第40話:蒼の宝珠が語る真実……500年前の密約と、アヴェントリアの正体!
神殿の静寂の中、凛愛の手元で浮遊するスマホが、淡い蒼の光を放ちながら語り始めた。
ハルドもアルメリアも、そして凛愛の髪の中に隠れたチュンペーも、その言葉を一言も聞き漏らさないよう、固唾を呑んで聞き入っている。
かつて、人界は魔界の持つ強大な魔力を欲しました。そのために利用されたのが、魔族キラーとしての適性を持つ勇者の血筋でした。
セリアは、幼少期から聖光教会によって、魔族は絶対的な悪であると教え込まれ、戦うための道具として育てられました。ですが……彼女の本心は戦いにはなく、ただ静かに雑貨屋を営んで暮らしたいという、ささやかな夢を持っていたのです。
魔族との戦いを繰り返すうちに、彼女は疑問を抱くようになりました。本当に魔族は悪なのか。彼らと手を取り合う道はないのか、と。
一方で、魔界を守るために戦っていた魔王クロウヴァルドは、セリアの真意を知り、共存への譲歩案を提示しようとしました。しかし、人間を激しく憎んでいた彼の弟、アザエルはその行動に激昂したのです。
アザエルは実の兄であるクロウヴァルドを呪い、その姿を小さな雀へと変えてしまいました。
さらに、その隙を突かれたセリアも、アザエルの手によって重傷を負わされました。
死に瀕した彼女は、蒼の宝珠と聖光剣エルゼカイルを融合させ、その強大な力でアザエルを無力化しました。ですが、彼女はトドメを刺すことはせず、彼を見逃したのです。
去り際、彼女はこう言い残しました。人界と魔界は、いつか必ず分かり合える、と。
セリアが去った後、アザエルは兄と和解しようとした彼女の意志に免じ、一度だけチャンスを与えることにしました。
それが、500年後に魔界の王を決める貴族の慣わしに合わせた誓約です。
その儀式に人間を参加させ、再びその力を示すことができれば、人界の存在を認める。
もしそれが叶わなければ、魔界は総力を挙げて人界へ宣戦布告する……。
そして、その戦いの跡地こそが、現在のアヴェントリアなのです。
あの街が魔導器によって発展したのは、そこが元々魔界の土地であり、強大な魔力を帯びていたからに他なりません。
つまり、現在の人類は魔族から奪い取った土地の上に繁栄を築いているのです。
語り終えた宝珠の光が、静かに収束していく。
「……あたしたちの街って、略奪した土地の上に建ってたってこと……?」
凛愛は、自分の住んでいた場所の不都合な真実に、ただただ呆然とするしかなかった。
現在のステータス
• 名前:星凛愛
• 状況:歴史の真実を知り、困惑中
• チュンペーの状態:弟の蛮行とセリアの慈悲を知り、沈黙




