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先駆者の導き  作者: 腹ぺっこ
第一章 入学
16/217

1_14_いざ、交渉試合へ

ゲリラ投稿!

 



「天気は快晴! 試合日和!!」

「敵を倒せと血が騒ぐ!!」

「骨を砕けば心が躍る!!」

「いざ出陣!!」



俺達が生徒会員となった翌日。


朝からケートス先輩の部屋に押し掛けたのは、俺とラグとソマリとマリの4人だった。



「お前ら試合出ないだろ!」


先輩の突っ込みは正しく、俺達4人は試合に出ない。


昨日に襲撃された臨時会員達は魔法を封じられている。


どうやら魔具による魔力封じらしいが、詠唱不要で魔具は隠しきれるサイズなどを考慮するに、かなり高性能且つ高額な代物である可能性が高い。



条件は不明なので、いつ効果が切れるかは分からないとも聞いている。



ただ、そんなのを臨時の生徒会員6名分も用意するなど名門貴族ぐらいしか可能じゃないだろうな。



まあ、証拠が無いから誰が襲撃者なのかは保留だ。



「それより、あと1時間ぐらいで訓練場に行くからな」

「「う〜い」」



構ってくれないようなので、渋々だが部屋に帰る。



試合は訓練場で開催するらしい。


審判および会場の準備などは先生達が担当するようだ。


生徒会が試合参加者側なので、公平さを保つ為かな。



「そういや、ハイクはどこだ?」

「まだクリストフ先輩と話してるぜ」

「少しでも詰め込んでおきたいですからね」

「何を?」

「戦い方の基本やルールもそうですが、魔具などの準備もです」



昨日の打ち合わせで、ハイクを試合に出すのは認めてもらっている。


戦闘力が皆無らしい会計担当よりは、ハイクの方が勝率も上がるだろうと説得したのだ。



「私達は準備とかしないの?」

「なんの準備?」

「……応援、とか」

「もう少し自信持って提案しろよ」



てなわけで、ダラダラ過ごしてた。


休むのも大事だからな!




・・

・・・




「改めて見ると広いよな」

「それ以前の話ですよ」

「訓練場っつか、闘技場じゃねえか」

「いつの間に作り替えたの?」



俺達はクリストフ先輩達と一緒に訓練場へ来ていた。


試合に臨む為なんだが、入学式の時とは様相が変わっている。



屋外にあるという点は同じなんだが、殺風景で広いだけだったのに……



「この上で戦うのかな……」

「そうみたいだな」

「これは耐魔コンクリですね」

「よぼど強力な魔法じゃないと破壊出来ないよ」



耐魔コンクリとやらで作られたリングに、周囲は観戦席。


やっぱり闘技場と言った方が正しい見た目だ。



「観戦席は地系統魔法と備品の座席シートで作ったんだよ」

「どんな地形になるかは当日まで分からないってのが試合のルールだ」

「リングは耐魔コンクリで作っただけだね」



後ろから先輩2人が説明してくれた。



「シンプルっすね」

「新入生達も見に来るからさ。まずは基本的な立ち回りを見せたいんだろう」

「授業を中止にした分は学んでください、という意図なんですね」

「真面目か」



そういえば休みなのは昨日だけだったんだよな。


今回の一件が落ち着かないと授業どころじゃないってのは分かったんだが、この試合見学が授業の代わりなんだろうか。



「下見は出来た。基本の立ち回りで問題ないだろう」

「ハイク、準備は大丈夫か?」

「魔具は慣れてませんけど、大丈夫です」

「出来れば練習したかったんだけどな」

「すまない。他の場所を抑えようにも出歩くのは危険と判断した」

「仕方ないです。本番で慣れますから」



これから試合まで2時間あるらしい。


今が昼前だから、昼を少し過ぎた頃か。



暇を持て余すのも勿体ないから、観戦組の俺達で出来る事をやろうと思う。



すなわち……応援だ。



「振レー振レーッ!! ハッイックッ!!」


「イケメン! イケメン! ハイク!!」


「落とせっ! 落とせっ! ハイク!!」


「「「イエアァァァァ!!!」」」

「ごめん、うるさい」



応援は拒否された……せっかく考えたのに。




ともあれクリストフ先輩が試合の出場順を提出しに行き、そこらへんで待機していた。


すると、後ろから声が聞こえてくる。



「ケートスさん!」

「おう、お前らも応援に来たのか?」

「はい! 頑張ってください!」


臨時の会員達が俺達を見つけて近寄ってきたようだ。


朝は見当たらなくて、部屋に籠ってるのかなと思ってた。



けど応援に来てくれたらしく、ケートス先輩と握手している。



「先輩達なら勝てますよ」

「でも、今回の試合は3人出場ですよね?」

「おう」

「会長とケートスさんと……誰ですか?」

「こいつだ。新入生のハイク」

「ども」



お披露目された隠し玉のハイクは、欠伸を噛み殺しながら会釈した。


その仕草で不安になったのか、臨時会員の先輩達は微妙な表情をしている。



「大丈夫なんですか?」

「さあな。まあ、タチアナよりは目があるだろ」

「会計担当ですか。まだ一度も会った事ないんですが」


「あいつは人見知り激しいからな」

「まあ、僕達は臨時ですし仕方ないですね」

「別に正規の会員になってくれても良いんだぜ?」


「それは……少し考えさせてください」

「勿論だ。無理強いはしねえからよ」



襲撃されたとあれば怖いだろう。


そんなに軽い気持ちで生徒会になれるはずもない。


これからだって名門貴族達と正面から構えていくだろうし……ん?



「なあラグ」

「あ?」

「俺らってさ、生徒会入ったじゃん?」

「そだな」


「もしかしてさ、名門貴族に喧嘩売った流れか?」

「……あ」

「気付いてなかったんですか」

「ちゃんと考えて入らないと駄目よ」

「マリさん、君も同じ立場だからね?」

「えぇっ!?」



ちょっと恐ろしい事実を思い知ってしまったけど、クリストフ先輩が戻ってきたので控え室へと向かう。



臨時の会員達は観戦席へ向かったようだ。


一緒に来てくれないのか。



「名門に目を付けられるのが怖いのだろう」

「それは仕方ないですね」

「今後の課題となるだろう」

「正面から向かい合えとまでは急いて言わないが、気兼ねなく学校生活を過ごせるようにしていこう」

「「「はい!」」」



各々が自由に時間を潰し、いよいよ試合が近付いてきた。



「行こうか」

「俺達は観戦席っすか?」

「いや、待機席に来ると良い。そちらの方が見やすいだろう」



そう言われたので付いていく。


控え室から出ると、すぐ近くにある訓練場から、ざわめきが聞こえてくる。



「盛り上がってんな」

「趣向としては中々に豪華だからね」

「一般と名門貴族の戦いか」

「生徒会長の座をかけた戦いだね」

「これで負けても奪われはしないが、遅れは取るだろう」

「気を引き締めてこうぜ」


訓練場のリングを横目に、近くに設置されてある待機席へと座った。


観客席からは見下ろされる形であり、なんだか息苦しくもなってくるな。



「緊張してきた……」

「ルイスは試合に出ないんですから、気楽に構えましょうよ」

「そうよ。なにか摘みながら観戦しましょ?」

「それは気を抜き過ぎだろ」

「俺が解説してやるから試合を見てろよ」



ケートス先輩が出番じゃない間は解説してくれるようだ。


実際見ただけだと分からないだろうから有り難い。



「1番手はハイクですか?」

「てか試合ってどんな流れっすか?」

「相手の情報とかも知りたいです」

「待て待て、一度に説明できねえよ」


てことで順番に聞いてみると、1番手ハイク、2番手ケートス先輩、3番手クリストフ先輩らしい。


試合は総当たり戦とあるが、実際は少し変わってくる。


チームは3つあるわけで、生徒会、ローレライ家、ゼグノート家だ。



「まずは生徒会とローレライ家の勝負。次がローレライ家とゼグノート家の勝負。最後に生徒会とゼグノート家の勝負になる」

「1人余りますね」

「この3試合が終わった時点で勝ち星の多いチームが優勝だが、並んだ場合は3人目が試合となる」


各チームの3人目全員でバトルロイヤルとなるらしい。



「出場順も大事ですね」

「だな。強い奴残しても先に連敗したら意味ないしな」

「てことは、クリストフ先輩が3番手で良いんすか?」

「出来るだけ会長の魔法は見せたくないからな」

「?」

「今後も試合の機会があるからでしょうか」

「手の内を出し切るのは避けたいんだろうね」


ともあれ、リングの上にチームの代表者が上がっていく。


クリストフ先輩と、名門貴族の旗頭達だ。



学校長もリングに上がり、拡声器らしい道具を持って開会の挨拶を告げる。



「では、これより生徒会との交渉試合を始めます。ルールは3人チームでの総当たり戦。3試合後の勝利数にて優勝を決めますが、並んだ場合は最後の1人で複数戦となります」


正々堂々と試合を行うようにと締め括り、代表者達が握手を交わす。



ローレライ家の代表……旗頭は新入生だ。


女の子で、金色のショートカットに蒼色の瞳が映える。



勝ち気な表情は流石名門貴族というイメージを感じてしまうが、顔自体は美少女であるため嫌な感じは持てないな。



「こうやって見るとマリも可愛いんだな」

「対比して、初めて分かる、新事実」

「今まで女子生徒は見た事あるでしょうが」

「やっぱ名門って基準は大事だと思う」

「名門と顔は一致しませんよ」


一方、ゼグノート家は荒々しいイメージがある。


赤い髪が重力に抗って逆立っており、さながら炎のようだ。



瞳は細く、眼光は鋭い。


顔立ちは中々だが……



「うちのイケメンには負けてるな」

「だな」

「名門とやらも、この程度か」

「なんで偉そうなんですか。顔は関係ありませんって」


握手が終わり、各々が待機席へと戻っていく。


そこまで時間を掛ける事無く第一試合が始まるようだ。



「ハイク! 気張ってけ!! けど漏らすなよ!!」

「お高い鼻をへし折ってやれ!!」

「もう少し応援に品性を持ってください!」

「あはは、行ってくるね」



ハイクがリングに向かい、相手チームの対戦者も上がってきた。


だが……



「……え」

「マジか」

「ケートス先輩! これって……」

「意図が見えん。本気なのか、小手調べなのか」



対戦相手はローレライ家の代表……旗頭だった。



やっとバトル展開ですよ。

ここは一気にいっちゃいます。

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