魔導皇
俺は今感動の嵐に包まれている。
念願の新魔法【召喚魔法】の成功。異世界無双計画、その一歩が
今、確実に歩み始めた。
とは言え流石に魔族しかも最上級悪魔の証である角がある
最高魔導師ですら震えている。イニスに至っては腰が抜けたのか
座り込んでしまった。
一方俺はと言うと全く気にせず冷静だった。
まずこの異世界にも魔族が居るのは知っていたし、最上級悪魔は名ばかりの存在と言う程度の知識だが前世で悪魔関係とかは色々知っていたからな。
女神○生シリーズとかでな!やり込んだとも!
何より術式の成果かしっかりと頭を垂れ傅いている。
その姿を見た時から俺は、不安や恐怖など一切ない。
取り敢えずは名前があるかの確認だな。
「お前の名前は何だ?名があるなら教えてくれないかな?」
傅いたまま少女は答える。
その声は少女にしては妖艶で声だけで魅了されそうな美しい声をしていた。
「我が主よ、我に名は無い。故に名を頂いても宜しいか?」
「名無しか、なら周りにどう呼ばれて居たか教えて貰えないか?参考にしたい」
最上級悪魔と言うだけで実は無名の謎の悪魔のようだ。
特に警戒する必要はやはり無さそうだな。そう結論付け安堵する。
「周りからは『ゲーティア』『レメゲトン』そう呼ばれて居ました。」
俺はその名前を知って暫く言葉を失う事になる。
レメゲトン、ソロモンの小さな鍵と呼ばれ72柱の悪魔を召喚及び使役した魔術書の名前だ。ゲーティアもきっとソロモン関連だろう。もしかすると大いなる鍵の別名だろうか?考えるにつれ冷静になってくる。
偶然のはづだ、ここで前世でのソロモン王にまつわる話が出るのは可笑しい。
だが注意、考察は必要だろうな・・・。考えられるのは前世で召喚した悪魔は
この世界の住人だった・・・こんな所か?保留だ保留!解らん!今は名前だ!
「そうか・・・そうだな・・・どうせなら可愛らしい名前の方がいいからな、
よし決めた!お前の名前は【アリス】だ!」
ソロモン王の魔術書の一つとされる、アルス・ノヴァその名をもじって
アリスとした。短絡的だが可愛い名前だと納得する。ネーミングセンス
とか無いしな!
「かしこまりました。では今から私は【アリス】です。」
「アリス早速で悪いが命令だ。これからは俺をご主人様ではなく、普段は
兄だと想って接してくれ、後基本的に敬語も禁止だ。いいか?」
一見するとただの美少女だ。そんな子に敬語で畏まられると周りの視線が痛い
のは明白だからな。俺の精神衛生上こは譲れない。
「解りました、お兄様」
嗚呼、これは思いの外ありだ・・・。妹欲しかったんだよね・・・。これでいこう!
「アリスその角って魔法とかで隠すとか出来ないのかな?流石に怯える人が
出て来るからね。出来るなら隠したいんだ」
「魔法で隠す事が可能です。お兄様」
大丈夫みたいだ。これで何とか日常生活も安心だな!やったね!余計な騒動が減るよ!
「じゃあ頼むよ。後取り敢えず起ちなさい?普通にしてればいいからさ」
優雅に微笑み立ち上がり一礼をした。う~ん、これぞ魔性だな!
さてと、導師とイニスを何とかしようかね。
「導師。召喚魔法は成功です。ご心配お掛けしました。」
俺の声を聞いてやっと安心したのかやっと我に返る。
「あ、嗚呼、そのようじゃな。だが気は抜かぬ様にな?何分始めての事じゃ」
「そうですね。気を引き締めてしっかり、主として【管理】致しますよ!」
導師はその言葉を聞いて神妙に何度も頷いた。どうやら伝わったらしい。
これで一先ずは安心だ、何かあってもきっと助けてくれる。さて・・・後はっと
泣きそうな顔で震えながら俺を見つめて来る。縋って来る子犬の様だ。
イニスはまだ腰が抜けて動けないみたいだししっかり起てないだろう。
そう思い俺は伝説のお姫様抱っこをした。それなりに鍛えているし
楽々持ち上げる事が出来た。
俺はイニスの匂いが好きだ。大好きなのだ!
まだ怖いのか普段なら真っ赤にしながら暴れるんだろうけど、今回は違う。
しっかり俺の首に手を回ししがみついて来る。実に可愛い。
「じゃあ戻りましょうか。導師、アリス」
こうして、『魔導皇』としての最初の一歩を踏み出すのであった・・・・・・
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