第86話:セリアの声、宿る瞬間!セリアの夢はあたしの夢!
灼熱の炎獄がすべてを飲み込もうとしていた。
グラディアスの放った二つの巨大マグマ球が、逃げ場のない空間を赤黒く塗り潰しながら迫る。
凛愛の視界はすでに白く染まり、意識が遠のいていた。
「……みんな……ごめんね……」
その瞬間——
凛愛の胸の奥で、温かい光が突然爆発的に広がった。
『……リア』
柔らかく、優しい、でもどこか懐かしい女性の声が、直接心に響いた。
セリアだった。
セリアの意識が、一瞬だけ凛愛の中に深く宿った。
凛愛の瞳が、セリアと同じ優しい光を帯びる。
彼女はゆっくりと立ち上がり、落ちていた聖光剣を拾い上げた。
その動作は、まるで500年前の勇者セリアそのものだった。
「…………」
セリアは凛愛の体を通じて静かに聖光剣を構えた。
聖光剣が驚いたように震えた。
『……セリア……!?』
いつものエロ剣の声が、珍しく真剣な響きを帯びた。
セリアは穏やかに微笑み、剣に語りかけた。
『アルスカイゼリオン……久しぶりね。いまは…メモリエルだったわね……ありがとう。500年、よく守ってくれたわ』
彼女は聖光剣を胸に当て、目を閉じた。
『真の使い方は、力で押さえつけることじゃないわ。
聖光剣よ……あなたは「光」そのもの。隠されたものを暴くのではなく、苦難を乗り越え導くためにある』
「御意」
聖光剣が、初めて従順に純白の光を強く放った。
同時に、スマホの中でメモリエルが静かに応答した。
「セリア、貴女の意思は生きています」
セリアは優しく微笑み、凛愛の意識に語りかけた。
『リア……少しだけ力を貸すわ。これで、今日の試練を乗り越えて。そして……』
その瞬間、セリアの意識が最大限に凛愛と同期した。
凛愛の瞳が輝き、聖光剣を軽やかに振り上げた。
迫り来る二つの巨大マグマ球に向かって——
「…………光よ」
静かな声とともに、聖光剣から純白の光の奔流が放たれた。
———!!
マグマ球が、光の奔流に触れた瞬間、真っ二つに裂け、音も無く静かに眩い光となって消えていく。
グラディアスは目を見開き、呆然と立ち尽くした。
「な、なんだと……!!全力……全力だぞっ!?………やはり、お前は……」
光が収まった瞬間、セリアの意識が凛愛の体からゆっくりと離れた。
凛愛はハッと息を吸い、膝をついた。
「……セリアさん……」
凛愛は、フラつきながらも聖光剣を強く握り直した。
その瞳には、わずかながらセリアの優しい光が残っていた。
消えゆくセリアの意識が、最後にチュンペーに語りかけた。
(クロウヴァルド……リアなら、きっと成し遂げられるわ……)
チュンペーは髪の中で、静かに目を細めた。
(……セリア……お前は、とうとうこのバカ人間に……託したのか……)
現在のステータス
• 名前: 星凛愛
• 状態:
• 聖女インストール中:意識は覚醒してるけど、体はボロボロのギャル
• メイク全崩れのリバイバル:純白のオーラで一瞬綺麗に見えるけど、中身はガタガタ
• 精神的無敵モード:ビビってる自分をログアウトさせて、今は無敵の勇者をロールプレイ中なんですけどぉ!
• 相棒:
• 伝説の目撃雀:暑さから解放されたけど、バカ人間の変貌にドン引き中
• 聖光剣アルスカイゼリオン:
• 賢者モード:セリアにたしなめられて、今は真面目に「光」やってます
• 周囲の状況:
• グラディアス:戦慄と興奮で筋肉が通常の2倍に膨張中(暑苦しさも2倍)
• セバスチャンデルセン:中立を装いつつ、評価シートをカリカリ記入中
• 炎獄の地獄:凛愛のオーラに押し返されて、一時的な避暑地と化している




