第36話:宝珠は気まぐれ!?石像起動で、いきなり実戦テストなんですけどぉ!
スマホと一体化してしまった蒼の宝珠が、その重い口を開き、500年前の真実を語りだそうとした、その時だった。
ゴゴゴゴゴ……ッ!!
ピラミッドの石壁が派手な音を立てて裏返り、奥から巨大な守護石像がズリズリと這い出してきた。
その眼光が赤く光り、侵入者である凛愛をロックオンする。
「あー……いやぁ、やっぱり!? だよね…結局こうなる運命なのね!? 接待プレイ終了のお知らせですかぁ!!」
凛愛は腰を抜かしそうになりながら後退るが、宙に浮くスマホは平然としている。
「うしろ! うしろ来てるってば! 何とかしてよ!!」
その叫びに呼応するように、守護石像がピタリと動きを止めた。
拳を振り上げたポーズのまま、まるで時間が停止したかのように硬直している。
蒼の宝珠は、スマホ画面に「安心してください」と表示した。
「そこは、言わねーのかよっ!安心出来るジョーキョーじゃないって!」
「ワタシが、この石像を操作しているのです。
本来なら、これを試練として侵入者に仕向けるのが役割ですので」
「ッ……ウザッ!なんなのよー! 心臓止まるかと思ったじゃん! 紛らわしいことしないでよぉ!」
『フン、下らん小細工だ!勿体ぶっておらんで、さっさと説明を続けんか!』
チュンペーがイラつきながら羽を広げ画面を突くが、スマホ画面のアイコンは、どこ吹く風だ。
「この遺跡に入ってすぐに、勇者セリアがこの石像をいとも簡単に倒す映像を見たはずです」
「見た、けど? あれは過去のリプレイでしょ? それが何なのよ?」
「貴女に、これから同じ試練を受けていただきます」
「は? ……はぁ!? さっきまで話してくれる雰囲気だったじゃん! 説明どうなったのよ!めっちゃ思わせブリじゃん!セーカク悪っ!」
「はい、気が変わりました。ワタシを使い、この石像を倒して見せてください」
「なんでそーなるの!? 気まぐれ過ぎ! ネコかよ! あたし、逃げんの得意なだけだよ!? スマホのスペックは高いけど、中の人は低スペックなんですけどぉ!!」
「貴女が勇者ならば、ワタシを使いこなせるはずです。ガーディアン自立モード起動。さあ、宜しければ戦闘を開始します」
スマホが青く発光し、止まっていた石像が再びゆっくりと拳を振り下ろした。
「えっ……!よろしくねーしっ!勝手に始めんなー!」
説明拒否、強制バトル突入。
凛愛の叫びがピラミッドに響き渡る中、スマホの画面には新しい「戦闘用アプリ」のアイコンが勝手にインストールされようとしていた。
現在のステータス
• 名前:星凛愛
• 状況:守護石像と強制バトル開始
• スマホの状態:蒼の宝珠による「試験官モード」
• 謎:宝珠が「気が変わった」真意とは? 凛愛の何を見ようとしているのか?




