各3枚が無難か。



対抗試合に出場を申し込む者達だから腕に自信はあるかもしれんけどさ、相性とか不意打ちとかの懸念は残る。



「それで、安全地帯ってのは何ですか?」

「寮の部屋だよ」

「あ……たしかに」


自分以外は誰も入れない。たしかに安全だな。



「とはいえ篭っていては合格できない。休憩したい場合の用途だろうね」

「もしくはピンチになったら隠れるために利用するかっすね」

「その通り。だから寮の周辺で活動する者も多いだろう」



激戦区になるだろうから、いかに消耗を避けて一定量を集め、即座に離脱するかが鍵となりそうだ。


「ひとまずは、こんなところだ。他にも攻略法や抜け道が存在するだろうけどね」

「「了解です」」



これらを頭に叩き込んどいて、俺達も動き方を考えていく必要があるな。


クリストフ先輩が離れていき、とりあえず俺とラグは寮へ向かってみた。



もうすぐ挑戦者達も散開する頃合だが、どうすっかな……そう考えながら寮へ近付くと、誰かが屋上で手を振っていた。


「ハイクとギッさんじゃん」


真下まで近付いてみると、ハイクが屋上へ連れて行ってくれる。


「どう動くか決めた?」

「とりあえず寮に来てみた。クリストフ先輩から激戦区になるって聞いたからさ」

「会長か。間違いではないだろうな」


ギッさんが肯定してくる。ハイクとギッさんは激戦区で0枚狩りを予定しているんだろうか。



「俺とギッさんは牽制と監視だよ」

「へ?」

「あまり挑戦者が集まりすぎると不慮の事故が発生するかもしれんからな」



魔法の応酬が多発すれば流れ弾が飛び交って危ないだろうから、という理由らしい。


なのでハイクとギッさんが睨みを利かせて、こんなところに群がっていると0枚になった瞬間に捕まえるぞ、と脅すのである。



「あとは鉢巻を部屋に隠さないか見張ってるんだよ」

「え……アリなのか?」

「ナシだよ。安全地帯に隠すなんて悪質だからね」



安全地帯じゃなければ隠しても問題は無いが、寮の部屋に隠すのは駄目らしい。


あとは”迷いの群樹”へ鉢巻を放り込むなんてのも悪質な行為となる。誰も取りに行けないからな。


そういった行為が発覚すれば失格となり、対峙していた相手に鉢巻が譲渡される。誰とも対峙してなければ没収だな。



「追い詰められたから自棄になって鉢巻を燃やした、なんてのもダメだ」

「色々あるんだなぁ……」

「挙げればキリがない。だから各々の倫理感に期待したい」



俺達が出発してからの15分間で、悪質な行為の例を説明されているそうだ。


そういうわけで、俺達生徒会メンバーは審判的な役割も兼ねているんだな。

見咎めて失格にする権限は持っていないけど、こんな事があったと審判に報告すればいい。



・・

・・・



【それじゃ赤色から出発だ!! 協力するも単独で行動するも自由だからなっ!!】


マイカーの声が学校全体に響き渡る。どうやら放送を利用しているようであった。

と、ここでまたマイカーから情報が追加される。


「1時間毎にイベントが発生するぞ!! 覚えとけよお!!」



まだ屋上に留まっていた俺達は顔を見合わせた。



「なあ、イベントって何だ?」

「さあ?」


どうやら生徒会メンバーは誰も知らないようだ。ギッさんまで知らなかったんだから。


「おおかた選抜の進行度に合わせた特別措置だろう」

「ボーナス的な?」

「状況によっては、その逆もあるだろうね」


色々と盛り込んでそうだな。


なんて考えている間にもマイカーの喋りは止まらない。



【さてさてえ! 開始まで時間もあるわけだし、観戦者の皆さんを退屈させちゃあダメだよな!!】


闘技場で働いているだけあって、客に対しては退屈させないよう配慮したいようだ。

ここでいう客とは、訓練場に集まっている挑戦者以外の生徒達である。


【まずはこの俺を紹介っ!! 闘技場で実況者やってるマイカーだぜっ! よろしくううう!!】


うるせえな……


【そして今回は解説役としてイリーナさんを呼んでるぜ!! よろしくうう!!】

【よろしくお願いします】


はあぁ!?


「なんでイリーナが!?」

「さあ?」

「今日は昼の番が無くて暇なんじゃない?」



闘技場では感知できなかったから油断してた。まさかイリーナが登場するとは。



【イリーナさんは食堂で働く華の14歳!! 生徒会とも親しいようだから特別に呼んじゃったのさあ!!】

【みんな頑張ってね~。あと、ルイスは無茶しないでね】


「やめろおぉぉ!!」


名指しで忠告された俺の叫びが闘技場へ届くわけでもなく、開始前からダメージを負った。



【そして学校長にも解説役として参席してもらってるのさあ!!】

【よろしくね、うん】

【それよりゴメンね学校長! 先に紹介すべきだったよね!?】


ほんとだよ……偉い人を先に出すべきだろうにさ。


【気にしなくていいよ、うん。学校は生徒達が主役だからね。そして、そこで働く者達は私なんかより大事な存在だよ、うん】

【良いお話ありがとっ!! さてさて続いては執行者として活躍する生徒会メンバーの紹介だあぁ!!】



学校長の言葉を流しつつ、今度は俺達が紹介されるようだ。


【まずは生徒会長として君臨する紳士代表! クリストフ君!!】


紹介文が酷い……


【彼は一体どんな紳士なんでしょうか!?】

【クリストフさんは優しい印象があるかなぁ】

【そうだね。もし0枚で見つかったら、跪いて許しを請うのも手段だろうね】

【それは絵づらが酷いのでやめたほうが……】

【冗談だよ、うん。彼は真面目だからね、きっと容赦しないよ】

【見つかったら逃げろよぉ!! 無慈悲らしいぞおぉぉ!!】



今……クリストフ先輩が落ち込んだような気がした。気のせいじゃないはずだ。




【続いての紹介は……ケートス君だあぁぁ!!】



ケートス先輩の紹介になった途端、観戦者達の叫び声が聞こえてきた。

どうやら友人達から応援されているようである。


【さてさて大人気のケートス君とは、どんな人なんでしょうか!?】

【脳筋ですね】

【脳筋だね】

【……んなるほど!! それじゃ次いってみよう!!】



今……ケートス先輩が盛大にツッコミの言葉を叫んでいる気がした。気のせいじゃないはずだ。



【次はタチアナさんだ!! 今回はボーナスキャラですが、逃げ切れるんでしょうか!?】

【ここまで注目されると……絶対に見付からないと思うわ】

【うんうん、もう二度と会えないかもね】

【タチアナさん程々にね!? 行方不明者が出たとか嫌だからさあ!!】



どうしよう……本気で見付からない気がしてきた。気のせいであってほしい。


【次はギリク・ゼグノート君っ!! お偉いさんだあ!!】

【ギッさんという愛称で呼ばれる事があるの。ノリは良いけど生真面目な人でもあるわ】

【苦労性でもあるようだね。最近は疲れているようだよ、うん】

【ギッさん寝てていいよ!! 鉢巻は持って帰ってね!!】


「誰が寝るか!!」


ギッさんがマイカーの冗談に反応する。やはりノリが良い。



【さて次はルイス君だね!!】


きた……とうとう俺の番だ。


【ルイスは張り切りすぎると危なっかしいから、休んでてほしいわね】

【イリーナさんの意見に賛成だね、うん】

【不動を言い渡されたぞルイス君!! そこまでの問題児なのか!?】


「イリーナァァァ!!」


俺の叫びは虚しく響いただけだった。



【お次はハイク君!!】


ハイクの名前が出た途端、黄色い声援とブーイングが放送に紛れてくる。


【これは凄いですねえ! あのイケメン君かな!?】

【うんうん、この前の喫茶店企画で知れ渡ったようだね、うん】

【嫉妬する気も起きない、という定評があるそうです】

【もう既にファンが何十人もいるって噂まであるよ、うん】

【ただの噂でしょうけど、好意を寄せている人は多いのかも】

【誰か倒してくれえ!! もう選抜とかどうでもいいから!!】


おいマイカー……あんたは中立の立場で実況しろよ。

あと、どうでもいいとか言っちゃダメだろ。


「俺は隠れてたほうが良い?」

「鉢巻ごと爆破されそうだよな」


どうやらハイクは狙われてしまいそうだ。楽には倒せないだろうし、何人の脱落者が出るのやら。


【リア充は忘れて次の紹介だ!! え~と……ラグニーロ君!!】


「やっと俺か」


ラグが何か期待してるが、今まで碌な紹介してなかったじゃんかよ。


【ラグニーロ君はどんな男の子なんでしょうか!?】

【ラグ、って呼ばれてます】

【そうだね、うん】

【…………それだけ!?】

【あ、え~と……食欲旺盛……かな】

【騒がしい子なんだけどね、うん。あまり目立ってないね】

【騒がしいのに誰からも相手されない系男子だあ!! 気持ちは痛いほど分かるぞ!!】



「ちくしょう!!! 目立ってやるから見てろよ!!!」


執行者が目立ってどうすんだよ。



【気を取り直して次だ次っ!! ラグ君は元気出してね!】


「うっせえよ!!」


【お次はソマリ君!! どんな子ですか!?】

【とても真面目な人、って印象ね】

【怒らせると怖いらしいけどね、うん】

【ほうほう!! どれくらい怖いのか教えていただいても!?】

【……いや……思い出したく……ない……】

【私からも控えさせてもらうよ。まだ死にたくないからね、うん】

【危険人物だあぁぁ!! 見付かったら全力で逃げろよっ!!】


きっと今頃ソマリは憤慨してるだろうな……大袈裟に言わないでください! とか叫んでそうだ。


【お次はマリさん!! やっと女の子登場だあ!!】


タチアナ先輩も女子だっつの。


【さあさあ根掘り葉掘り聞かせてくださいなあ!!】

【良い子だけどね、うん……職員からは要注意人物として扱われているよ】

【鳩尾には気をつけてね】

【生徒会って怖い人ばっかりだああ!!】



俺達の評判が酷い方向に持っていかれてる気がする……

たしかにマリを相手にするなら鳩尾は守っとかないと詰むけども。



【おっと! ここで青色の出発時間だ!! 生徒会からは離れとけよ!!】


また15分経過したようだ。これであと30分後に開始だな。


【それじゃ次は挑戦者達の紹介いってみようか!! 今回の有力な通過候補者は……】



やっと生徒会の紹介が終わったようである。



するとハイクが爆笑しながら転げ周り始めた。


突然の行動に驚いていると、ラグも爆笑している。危うく屋上から落ちそうになるほどだ。



「え? どしたん?」

「まだ気付いてないのか」


と、ギッさんが呆れた顔をする。


「へ? 何が?」

「紹介されてないメンバーが居るだろう」

「ん~……?」





あっ……





「モーーーーーティーーーーーーー!!!」




彼は今……泣いているのかもしれない。



次回・・・個人戦 第一選抜 開始


ーーーーー

モ「個性の恵まれないキャラに愛の手を!!」

ラ「序盤から登場してんのに活躍してないキャラへも愛の手を!!」

マ「もう少し私に女子力を!!」

ソ「気弱という僕のキャラ設定が崩壊してます!!」

ル「みんな苦労してるな……」

ハ「だね」


ーーーーー


これでも頑張ってますが、キャラを活かしきるのは難しいものですね。


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