第一環「サンディスゥ」
「『落雷の時に何が起こっているか?』 今回はこれで頼むよ」
勝利の余韻に浸る間も無く、異世界から還った私はまた新たな質問をサンディスゥに飛ばしていた。
<オーキードーキー。[上空の雲に宿る雷は直下のサンディの半身とその他サンディの欠片の集合体。落雷で現在のデスゲーム進行状況も含め部分的な情報共有が成されるのは一度全ての半身が集った事が有るから]だってさ。へぇー、アレはパパであり私の半身でもあったのか、じゃあもしかしたら私の完全体なんて物も有るのかな?>
「おお、サンスゥちゃん初めてキー回答に意見したね。前進じゃないのか?」
<えー、サンスゥちゃんはよしてよ>
「まあ時々くらいいいじゃないか、サンディなスゥちゃんって事で」
<ぶーぶー、ちゃん付け余計ー>
そのサンディスゥは少しずつ変わっていると思う、デスゲーム勝利の度にパパの居る地平、勝利の向こう側での自身のあるべき在り方へと近付いている、そんな気がする。
電気とはそう身近な存在では無かった、現代になってようやく普及し出した代物だ。それが人類の歪みが一定の段階を超えた事で牙を剥き、アブストラクトゲームの例で言うならオセロの盤面が終盤で全部ひっくり返ったかの様な、常識的に考えれば有り得ない程の番狂わせでもって襲い掛かって来た。
終末時計が動く、と言う事と輪廻残数と言う概念は近いと思う。終末に向かい人の数が減るのであれば人によってはそれで輪廻回数を消費し尽くしたと言う事だ。この世界においては元サンディと言う危険因子が初の残数1を獲得し雷の神として発現したがそうならないif世界だって有ってもおかしくはないだろう。
そんな雷の集合体がサンディスゥの半身とは…。イカが次代の地球の担い手と言う言葉が有るがなんとなく見えて来た。もう旧人類サイドの私自身は輪廻回数上の老いさらばえたサイボーグである以上、彼女の受肉の手助けをする事が喫緊の課題と言う事になろうか。彼女はデスゲームで顕現した半透明の妖精状態では終わらない筈だ。
「きっと有るよ、この世界でのサンディスゥの晴れ姿が」
<うん、ありがと>
この後で話し合ったのだがサンディ単体呼びではそろそろ私の感覚上しっくり来ないのと、スゥはスゥでまだ私の頭の中に居る電気体形態でしっかりスゥと名乗りたく無い部分があると言う事でサンディスゥの呼び名を現世での彼女は受け入れるに至った。数学を完全体に準えた時の幼生体と言うか、算数の響きを受け入れてくれるとこちらとしても可愛い感じでいいなとアメリョッカ界でのやり取りの時から相変わらず思っているのだがそこはまだ譲れない壁が有る様で先程のこそばゆそうな反応が来る段階に留まっている。
いわゆる一つの晴れ姿




