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 カノンとノアのことを聞いたりあたしのことを聞かれたりとしている内にあっという間に時間が過ぎてお昼の鐘が鳴った時に三人で焦ってしまった。


「あ、絵!! どうしよう怒られちゃう!!」

「ああ、大丈夫。お昼に集まるのはお昼ご飯食べるからだよ。今日は夕方まで描いて明日以降シス先生から順番にアドバイスもらうんだ」

「本当?」


 今までシスに怒られたのって最初に来た時にこっそり散歩に出た時だったけど、さすがに参加すると言ったのに一切描いてないのは怒られるかもしれないと恐る恐る聞いたのに2人は本当だよと頷く。


「色まで塗ってたらもっと時間掛かるし」

「そうそう、本当よ。夏休みの間は何枚でも描いてアドバイスもらうんだけど、前に面倒くさがって一枚だけをずっと描いてますってしてた奴居たよね」

「そうね、それで珍しくシス先生怒っちゃって」

「へぇ」


 2人と一緒にシスのところに戻ると何人か既に戻って来てシスに紙を渡してからお昼に家に戻ったり、適当に近くのお店で食べたりしている。


「アリシアいいの描けた?」

「まだ」

「先生! 僕たちアリシアと食べていい?」

「いいけど」


 シスがこちらを見て来たので頷く。


「それならいいよ」

「やった!」

「先生も一緒がいい!!」

「はは、カノンは元気だね。先生はまた別の機会にするからみんなで食べておいで」


 カノンが元気よくシスも誘っていたけどシスはあたしたちの頭を順番に撫でるとゆっくりと手を振って見送ってくれた。


「まだ戻って来てない子がいるの?」

「?」

「アリシアは初めてだから知らないよね。たまに描くのに夢中になって鐘の音が聞こえなかったり」

「シス先生に迷惑掛けたいのかいつまでも戻って来ない馬鹿とかね」

「あれは遊びに夢中になって夕方になるまで遊んでただけじゃん」

「それはそうだけど……」


 なるほど。シスは先生だからそういった子たちもあそこで待つ必要があるから来ないのか。


 それなら朝にご飯は別か適当にその辺のお店で買って来てとか言っといて欲しい。


「あたしシスにご飯買ってくる」

「わっ! 賛成!!」

「えっ、アリシア?!」


 とっさに走り出したらカノンがが嬉しそうに着いて来た。


 ノアの声は遠ざかって行ったから着いて来てないと思ったけど、途中から足音が増えたのでなんだろ? と後ろを見たらノアも着いて来ていた。


「すみません! 持ち帰りで何でもいいから1つください!!」

「アリシアだめよ。みんなで食べるんだから4つって言わなくちゃ。すみません4つに変更で」

「えっと、お金お金……」

「アリシアも出す。先生の分はみんなで出すでいい?」

「うん、それでいいよねアリシア?」

「えっ、あ、うん」


 さくさくと決まっていくのでうっかりしていた。慌ててお財布を取り出してお金を出す。


「勝手に決めてごめん」

「何で? あたしだってシス先生と一緒に食べたかったから寧ろ嬉しいけど」

「カノン多分そうじゃないから。次からは行く時はもっとゆっくりにしていきなり走り出すからびっくりしちゃったよ」

「ごめん」


 あたしならばいきなり走り出したら怒りそうなのにこの2人は優しい。


「出来たよ。お金はこれ?」

「あ、はい」

「……うん、こっちはお釣ね。三人でお使いかい? おまけ入れといたから後で食べな」

「はーい。じゃあ、行こ」

「おばちゃんありがとー」


 別にお使いじゃなかったんだけど、訂正しなくてよかったのかな?


 2人が先にお店を出て行ってしまったのであたしも軽く会釈だけして店を出た。


「シス先生のところ戻ろー!」

「カノン走ると危ないぞ!!」

「平気!!」

「そう言ってこの前転んだの誰だ」

「あたしー!」


 元気いっぱいに答えているけど、だめじゃん。ノアも呆れてるし。


「あれでもいいところはあるから」

「そうなのね」


 ノアは何かとカノンの尻拭いでもしてるのだろうか? 何か諦めというか哀愁が漂っている気がして聞いてみると2人の家は隣で赤ん坊の頃からお互いを知ってるんだそう。 


「でも、この通りの子たちってお互い知り合いみたいなもんでしょ? それよりも仲いいような」

「まあ、みんな知り合いみたいなもんだけど仲よくない子とかもいるし、年が離れてると名前だけしか知らない子とかもいるからね。この通りで11歳なのは僕とカノンだけだし」

「えっ、そうなの?」

「うん。そういや聞いてなかったけどアリシアはいくつ?」

「あたしも11よ」

「シス先生ー!! お昼! お昼買って来たから一緒に食べよ!!」


 あ、カノンってばもうシスのところに着いたみたいで早速シスに声を掛けているのが聞こえてくる。


「あたしたちも行きましょ」

「あ、うん」

「わー! これみんなで買って来てくれたの?」

「はい! あたしとノアとアリシアの三人で買って来たんです」


 シスの声も聞こえる。ノアと一緒にシスのところまで走る。


「シスが食べに行かないんだったら一緒に食べたくてあたしが言ったのよ」

「お金はみんなで払いました」

「そうかそうか。みんなありがとうね」


 ニコニコしながら袋を開けるシスにそういえば何買ったんだろと今さらながらに気になってきた。


 適当なお店に入ってオススメを持ち帰りでって頼んじゃったのよね。


 サンドイッチかな? でも、最近サンドイッチばかりだったから違う物がいいな。


「何が入ってるのかな……ポテトと魚のフライだ」

「しかも四人分」


 おまけで入ってたのはチーズと途中で味が変えられるようにか乾燥パセリ。


 おいしそうだけど、さすがにこればっかりは飽きそうだ。


「あたし家から何か持ってくるよ! 果物があるから」

「あ、じゃあ僕も行く。これ手で食べたら油でぎっとぎとになると思うからナイフとパンも貰ってくる」


 引き留める間もなくあっという間に見えなくなってしまった。


 あたしも何か取りに戻った方がいいのだろうか? 


「じゃあ、僕も買って来てもらったからスープでも買ってこようかな」

「あ、待ってあたし行く!!」

「アリシアが?」

「うん、だって2人共取りに戻ってくれたのにあたしも何かしたいんだもん。シスはお金だけ出して」


 シスも何かしたいのならそれでいいじゃないと見つめているとシスは諦めたように苦笑した。


「1人で持てる?」

「持てなかったら二回に分けて運べばいいじゃない」


 財布を取り出してお金を渡してくれる時に「なくさないでね」と言われたけど小さい子どもじゃあるまいしなくさないわよ。



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