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お墓参りに行ってから一週間ぐらいが過ぎた。
「?」
なんか外が騒がしい。
「シス! 今日何かあるのー?!」
「え? 何で?」
お祭りでもあるのかな? と思ってシスに聞いてみたけど、シスも不思議そうな顔をしてきたのでお祭りではなさそう。
「なんか外が騒がしくて」
「外?」
外を見に行くシスにあたしも着いて行く。
外にはあたしよりちょっと年上ぐらいの子から年下と分かる子たちが同じ服というか制服よねあれ。
近くで学校の何か発表とか見学みたいなのでもあるのだろうか?
人数はパッと見20人は居ないけど10人以上ってところかな? 何の集まりなんだろ?
「ああ、もうそんな時期なんだ」
「?」
「夏休みだよ。エペンス通りの子供たちが帰って来たんだ」
夏休み?
「あの子たちはいつまで居るの? ずっと?」
「えっと、アリシアはずっと家庭教師だったっけ?」
「うん」
もう一度庭を見ると騒がしい集団の1人と目が合った。
びっくりして窓から離れようとしたがシスに背中を押されて中に戻れなかった。
「あの子たちには夏休みと春休みがあるんだ。学校が長期休暇になるから帰って来たんだ」
「休みなの?」
「宿題はあるけど休みだよ」
「ふうん。じゃあ、あたしも今は夏休みみたいなもの?」
宿題はないし、あんな風に誰かと同じ服も着たことはないけど長い休みみたいなものだと思えるのよねと言うとシスは苦笑した。
「そうかもね。とりあえずあの子たちに声掛けてくる? 友達になれるかもよ」
友達? そういえば前にライアたちもそんなことを言っていたわね。
今まで友達なんて居なかったし、欲しいとも思わなかったけど、ここの人たちは友達が居るのは当たり前みたいな顔をして言ってくるから頷いた方がいいのかな?
「今はいい」
ちょっと迷ってから今はシスが居るからいいやと首を横に振る。
「えっ……そ、そう?」
「うん。それよりもうすぐお昼だけど何食べる?」
サンドイッチなら作れるよと言うと今日はシスが作ってくれると言う。
「やった!」
「何か食べたい物ある?」
「んーとね、今日はたまご!」
「たまご? 料理じゃなくて?」
「たまご料理ならなんでもいいってこと」
「なるほど。じゃあ、アリシアが気に入るたまご料理を作れるように頑張るよ」
「やった!」
もう一度外を見ると先ほどまで騒がしかった集団はもう言ってたしまったみたいで舗装された道の上には誰も居なかった。
◇◇◇◇◇◇
夏休みになってからエペンス通りは活気づいたようでそこかしこから子供たちの声が聞こえて来るようになった。
いつも買いに行くお肉屋のジョンや青果店のおじさんも声に張りがある。
子供が多い方がみんな嬉しいのかな?
あたしには関係ないと思っていたけど何回か学校から戻って来た子供たちと遭遇したことがある。
「あ」
「あ」
向こうもあたしもそんな言葉しか出てこず、向こうは誰だ? と何人かで囁き合ってるしで気まずいので早々にその場を退散した。
そりゃ向こうからしたら自分たちの居ない間に来た見知らぬ子供なんてよくない感情を持ってたとしてもおかしくはないだろうけど、もうちょっと優しい反応をして欲しい。
そんなことをライアに料理を教わっている時に口にしたら「アリシアちゃんから声を掛けてみたら?」と言われた。
「なんで?」って聞いたら向こうも知らないから戸惑ってるだけかもしれないからと言う。
ライアの言うことも一理あるので今度出くわした時はそうしてみようかな。




