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第90話:機嫌次第で地獄行き!?爆弾妖精ティアリスなんですけどぉ!

 ティアリスは手のひらサイズの体をキラキラと輝かせながら、凛愛の鼻先数センチの距離まで飛んできた。


其方そなたのせいで、わらわが放課後に課外授業などという面倒な役目を押し付けられたのじゃ!!」


 小さな体から放たれる魔力の波動が、教室の机をガタガタと震わせる。

 ティアリスの瞳はキラキラしているのに、明らかに怒りで真っ赤だった。

 凛愛は後ずさりしながら必死に弁解した。


「え、ええっ!? あたしは何もしてないよ!?

 課外授業を決めたのはアザエルさんでしょ!?

 あたしはただ、クッソ熱いところで筋肉ダルマとマグマキャッチボールさせられた被害者なんですけどぉ!!」


 ティアリスはプルプルと体を震わせ、突然大声で叫んだ。


「うるさいうるさいうるさい!!

 其方がアザエルの前に出て、変な光を出したからじゃろうが!!そのせいで妾まで『リアの相手をしろ』と命じられたのじゃ!!妾は芸術を愛する妖精じゃぞ!? なぜ其方のような人間の面倒を見ねばならん!!」


 周囲の生徒たちが一斉にざわめいた。


「うわ、ティアリス様が本気でキレてる……」

「勇者、またやらかしたのか……?」

「今度は妖精様を怒らせるとは……最強すぎる……」


 ティアリスはさらに感情が爆発し、キラキラした魔力の粒子を撒き散らしながら叫んだ。


「其方、許さん!!今すぐ妾の前で土下座して『ごめんなさいティアリス様、妾の可愛さに免じて許してください』と言え!!言わぬと、この教室ごと吹き飛ばすぞ!!」


 凛愛は即座に床に正座して土下座した。


「ごめんなさいティアリス様!!妾の……じゃなくてあたしの可愛さに免じて許してください!!あたし、生きてるだけで申し訳ないです!!爆発しないでぇぇぇ!!」


 ティアリスは一瞬ポカンとした後、顔を真っ赤にして叫んだ。


「可愛いって言ったのは其方じゃろうが!!勝手に妾の可愛さを認めるな!!……でも、ちょっと嬉しい……じゃなくて、許さん!!」


 感情のジェットコースターが止まらない。


 急に。ティアリスは急に目を潤ませた。


「うう……其方みたいな人間に褒められても嬉しくないのに……なんで胸がざわつくのじゃ……妾、こんな気持ち、初めてじゃ……」


 次の瞬間、また急にキレた。


「やっぱり其方のせいじゃ!!このままでは妾の心が乱れて芸術に集中できん!!其方、今日から毎日妾の機嫌を取れ!!取らなければ……教室ごと吹き飛ばすからなっ!!」


 凛愛は床に這いつくばったまま叫んだ。


「毎日機嫌取り!? あたし、ティアリス様の専属メンタルヘルス要員にされちゃったんですけどぉ!!

 しかも爆弾設定強すぎて、機嫌を損ねたら即爆死フラグじゃん!!チュンペー、助けてよぉ!! この子、機嫌次第で地獄行き確定なんですけどぉ!!」


 チュンペーが髪の中から顔を出し、呆れた声で言った。


『……バカ人間。お前が勝手に可愛いと言ったのが悪い。妖精族は感情の起伏が激しい種族だ。特にティアリスは……機嫌を損ねると本当に教室ごと吹き飛ばすぞ』


 エロ剣が鞘の中でニヤニヤしながら言った。


『ククク、面白いではないか勇者よ。ワシもこの爆弾妖精の機嫌を取る手伝いをしてやるわい!おぬしの柔らかな体を使って、毎日機嫌を取るのじゃ……ふははは!』


「手伝うなー!! 絶対エロい方向に持ってく気でしょ!!」


 ティアリスは急に目を輝かせて凛愛の顔を両手(小さな手)で挟んだ。


「其方……リアといったか……まあ、許してやる。代わりに、今日から毎日妾の『可愛いもの作り』を手伝え!見れば、其方の爪!それはなんじゃ?」


 凛愛は完全に魂が抜けた顔で呟いた。


「……あ、えと……これはネイルと、言いまして…付け爪なんです……ん?カワイイモノ作り?」


 教室の外では野次馬たちが興奮していた。


「勇者、また新しい女を……」

「今度は妖精様を落としたのか……」

「最強のハーレム勇者……」


 凛愛は床に突っ伏して小さく叫んだ。


「……はぁ……アヴェントリアで学んだまんまだね……それ以上かも?」


 現在のステータス


 • 名前:星凛愛ホシ・リア

 • 状況:ティアリスに機嫌取り&アシスタントを命じられる

 • 精神状態:爆弾妖精の感情ジェットコースターに完全に翻弄され、限界突破中

 • 新たな称号:爆弾妖精の専属機嫌取り係


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