第38話:スマホが光剣!?伝説の武器は、ガジェットの形をしてるんですからぁ!
「いっけぇぇぇ!!」
凛愛が全力でスマホを横に薙ぐと、大出力の蒼い光刃が空を切り裂いた。
ギィィィン!という耳を突く高音と共に、巨大な守護石像の胴体が、紙細工のように綺麗に両断される。
「うほー!!? すげー! ワンパンじゃん! 威力エグすぎ!!」
両断された上半身が地面に激突し、凄まじい土煙が舞う。
「ご利用ありがとうございました」
と蒼の宝珠が事務的に告げた瞬間、光り輝いていた刃がパッと霧のように消え失せた。
「見た? チュンペー! 宝珠! あたし、マジでやっちゃったんだけど! これ、完全に勇者の素質出ちゃってるよね!?」
「はい、貴女は勇者です」
スマホのアイコンが肯定する。
『……たしかに、今の光剣の輝きは……セリアの使っていた物によく似ていた。バカ人間にしては上出来だ』
髪の中のチュンペーも、今回ばかりは驚きを隠せない様子だ。
勝利の余韻に浸り、ドヤ顔を決める凛愛、だが——
ゴゴゴ……ッ!!
不気味な地響きと共に、上下に泣き別れたはずのガーディアンが、それぞれ独立して動き出した。
「え? ちょっと待って、終わりじゃないの? 分裂して第2形態突入とか、聞いてないんですけどぉ!!」
「そのようです。ワタシの制御を完全に離れ、暴走状態に移行しました」
「は? ……はぁ!? 制御してたんじゃないの!? じゃ、もーいっかい、あのビームでブった斬ってやろーじゃないの! 早く出して、あの剣!」
現在の貴女の魔力量では、1撃が限度です。再起動には大幅なチャージが必要です。
「うっそ!? 燃費悪すぎでしょ! そーゆー大事な仕様は先に言ってよ!!」
上下に分かれた石像が、断面から不気味な魔力を放出しながら、猛スピードで突進してくる。もはや鈍重だった先ほどまでの面影はない。
「どーすんの!? 武器なし、魔力切れ! 積んだんだけど!!」
「逃げましょう。もう、ここに用はありません。出口はあちらです」
蒼の宝珠は淡々と、遺跡の奥を指し示した。
「逃げるったって、あんなスピードで追ってこられたら無理ゲーだってばぁ!!」
絶叫しながら、凛愛は再び全力疾走を開始した。
現在のステータス
• 名前:星凛愛
• 状況:分裂した石像から逃走中
• 装備:スマホ(魔力チャージ中・使用不可)
• 謎:蒼の宝珠がスマホに宿ったことで、神殿からどう脱出するのか?




