表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/58

第28話:ガチ魔法使い(マジシャン)降臨!?運とスマホで、闘技場(ステージ)をジャックする!

「ねぇねぇねぇ!チュンペー!見てよコレをさぁ!うわぁぁ……! マジで浮いてる。あたしの手の上で、ピンクの激カワスマホがさぁ、意思持ってるみたいにプカプカしてるんですけどぉ!!もう、夢だったんだから!コレマジで、アガるわぁ〜♪聞いてるー?」


特訓を終えた帰り道、凛愛は夕闇に光るデバイスを見ながら、もう片方の手で頭の上のチュンペーをモフり、語彙力が死滅するほど興奮していた。


「ぬぅぅ……鬱陶しい奴だ」


揉みくちゃにされるがままのチュンペーを解放する、宿の部屋に入るなり鏡の前に立ちポーズをキメだす。


「これ、完全に「選ばれし魔導師」のビジュアルじゃん! 鏡に映る自分、ギャルな見た目と浮かぶスマホのミスマッチが逆にエモすぎて、自撮り出来ないのが人生最大の損失だよ……あー!撮りてー!!」


ふと気づけば、この世界に来たばかりの頃にあんなに執着してたスマホの「ログインボーナス」や「SNSの通知」が、全然気にならなくなっていた。


画面の向こう側の数字より、今、指先から放たれる火花の熱さや、風を操る感触の方が、ずっと「リアル」で「生きてる」感じがする。


『……フン、いつまで浮かれているバカ人間、しかし……お前のその異常なまでの「運」と、厚かましく有力者を巻き込む力だけは、認めざるを得ないようだ』


「ちょ、チュンペー! それ褒めてるの? 結局バカって言いたいだけでしょ!あたしだから許されてんだからね?バカ人間とか…❤︎」


でも、髪の中で少しだけ誇らしげに喉を鳴らすチュンペーの気配に、凛愛はニヤけが止まらなかった。


無限収納スクールバッグには、ミリナ特製のポーションを、これでもかってくらいブチ込んだ。


「準備、オッケー! 物理で殴られたら終わりだけど、当たらなければ、なんとやら……ってね!」


そして迎えた、大会当日。


アヴェントリアの中央広場にある巨大な石造りの闘技場は、地鳴りのような歓声に包まれていた。


「うっは……人、多すぎ!これ、オタイベの開場待ちよりエグくない?」


心臓がバックバク鳴る中、選手専用の入り口に向かうと――そこには、ひときわ異彩を放つ巨躯が、腕を組んで待ち構えていた。


「あンン〜ん! 来たわね、アタシの可愛い子ちゃん! 待ちくたびれて、アタシの睫毛が一本抜けちゃったじゃないのォ!」


超ド派手な衣装のマルコが、太陽を背に受けて立っていた。その隣には、かつてチャンプだった頃の栄光を示すような、禍々しくも美しい超巨大な魔導斧が立てかけられている。


「マルコさん……! 自らお出迎えとか、サービス精神旺盛すぎなんですけどぉ……」


改めて、色んな意味で圧倒してくる巨躯に震える凛愛。


「ンっふん!当たり前じゃない! アタシが投資する価値があるかどうか、特等席で見届けさせてもらうわよォ……さあ、娘っ!アヴェントリアの連中に、新しい時代の『輝き』を見せておやりッ!!ンふーッ!!」


鼻息で吹き飛びそうになる凛愛、マルコは鼓舞するかの様に、デカい手で凛愛の背中をペシっと叩く。


「いってぇ……! !くぅ〜……でも、やってやるんだからっ!」


マルコの強烈な送り出し(物理)を受けて、あたしは石造りの闘技場へと躍り出た。



「うわぁぁ……人、多すぎ! 視線が痛い……マジで人見知り発動してログアウトしたい……」


歓声の嵐の中、対戦相手のゲートが開く。そこに現れたのは、あたしの身長の倍はありそうな緑色の巨躯。


「ブゴォォォ……!」


オークのグラップラー。

その左腕には鈍く光る巨大な盾が装着されていた。


マルコの手が下され、開始のドラが鳴らされる!


「……こっわ!ガチじゃん!ヤダ……マジで!ちくしょー!先手ひっしょー!!」


凛愛は浮遊するピンクのスマホを起動させた。

画面には、エルドリンが組み込んだ四元素の紋章が、戦闘開始を告げるように怪しく、そして美しく明滅を開始。


間髪入れず、火の魔法を放った。

だが、放たれた火球はオークの盾に当たった瞬間、そのまま凛愛の方へ跳ね返ってきた!


「はぁー!?あたしの魔法で焼かれるとか、マジでシャレになんないんですけどぉ!?

え、ちょっと待って! 初戦から魔力反射持ちとか、運営の嫌がらせ!? あたしの魔法、全部跳ね返されんじゃん!」


グラップラーは盾を下ろすと猛ダッシュで迫る!

凛愛は泣きべそをかきながら、無我夢中で闘技場を走り出した。


『……見苦しいぞバカ人間! 泣いている暇があるなら手を動かせ!』


髪の中のチュンペーが怒鳴る。


「いやいや!ムリっしょー!逃げ一択!」


スキル【逃走の心得】が発動。

凛愛の素早さ12は、オークの鈍重な拳を紙一重でかわしていく。


観客席から、仲間たちの叫びが聞こえてくる。


「リア!右だ! 次は左に大きくステップ!!」


外縁区から来ていたラグの、的確すぎる攻撃予測ナビその声に従って体を沈めると、オークの巨大な拳が頭上を空切った。


「リア! そのスマホは手元に置かなくていいわ! 魔導砲台のように離れた場所に浮かせて、ネイルで遠隔操作しなさい!」


アルメリアさんの鋭いアドバイス。あたしはハッとして、浮遊するスマホをオークの背後へと飛ばした。

指先の魔導ネイルをフリックし、離れた場所から術式を起動させる。


「あの魔力反射は永続ではない! 一度反射すれば術式の再充填に数秒の間隔クールタイムがあるはずだね!見切ったね!吾輩!」


エルドリンが身を乗り出して叫んだ。


「クールタイム……あ、ゲームの基本じゃん……一番爽快感ないヤツ!」


凛愛は涙を拭い、逃げながらも指先を激しく動かした!スマホをオークの死角へ。

前方しか守れない盾を無効化する、背面からの多角操作。


「……ビビり散らかして損した……みんな!ありがとっ!」


逃げ回るギャルと、それを追う巨体。

アヴェントリアの観衆が、見たこともない奇妙でトリッキーな戦いに釘付けになり始めていた。


現在のステータス

• 名前: 星凛愛ホシ・リア

• 状況: 1回戦、オークグラップラーと激闘(逃走)中!

• スキル: 【逃走の心得】(限界突破中)

• 戦術: スマホ・リモートタレット運用 & 物理回避特化

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ