第27話:魔改造完了アップデート!ギャルの本気、舐めないでよね?
マルコの無茶振りから数日。
魔導区にあるエルドリンさんの工房は、連日徹夜の熱気に包まれていた。あたしのスマホを「武器」に変えるための、ガチな共同開発プロジェクトだ。
「完成だよ、リアちゃん! 吾輩とアルメリアの英知の結晶……受け取りたまえ!」
差し出されたスマホを見て、あたしは思わず叫んだ。
「うーわ……マジ!? テンション爆アゲなんですけどぉ!!」
それは、あたしの好みをフル無視……じゃなくて、ガチで汲み取ってくれたピンクの魔石を散りばめた超絶キラキラ仕様。
しかも、エルドリンさんの魔改造によって、あたしの手のひらで魔導書みたいにふわふわ浮いてる!
「本来なら数冊の分厚い魔導書が必要な『理』を、この小さな板一枚に圧縮したよ。火だけじゃなく、風、雷、氷の術式も使える!これぞ次世代の魔法触媒だね!」
アルメリアさんも、少し疲れを見せながらも満足げに微笑む。
「リア、そのケースには私の錬金術の粋を込めたわ。魔力を効率よく増幅させて、あなたの意志に反応して浮遊するようにしてあるの。……これなら、格上の相手とも渡り合えるはずよ」
アルメリアの妖艶な微笑みに、凛愛はギュッとスマホを握りしめた。
そこからの特訓は、まさに「地獄の合宿イベント」だった。
「ほらほら、お嬢ちゃん! 魔法を撃つのに手間取ってたら、実戦じゃ首が飛ぶぜ!」
アヴェントリア郊外のギルド訓練場。
ハルドの放った模擬剣が、凛愛の鼻先を鋭く掠める。
「ぇえ……ハルドさん、鬼! 悪魔! バーサーカー!! あたしの顔面に傷がついたらどーすんのっ!」
あたしは転がるように土を噛みながら、必死にスマホの画面をスワイプした。
「そこだ! ICE(発音良く)……展開っ!」
指先の魔導ネイルがスマホの魔力ブーストケースと共鳴し、ピンクの光が弾ける。
瞬時にハルドの足元が凍りつく……はずだった。
「あぁ〜、甘いねぇ…術式がコンマ数秒遅い。実戦ならその隙に懐に入られてるぜー?」
ハルドは氷のトゲを軽々とステップでかわし、またニヤリと笑う。
凛愛は息を切らしながら立ち上がる。
「はぁ…魔法使いって、こんな体力しょーぶだっけ?マジでキツいんですけどぉ……」
「リア、焦ってはだめ。魔力の流れを『線』ではなく『面』で捉えて。理魔法は、重ねて使う事も出来るわ」
傍らでアルメリアさんが、優雅に指先で虚空になぞる。
彼女が教える「応用」は、ただ魔法を放つだけじゃない。
火の術式で空気を暖め、氷の術式で急激に冷やし風で霧を発生させる……そんな高度なコンボだ。
「うぉ〜……スゴっ!そっか……これ、単発撃ちじゃなくてコンボすればいいんだ……!」
あたしがコツを掴みかけたその時、エルドリンさんのうるさい声が割って入る。
「そうだよ、リアちゃん! 吾輩が調整したそのネイルは、スマホの四隅にある魔導センサーと直結している。意識を指先に集中させて、最小限に動かすだけで術式が切り替わるはずだ! 吾輩の天才的デザインを信じなさい!」
エルドリンの指導は、魔力の出力調整だ。
ネイルの色が変わる瞬間に魔力を流し込めば、最小限の魔力で最大の威力を出せる。
凛愛は必死に画面をフリックし、指先の感覚を研ぎ澄ませる。
(確かに!其れの指先に意識を向けるだけで、思い通りに反応してくれる!けど……)
『……右だ。次は風を置いて、雷を乗せろ……遅い! そこで氷を置けと言っただろう、このバカ人間!』
髪の中のチュンペーが、耳元で脳を溶かすようなイケボを響かせる。
「っ……! もーっ、うるさいなぁ……! 集中できないって!てか、その声で指示されると……なんか、もっと罵倒してほしいっていうか……あーっ!ダメだ!違う事、考えちゃったじゃん!!(❤︎)」
罵倒されるたびにM気質が覚醒し、凛愛の集中力は限界を超えて研ぎ澄まされていく。
火を灯し、風で煽り、氷で固め、雷で貫く。
「……できた! 術式、四属性同時接続完了!」
訓練場の標的が、ピンクの光と属性魔法の嵐に飲み込まれて粉砕される。
土埃が舞う中、あたしは荒い呼吸を整えながら、浮遊するスマホをキャッチした。
「っ……あーもう、みんなして! でも……なんか、やれる気がしてきた!」
特訓の仕上げにソロで森へ入り、数日間ゴブリン数体を新しいスマホの術式コンボで一掃した時、あたしの頭の中に心地よいファンファーレが鳴り響いた。
「よっしゃー!レベル、上がったし……! 」
現在のステータス
• 名前: 星凛愛
• レベル: 5 → 11(+6上昇!)
• 力: 4
• 体力: 4
• 素早さ: 6 → 12(+6上昇!)
• 知力: 6 → 9(+3上昇!)
• 魔力: 2 → 7(+5上昇!)
• 運: 10
• スキル: 【魔力感知】、【逃走の心得】




