刻印
俺は今一つの手紙を受け取っている。
封蝋がされている辺り高貴なからの手紙だと解る。
差出人はイニスだ。正確にはウィーラント公爵からお誘いだ。
超訳するとこうだ。
「娘とカインを初めとした護衛騎士数人送るから俺の都市に遊びに来いよ」
拒否権はない。平民としての発言力は両親の力もあり伯爵クラスだが公爵は無理。
ならばやる事は一つ!モルハデスまでの道程を記録してやんよ!
「って事でイニス出来たらゆっくり向かって欲しいんだけど頼めるかな?」
「はぁ・・・何が楽しいかわ解りませんが構いませんわ。カインに伝えておきます」
「流石イニスいい女だ!」
と思わず抱きついてしまった。やりすぎたかなと心配したが杞憂だった。
「・・・・・・・・・・・・・・。バカ・・・。」
真っ赤にして照れてた。ご飯7杯はいけそうだ。
「流石はバルカ様ですね。感服致しました。」
「それはどっちの意味での流石かな?カイン。あと敬語!」
苦笑を浮かべ答える。
「もちろん。両方ですよ?」
両方か・・・やるじゃねーかイケメン!
護衛騎士の一人が一礼をして告げる。
「お嬢様馬車の用意が出来ました。バルカ様もこちらへどうぞ。」
「あ、すまないイニス俺は黒王に乗って往きたいんだが構わないか?」
「べ、別にかまいませんわ!ご随意に!」
なして怒った・・・。
あ!一緒じゃないのが嫌だったのか?可愛い奴め!しゃーねーから道中話しかけようじゃないか!
「申し訳ないけどカインよろしくお願いします。」
「ええ。構いません。お任せくださいバルカ。本当に貴方は愉快な方だ。ですがその右腕に付けているもを是非詳しく知りたいものですね。」
流石に聞いて来るか仕方ないかこればっかりわ。
「勿論だよ。カインでも道中でいいかな?」
「承知致しました。」
こうして俺はモルハデスへと向かった。
「では、そろそろ宜しいですか?バルカ。」
「あーそうだね。これはね弓なんだよ。」
「弓?ですか・・・ふむ・・・。」
正確には弓ではなくクロスボウだ。
ただし魔力剣を発動する事が出来る。地図作成のさいの装備として作った護身用の武器でないよりは増しとして剣を仕込んだのだがすぐ折れた。
そこで試行錯誤のすえ魔力剣を発動出来るようにした訳だ。
常時発動でもないので消費魔力も少ない。魔力量によっては短剣から長剣にもなるチート装備だ。安全対策として俺しか発動出来ない様にしている。
そもそも剣の形に魔力放出を行い留める事が出来ないだろうけどな。
「変わった形のものですね?みせて頂いても?」
「うん。構わないよ?はい、どうそ。」
お。軍人の顔に戻ったな~すっげー観察してるなまあ仕方ないか。
「なるほど。矢を番えフックを引き放つか・・・ハンドルを回して弦を引くわけか!
これは凄いな・・・」
ただしそのハンドルは固いよ結構力が必要だ俺は付与魔術のお陰で楽に回せるけどな!
「バルカ使ってみても!?」
「じゃあ矢を幾つか渡すよ。」
「すまない。」
嬉々として矢を受け取りハンドルを回し矢を番え馬を走らせる。
その先にはゴブリンが4体。可哀想に出て来なければやられなかったのに。
戦闘時間2分ちょいか・・・本当ならもっと速いんだろうけど流石に馬上弓は難易度が高かったみたいだな。と評価を下す俺。
「バルカ!ハンドルが重いぞこれ!だがこれは凄いな!射程距離は幾つ位なんだ!?」
テンションすげーなーキャラ違ってるやん!?
「え、えっと。その大きさで120m弱かな・・・」
「何!120mだと!」
護衛騎士達もこの言葉に驚きの声を上げる。
弓の有効射程が大体50mだ。それを考えると破格の射程距離になる。
驚いて当然だろうな。
「ちなみに量産は出来ないよ?それは『刻印』を施しているからね。僕にしか作れないし同じもが作れるか解らないからね。ごめんね?」
これは本当でもあり嘘だ。『刻印』魔法陣の開発中の副産物。
魔力を込めて魔術言語を今回で言えばルーン文字を書き込む。
刻印はルーン文字で出来ている。魔術言語では干渉が起こるだからそれを防ぐ文字の造語が必要になった。そこで俺は新しい文字をいっそ使えばいいんじゃね?
と思いまっさきに思いついたのがルーン文字だった。
但しこのルーン文字オリジナルを超える文字数を俺は生み出した。現在72文字だ。
新しい技術が使われているので同じもの作れないから『諦めろ!』と
俺は無言の圧力を放つ。
「そうか、なら仕方ないな諦めよう。ありがとうバルカ。」
苦笑、落胆、警戒、喜び色々な感情が混ざったであろう表情で返してくれた。
「本当に君といると飽きないよ。」
「私をのけ者にして・・・」
あとでしっかりイニスへのフォローをしないとな。
そう思う俺がいた。さてどうしよう・・・。




