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Thùndï-Æthàltâ  作者: 篠崎彩人
最終解「五分の魂」

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第日環「ハク」

 <あ、パパこんにちは。今回もよろしくお願いします>と畏まった彼女のセリフの後、今回の異世界事案が始まった。「ここはヒノモトだね」と言う解説付きで分かったのだが、今回は私の創った世界に移行している様だ、つまり、ヒノモト地獄だ。

「ハク…」

 一言ヒノモトについて触れただけで、彼女はまた新しい言葉を吐いた。ハクとは吸う、吐くとしてスゥと対応する言葉に思えるが果たして彼女がこうも深刻な表情をしてまでそれを呟いた真意は何処に在るのだろう。普段おちゃらけた雰囲気を醸しているスゥだけに余計心配になる。

「ハク? どうしたんだ、珍しく重たい雰囲気を出しているじゃないか」

「うん、そうかもね。まず響きとしてハクはヤバイよ。私の正反対の遺言名を語る別個体について考えた事は有ったんだ、やはり居たね。多分ハクは三次殺しのバベル方面じゃないもう一つの意味、痕跡潰しに強い興味を抱いている。このデスゲームで何より怖いのは強者の自殺なんだ、今まで参加もせず死んで行った言っちゃ悪いけど弱者サイドな面々のそれはまだいい、でもハクはおかしいよ。もし向こうが勝ち上がって私達の人類の為に、って想いを引き継がず自殺されたら何もかも終わりだ。そして、ハクは勝利の後それを実行しようとしている可能性が有る、このニノ本人のデスゲーム会場を渡り歩かなきゃならない特別編、そして恐らくは最終局面において」

「そう言う考えが有ったのか」

「ごめんね、可能性でしか無かったから今まで共有はして来なかったんだ、変な心配を掛けたくないと思ってね。それにこのタイミングで遺言名が共有されるだけあって向こうの機ィ体名もそれなりだね。ジィゴク、だってさ。The・国なのか地獄なのか分からないけど、何か不穏な名前だ。私の予想通りなら、この三次殺しと言う星に死する静寂の国を完成させようと言う(くろ)い思惑がその裏に在っても良さそうな仄暗さを感じる。勿論ヒノモト、アメリョッカ、フラニシュ、ジィゴクのどれも私達の遺言名と違って本人が名乗りたくて名乗る名では無いんだけど、抱える因果の重さはその響きからどの道発生してしまう物だからね」

「飛行機の機長の自殺、だっけか。そう言う概念有るよな、道連れにして死なれてしまうとどうにもならないって奴」

「それに限り無く近い肌感覚は有るね。勿論今まで述べた事は私達が敗北しなければいいだけの話だよ。ちょっとハクには吸う(スゥ)を名乗る者として言いたい事が山ほど有る。こんなとこでは終われないよ」

 肌感覚と言う言葉を選択した彼女に違和感を抱く。そう言えば、何処となく世界に結びついていないと言う半透明な印象の彼女の透明感が無くなっている。

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