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婚約者?

ここはウィーラント領の要、魔法都市モルハデス。




平原に囲まれ碁盤の様に区画整理された町並み。

近くの大河イルミスを使い王都との交易を盛んに行い港として使われている。

牧畜と農耕が盛んな穀物地帯でもあり一大商業都市でもある。

極めつけは魔術ギルドの総本山があり魔術の塔が5本建設されていて、

ウィーラント領の主力騎士団魔装騎兵『グランドハデス』が都市近くの城塞に駐屯している。

もうこの都市だけでいいんじゃないかな?マジで。




そして俺はそんな魔法都市の主であるウィーラント公爵の館の門の前で呆けている。デカイ!門がすでに巨大だ。何と戦うつもりなんだと言いたくなる。


館入り口の広場に降り立ち馬を預けまたしても呆けてしまう。

大聖堂と豪邸を併せた感じのなんとも不思議な感じだが美しいと思った。


「バルカ。ここが私の家になります。どうぞご遠慮なくお寛ぎませ。」

優雅に一礼して迎えてくれるイニス。その様に圧倒された。

「あ、ああ、こちらこそ宜しくお願い致します。イニス様」


丁寧にだが緊張して変な敬語になってしまった俺に微笑んで言う。

「大丈夫よ。バルカ貴方は普段通りでね、それにお父様からはしっかり無礼講の許可も頂いていますから。」

「お心遣い感謝します。」


それが精一杯の言葉だった。


扉を開けた光景に俺は今度は絶句する。

左右に並んだメイドと使用人。真ん中で控える執事と思わしき人

そうここは紛れもなく公爵家の館なのだと痛感した。


威風堂々と俺の手を取り我が家を軽やかな足取りで進むイニス

立ち止まってしまった俺を気遣い引っ張ってくれたんだ。


その姿に一瞬、執事は顔を変えた気がしたがすぐに笑顔になっている

気のせいかな?てか駄目だわ、いっぱんぴーぽーの家庭で育った俺には神々しすぎる。場違い感が半端じゃない。SAN値が減っていくぞこれ!


「ただいま戻りましたわ。ブルーノお父様はどちらに?」

どうやらあの執事はブルーノと言うらしい。覚えておこう。


「ご案内致します、お嬢様。バルカ様もご一緒にどうぞ。」

優雅に微笑み、俺に軽く会釈を送り誘う。


この執事も優秀だな。俺は待ってるべきだろうと思ったけど

正確に俺の意図を読みとったようだ。

カインも護衛騎士達もそうだが優秀な人材が揃っているようだな。




廊下を進み大きな扉開けると食堂か?と思われる広さの居間にある男性が立っていた。


俺が声を出そうとしたその瞬間

「よこうそ来てくれた。バルカくん。私がこの館の主オスカーだ。歓迎するよ」

優雅に微笑み平民の俺に対して手を差し出し握手を求めた。


これには俺も執事も驚いた顔をしていたが、イニスは平然としている。

なんとか握手をする事が出来たか俺はすでに帰りたいと本気で思った。

精神が死ぬ・・・。これは吐く!本当に!

とか思っていると。


苦笑を浮かべ笑いながらいった。


「いや、すまないね。長旅ご苦労だった。まずはかけ給え。」

「し。失礼いたします。」


そう言って俺はふかふかのソファーにかけた。


「ブルーノ。紅茶と茶請けを用意してくれ。」

「承知致しました。旦那様。」



そしてイニスが俺の隣に座った。

それを見て笑い声をあげて言う。


「なんだ!イニスはバルカくんの事が大層気に入ったようだな!結構な事だ!」


そう俺とイニスが同じ場所に座るのは可笑しい、座るなら反対のはずなのだ。

横を見ると真っ赤にしている、が、動く気は無い様だ。恥ずかしくて動けないんだろうな。




「いや。すまないなつい笑ってしまったよ。さて本題に移ろうか君を呼んだのは

他でもない。・・・・・・まずは鐙の事だ。単刀直入に言おう、

本格的に導入して行きたいと思っている。その上で君への報酬の話だ。」


なるほど。鐙の件かでも律儀な人だな一応は確認しておくかどう言う人柄か知りたいしな。

「失礼ですが、報酬とか許可を取らずに導入してもよかったのでは?」

「ふむ。もっともな意見だ。だが私は鐙の件はカインから報告を受けているし他の騎士達からも君の発案だと知っている。間違いないかね?」

「はい、確かにそうです。間違いありません。」


鋭い顔付きになり応えてくれた。

「ならば、私の判断に間違いはないよ。平民だからと言って功績を奪うような『屑』になるのは私はごめん蒙るよ。それにそんな事をしては娘に嫌われてしまうからね。」

と最後はイニスを見て笑顔でそう応えた。


「大変失礼致しました。」

俺はそう言って深々と頭を下げた。

「構わないよ。『そういった事』をする者達は私はよく知っているからね。疑問に思うのも当然だろう。」


尚も頭を下げ続ける俺に更に言葉を重ねる。


「私は不機嫌になってはいないよ。むしろ君の慧眼に驚いた位だ。ただそれだけの事だ、頭を上げ給え。じゃないと娘に嫌われてしまうからね。」

と優しい言葉をかけて笑ってくれた。


本当によかった怒らせたと思ったからな。無礼打ちとか洒落にならん。




「では改めて、報酬の件だが色々と調べさて貰った結果。金銭と言う線は消えた。ならば欲しがったと聞いた奴隷とも考えたが駄目みたいだね。」


奴隷を欲しがったと聞いてイニスの顔が鬼の様な形相で視線だけで人が殺せるんじゃないかと思う様な冷たい目で俺を見る。当然だろう。

男が奴隷を欲しがる=女の奴隷=性的な目的の為、こんな連想は容易いし否定も出来ない。だがこれは不味い。だがここで反論しても駄目だろうな・・・。


そんなイニスを見て笑い誤解を解くように言葉を続ける。


「奴隷の所持は母君の許可が無いと持てないみたいだし、そこでだ・・・」

奴隷を持てないと聞いて笑顔になるイニス。本当に怖い・・・。

「君に爵位をあげて私の将来は部下にと思ったわけだが・・・」


爵位を下賜し部下にって言葉でイニスが反応した。

「それはいい考えですわ!お父様!是非私の護衛に!」

だがすぐにイニスは落胆する事になる、すぐに真っ赤になるけどね。


「それは余りにも愚策であったと私は思った。」


良かった、自由が無くなると思ったよ。やりたい事が多すぎて手が足らないんだよね!そして俺も次の言葉で言葉を失う。







「そこでだ。私は代案を考えた訳だ。バルカくん。イニスを妻にする気はないか?」




さて、どうしたものか・・・。

評価頂けると嬉しいです。何分超ライトノベル風?ですので・・・。




もう1話いけるかな?

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