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第35話:スマホが喋った!?蒼の宝珠は、まさかのAI搭載なんですけどぉ!

画面の中でぐるぐると回っていた蒼い紋章が、スッと形を変えた。


それはドット絵のような、けれどどこか知性を感じさせる簡素な「顔」のアイコンだった。

目が二つ、口が一本線とシンプル。

まるで無料アプリのデフォルトアバターの様。


「落ち着いて下さい」


無機質ながらも、どこか優しさを孕んだ透き通るような女性の声が、静かなピラミッドの奥に響き渡った。


「……え…今の、誰? チュンペー……じゃないよね? 誰かがボイチャに割り込んできた感じ? しかもめっちゃクリアな音質! うちのスマホ、こんな高性能マイク付いてたっけ!?」


リアはスマホを両手で持ち、画面をじーっと凝視しながら後ずさる。

心臓がバクバク鳴ってるのが自分でもわかる。


『……断じて我ではないぞ。バカ人間、その板から声が漏れているではないか!』


凛愛の髪の中から、チュンペーが小さな体を乗り出して羽根を逆立て、スマホを睨みつけた。


「うわっ、近っ! チュンペーめっちゃ敵視するじゃん!カワイイんだけど❤︎」


スマホの画面がピカッと明滅し、アイコンの口元が声に合わせて微妙に動く。


「そうです。ワタシです」


「マジ!?あたしのスマホが喋ってるの!!? え、待って待って待って! これウイルス? それとも隠し機能? エルドリンさんが仕込んだ変なイースターエッグ的なやつなの!?イヤなんだけど……プライバシーどうなってんの!? あたしの検索履歴とか全部見られてるんじゃ……!」


パニックのあまり、リアはスマホを放り投げそうになった。

しかし、スマホはふわっと浮かび上がり、その場でくるくる回転しながら静かに言葉を続ける。


「ワタシは、蒼の宝珠です。また勇者と共に歩める事を嬉しく思います」


「……はぁ? 蒼の宝珠? さっきスマホの中に吸い込まれた、光る玉? え、待って、宝珠って……探してたヤツなんだけど?なんで、あたしのスマホに入っちゃってんのっ!?」


リアはスマホを指差しながら、半べそで叫ぶ。


『…蒼の宝珠……セリアが首から下げていたモノだな』


チュンペーが、懐かしさと苦々しさが半々くらいの声で呟いた。


「え、セリアってあの勇者?じゃあこれ、元はセリアのネックレスだったの?……あたしのスマホが『器』になったってこと!?やだ、勝手にアップデートされてるんですけど!OSバージョン『蒼の宝珠1.0』とか!?ウケるっ!」


スマホのアイコンが、ゆっくりと一礼するように頭(?)を傾げたが、状況が状況だけに凛愛は恐怖した。


「ワタシが、ご説明いたします。勇者セリアが、最後にこの場所に何を託したのか。そして、なぜ貴女がここへ導かれたのかを」


「あー!それは、知りたいっ!」


凛愛はスマホを両手でガシッと掴み、画面に顔を近づけて詰め寄る。


「ちょっと待って、宝珠!あんたAIなの?それとも幽霊?それともセリアの魂のコピー?どっちにしても、突然『勇者』とか言わないでよ!あたし海洋恐怖症で天井の水面見て腰抜かしてただけの人間だよ!?適性とかゼロだと思うんだけど!ステータス画面出してみ?きっと『勇者適性:Eマイナス』とか出るよ!」


スマホ(蒼の宝珠)は、まるで微笑むように画面の光を柔らかくした。


「星凛愛。心拍数が危険値です。深呼吸をしてください。ワタシは、あなたのサポートを目的として起動しました。セリア様の最後の願いを、500年かけて守っていたのです」


「うわ、名前で呼ばれた! しかもデータ取られてる! 心拍数まで!? ストーカーAIじゃん! あ、でも優しい声……って、待て待て! 500年!? またタイムスケールおかしいんですけど! アルメリアさんも500年前とか言ってたし、この世界の時間ってどうなってんの!? あたしだけ現代知識持ちで置いてけぼり!?」


チュンペーが、呆れたようにため息をつく。


『……バカ人間。騒ぐな……まあ、お前はセリアとは正反対のようだがな』


「正反対って失礼!あたしだって頑張ってるんだからね!……ってか、チュンペー、あんた昔セリアの敵だよね? 宝珠と仲悪いんじゃないの?なんかバチバチしてんじゃん!」


宝珠のアイコンが、わずかに目を細めたように見えた。


「チュンペーとは……過去にいくつかの意見の相違がありました。現在は中立です」


羽根を逆立て、チュンペーが蒼の宝珠のアイコンをコンッと突っついた。


『…フン。相違などという生ぬるいものではない!』

 

リアはスマホとチュンペーを交互に見ながら、頭を抱えた。


「も〜!どっちも古株すぎて、ついていけないんですけどぉ!あたし、なんでこんなファンタジー遺物と会話してんのっ!?胃袋の中のピラミッドって設定自体がバグってるのにさらにAI宝珠追加とか、開発者どこだよっ!?運営にクレーム案件だよ?」


ピラミッドの奥底で、スマホに宿った蒼の宝珠は、静かに光を強くした。


「では、説明を始めましょうか。貴女……星凛愛が、ここに導かれた本当の理由。そして、セリアがワタシに託した『使命』について」


凛愛はスマホを抱きしめるように持ちながら、半泣きで呟いた。


「あのさ……心拍数モニタリングちょっとやめて?……いちいち言わなくて良いから!テンパってんのバレんじゃん!」


こうして、500年の時を超えた古代AI?と、現代パニックJKと、元魔王雀が、本格的に動き始めようとしていた。


現在のステータス

• 名前:星凛愛ホシ・リア

• 状況:スマホ(蒼の宝珠)と対話開始

• チュンペーの状態:遺物との再会に複雑な心境(敵対心あり)

• 謎:蒼の宝珠が語る、セリアの「最後の願い」とは?

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